新建ハウジングvol.682(2015.2.28号)の一面に
「都会の若者 森へ向かう」として、
若者の林業就業の増加、産業としての労働人口の若年率増加についてのトピックが掲載されました。
2面には、弊社代表・古川のコメントを掲載いただきました。
各地で製材・工務店と連携しながら活躍する
林業会社のご紹介をさせていただきましたので、お手元にお持ちの方は、ぜひご覧いただければ幸いです。
新建ハウジングvol.682(2015.2.28号)の一面に
「都会の若者 森へ向かう」として、
若者の林業就業の増加、産業としての労働人口の若年率増加についてのトピックが掲載されました。
2面には、弊社代表・古川のコメントを掲載いただきました。
各地で製材・工務店と連携しながら活躍する
林業会社のご紹介をさせていただきましたので、お手元にお持ちの方は、ぜひご覧いただければ幸いです。
樽のパーツである「樽丸」が、井桁に組まれて乾燥中。
吉野杉発祥の地にて。
「木を使う工務店として、森を知り、社員の想いをひとつにしたい!」
そんなご要望をうけ、クライアントA工務店様社員とパートナー(設計者、棟梁)ご一行を
吉野林業発祥の地・奈良県吉野郡川上村と吉野町へ、視察へお連れしました。
もともと自然素材にこだわり、地元の木材を使った住宅を手掛けているA工務店様。
より「木」を知る工務店として強みを伸ばし、
地域材のみならず全国の優良産地とのつながり・仕入れを強化する
商品仕様のリニューアル、ブランディングプロジェクトに取り組んでいます。
今回はその一環として、新たな産地開拓を視野にした視察となりました。
弊社のネットワークからコーディネートをさせていただき、
・原木市場
↓
・林業作業(集材)現場
↓
・吉野杉美林
↓
・樽丸工場
↓
・木材加工センター
と、吉野林業の歴史といまを知る、一日弾丸コースをご案内しました。
吉野町にある原木市場へ。
ちょうど2日後に市があるということで、多くの原木が集まっています。
初めて見る吉野材の大径木に圧倒されます。
吉野町から川上村へ入り、吉野林業の父・土倉庄三郎翁の磨崖碑に出会います。
丸太が伐り出される林業の現場へ。
山の空気を体感したあとは、丸太が加工される様子を見学します。
そもそも吉野林業は「樽丸林業」ともいわれ、樽用材の生産地として発展してきた経緯があります。
吉野川・紀ノ川を下った丸太や樽丸(樽の部材)が、灘などで樽に加工され、
樽に詰めた酒を、樽廻船が江戸へと出荷していました。
こちらが樽丸。
お酒が漏れないよう、節があってはいけないということで、
自然落枝をうながす密植多間伐の吉野式林業が確立されました。
井桁に積んだ樽丸を乾燥させている様子です。
原木を割るところから、製造工程を見せていただきました。
特殊な道具で樽丸を削り出す、手仕事の様子に、
「予想していたのと違って、樽丸づくりは非常に奥深い!」と感嘆の声が漏れました。
そしてまた、山へ立ち返ります。
250~300年生の吉野杉の美林へ。(川上村、チゴロブチ、北村林業の所有林)
最後に、村内で吉野杉を構造材・内装材へと加工されている工場へ。
幅広のオリジナルフローリングに触れ、
これからの家づくりのイメージを掻き立てます。
エンドユーザーに住まいとして木を届ける工務店と、生産者とがつながり、
よりお互いへの理解を深めた視察となりました。
A工務店様よりいただいたご感想を、一部ご紹介します。
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木を扱っている者は、木の原理、森の法則を知らなければならない。そんな想いで視察を行なった。国産材の需要が減少を続けている中、創意工夫を凝らして活路を開く努力を、様々な林業、製材業の方がされていることを現場にて強く感じた次第です。
私たちビルダー(工務店)が行なうべきことは、国産材無垢を使った木造建築の良さをユーザーにもっとアピールし、使用量を押し上げるべく努力を行なうことであります。悠々と時を経て、巨木に成長した宝の山を前にして、この自然を活かす努力をそれぞれの立場で培って行かねばならないと、改めて感じた視察となりました。
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川上村では、日本最古の植林の歴史があり、400年前に私達の祖先が「手植え」をした人工林の森を見ることが出来るのです。400年前というと1600年代、関ヶ原の戦いがあった年代。大きな杉の根元に立ち見上げると、これはもう「奇跡」としか言い様がない気持ちになります。
柱や建築建材に樽やお箸など出来た製品を見て価格を判断すると、他商品と比べ価格競争の渦に巻き込まれることだと思いますが、この地に1日でも来て、見て触れて、木の香りを全身で受け止めると価値観も違ってくることは間違いないだろうと感じました。
これから木を使った新築やリフォームを考えている方には、この人工林の故郷である川上村を尋ねてみてください。住まいづくりが劇的に変わること間違いないですから。
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今まで杉のフローリングをお客さんにお勧めする時、あくまで一つの製品として特徴や木の良さを説明していましたが、今回、川上村の山を見て、また山で育っている杉や桧を見て、それに携わっている沢山の方たちとお出会いさせて頂きその方たちの熱い思いに感動しました。
これからは、杉や桧のフローリングの説明をさせて頂く時に山の事、作っておられる方たちの事もお話させて頂くのが楽しみです。 そしてお客さんにもその材料がより気にいって頂けたらなぁって思います。
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杉の特性を活かした文化的価値のある物づくりの現場を実際に見て体験できたことは大きな収穫で、これから新築やリフォームを行う皆さんにもこの川上村に行くとは強くお勧めしたい。吉野杉を活かした仕事をして見たいと、改めてその価値を感じた1日でした。
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「安い・高い」の価格だけを届けるのでなく、しっかりとした正しい価値を街中の人たちに伝えられるように、そして、みんなが永遠に生き残れ循環できるように!!!今回、建築という立場から木を使う責任として、木を育ててくださる方と出会い、その感謝を伝え、より一般の方へ届ける役割を強く感じました。
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後日さっそく、住まいづくりの素材にと、吉野杉フローリングを注文されました。
今後も、工務店の商品力、営業力強化の「点」のご支援とともに、
木材産地とおつなぎする「線」「面」のサポートにより、
住まいと森の価値、その双方を高めるコーディネートに取り組んでまいります。
ご協力いただいた川上村の事業者の皆様、
ご参加いただいたA工務店とパートナーの皆様、誠にありがとうございました。
「日本の森、木材の産地とつながりたい」
「木をいかした、顧客に喜ばれる住まいづくりがしたい」
*産地ツアー、仕入れ強化のご支援等をご希望される工務店様は、お気軽にご相談ください。*
毎月大阪で開催している、経営実践研究会。
今月も関東から四国、山陰、
林業家から製材、流通、工務店業の経営者が集まり、
「遠くの同志」とディスカションとなりました。
今回のテーマは
●運送、配達オペレーションのノウハウ
●原木を買って一人で製材してみたら・・・ ~製材の楽しさと現実~
● JAS認定の取得について
参加者の一人の方に、奈良県から電車を乗り継いでお持ちいただいた「吉野杉」。
先日、あるwebニュースで大きく取り上げられたもので、
一人の女性が原木市場で丸太を買い付け、
自ら製材を手配し、自宅で天然乾燥し、
最終的には家具や小物、割り箸をつくるというプロジェクトを進めています。
これは、木材に対する理解を深めるための
PRも兼ねた試みですが、
ニュース掲載以降、SNSでのシェア数は2万件を超え、
多くの問い合わせがあったそうです。
この取り組みから見えてきたことは、
★原木や木材のビジネスモデル、マーケットに対する認知度・理解度の低さ(建築士や関連業種から)
★あらためて製材というものの「面白さ」
です。
例として、ニュースに掲載された単価を見て、
製品を購入した経験がる事業者などから、
「なんでニュースに載っていた原木価格は安いのに、製品価格が高いんだ」
といった問い合わせがあったということです。
製材品の原価には、
・原木原価(単価)
・製造原価(加工にかかる動力費、経費)
・運賃
が含まれ、さらに、
製品の使い方提案や情報提供など、眼に見えにくい付加価値を提供しているのですが、
はたして木材業の価値はどこにあるのか、改めて定義をし、見える化すること、
顧客である建築業や施主とのコミュニケーションの必要性を痛感する事例でした。
また、一本の原木から、
家具用材、桶や樽用材、割り箸用材といった「木取り」をあれこれ考え、
一つ一つの加工流通を追っていき、最終製品を作り上げるという取り組みは、
純粋に「楽しい」「面白い」ものです。
製材所経営者のコメントの中では、
「やっぱり、製材というのは、本来面白いものだ。
ただ、その面白さにとらわれ過ぎると、商売ができない」
というジレンマも。
一本の原木を自分で買って、製材して、初めて見えてくるもの。
●歩留りとビジネス性(収益性)、
●製材単価(原価)とオープン性(非公開性)
●地域との信頼関係の構築と、PR効果との背反性
などについても、
製材という仕事の奥深さと、ビジネスにおける特殊性をふまえたディスカションが繰り広げられました。
その他、ディスカションでは、
原木・半製品・製品の運送に関して、
●運賃の請求における設定と交渉方法、
●検収作業のノウハウ
●特殊材の取り扱いについて
メンバーが日頃の経験を持ち寄り、ヒントを探りました。
またJAS規格の動向について、全国の事例を知るとともに、
「一度取得したが、辞めてしまった」
という生の声から、その理由・課題について議論しました。
~~~
次回の研究会は、2月27日(金)14:00~18:00です。
■テーマ(予定)
(ゲスト講座)
・地域材を軸とした工務店グループ連携のビジョン
(ディスカション)
・製材機械オペレーションの改善
(話題提供)
・外部人材活用による地域活性化の成功要因
・市町村森林整備計画の実態
・木質バイオマス発電の地域ファイナンスとリスク評価
限定3社まで、無料体験も受け付けております。
ご興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。
☎06-7878-6376
または「お問合せフォーム」まで。
森林セラピー、森のようちえん、木育。
森のちからを借りて、人が「生きる力」を取り戻すという試み、
その根源は同じだと教えていただいたシンポジウムでした。
昨年に引き続き、企画とコーディネーターを務めさせていただきました
シンポジウム「ライフ・アンド・フォレスト」を、キャンパスプラザ京都にて開催いたしました。
100名程の方にご来場いただき、3人のすてきなゲストの方々のご講演、
そしてパネルディスカッションと続きました。
●森林セラピスト
小野なぎさ さん
「森ではたらく!」にもご登場いただいた小野さんからは、
森林セラピーの科学的効果に加え、その本質的な意義についてご紹介いただきました。
都会人にとって、感覚を開放できる、非日常空間である森林という場を借りて、
「森に何かをしてもらう」のではなく、
みずからの感覚、五感をつかい、自分と向き合う試みです。
●京都・八瀬森のようちえん どろんこ園
代表 石川麻衣子 さん
京都市内で自主保育として活動されている「森のようちえん」で
子どもたちが森の中で元気よく、たくましく成長していく様子を
臨場感あふれる写真と、感動をさそう動画でご紹介いただきました。
会場からは、「感動して涙が出た」というお声も聞かれました。
●一般社団法人 木づかいビジネス協議会
代表理事 多田知子 さん
木のおもちゃや木材に触れることを通して
人の主体性や感覚をよびさまし、empowermentを試みる「木育」について、
自らチェンソーを使っての森林整備や、ビジネスにも取り組まれる多田様の
多彩なご活動を通した独自の視点で解説いただきました。
パネルディスカッションでは、
京都大学農学研究科森林科学専攻の高部教授から、
木材の科学的性質をご解説いただいた後、
私 岩井の進行で、
主に3つのテーマについて議論しました。
①木材生産や環境だけでない、森や木のちからとはどんなものか
②そのちからを活かすのに必要な視点や実践の工夫
③森から知る、現代のくらしを豊かにするためのヒント
①では、懐が深い、五感を刺激する森という空間の特徴や
やはりマイルドに五感を刺激し、扱いやすいという木材の性質を含めた
「森のちから」を、改めて解きほぐしました。
森はいいよ、木はいいよ、と言うとき、
なぜいいのか?を、林業界もしっかりと理解しているとは言えない部分に、
すっと腑に落ちる答えをいただいたように思います。
③の、豊かに生きるヒントというテーマでは、
講演の中でも度々きかれた
「生きる力」とは何かについて、議論をしました。
「感じる」力、「自分で判断してやってみる」力、
人間が生まれもっているその”生きる力”。
森や木をつかって、少しだけ手助けをして、その力をはたらかせること。
あとは徹底的に「見守る」姿勢が、3つの取組に共通する特徴でした。
”自分でできた”という経験が、「自己肯定感」につながっていくといいます。
また、②の実践におけるポイントについては
それぞれの方の
・原体験
・プロフェッショナリティ(知識、技術)
・日々の実働(地域との地道なコミュニケーション等)
どれが欠けても、このすばらしい取り組みは実現できないものであると感じました。
今回ご紹介いただいた「森林セラピー」「森のようちえん」「木育」は、
森にまつわる取り組みとしては、新しく生まれた言葉ではありますが、
林業や木材業、すべての「しごと」に通ずる、多くのヒントをいただきました。
また、どれもが、日々の暮らしの中で少しでもそのエッセンスを取り入れたい、
「私もやってみたい」と感じる取り組みでした。
進行をしながら。森の可能性をおおいに感じる、刺激的な時間でした。
すてきな講師の皆様、ご来場の皆様、本当にすばらしい一日を、ありがとうございました!
今後も、このシンポジウムシリーズでは、
森とくらしの関係性を読み解き、可能性を発掘し続けたいと思います。
(コーディネーター 岩井)
― 生活(くらし)の中から、日本の森林・林業を考えるシンポジウム ―
今年も開催決定!
弊社・岩井がコーディネーターを務めますシンポジウムが1/10(土)京都で開催されます。
どなたもお気軽にご参加ください。
■テーマ
「癒す、育む、森のちから」
森林セラピー、森のようちえん、木育など、森の力を借りながら人の成長や健康をめざす取組について、各地でご活躍の方に事例紹介をいただき、多様な森とのかかわりについて考えます。パネルディスカッションを通して来場者とともに議論を深め、森林や教育・健康に関心を持つ人の交流を深めます。
■ゲスト
・小野なぎさ氏(森林セラピスト)
・石川麻衣子氏(京都・八瀬森のようちえん どろんこ園 代表)
・多田知子氏(一般社団法人木づかいビジネス協議会 代表理事)
■コーディネーター
高部圭司(京都大学大学院農学研究科教授・認定NPO法人才の木 理事)
岩井有加(NPO法人京都・森と住まい百年の会 理事・㈱古川ちいきの総合研究所)
■日時
2015年1月10日(土)
13:30~17:00(13:00開場)
13:00 開場
13:30 開会
13:40 第一部:事例報告(小野氏、石川氏、多田氏)
16:10 第二部:パネルディスカッション
■場所
キャンパスプラザ京都第2講義室
[京都市下京区西洞院通塩小路下ル]
■参加無料
■申込不要
■主催
認定NPO法人才の木
NPO法人 京都・森と住まい百年の会
平成27年1月9日(金)、
本日は愛媛大学樽味キャンパス、森林資源学専門教育コースの学生を対象に弊社古川が
新年最初の講師をさせて頂きました。
愛媛大学樽味キャンパス正門
愛媛大学では、林業の実践で役立つ人材を育てるべく、森林資源学専門教育コースを設置し、
理論の学習だけでなく、実践を通して幅広く深く、
森林についての学を深める場を提供しています。
古川は定期的に愛媛大学にてゲスト講師を努めており、
今回は、幼少の頃から森に馴染みがありこの学部に進んだ学生や沖縄など遠方より進学
した学生など20名以上の大学・大学院生にご参加頂きました。
講義は、日本三大美林は、人工美林といった日本の林業におけるポピュラーな話題提供からはじまり、
地域再生についてマーケティングや経済指標・経営的な視点からお伝えする内容となりました。
また、林業における経営力とは何か?を問う中で、国産材のブランド化に必要な7要素などを用いて、
現状の林業の課題や脆弱性を提示しました。
そして、複数の事例を交えながら、
各地域でいかに商品・サービスに付加価値を加えながら経営をするかといった事を紹介し、
最後には学生に向けて今後の林業や学生自身の将来についての
考え方や行動指針となるようなことを伝えさせていただきました。
テーマは「林業による地域再生」〜森ではたらく!暮らしと経営のプロデュース論〜として、
1,データと現場でみる林業・木材業界の理想と現実
– そもそも林業とは何か、そもそも林業の「担い手」とは何か
2,林業における経営力とは何か
– 地域資源(国産材)マーケティングの基本と実践
〜理念と利益、マーケティングのエッセンス、国産材ビジネス ブランド化7つのポイント〜
3,「森ではたらく!27人の27の仕事」(学芸出版社)から学ぶ若者のビジネスの5つのポイント
について、多くの事例を交えながらお話しました。
講演の最初は、日本三大美林は?日本三大人工美林とは?などのクイズを通して、
ディスカッション形式で進行していきます。
中でも、「好きな樹種とは?」の質問に対して、シロモジ、アオキといった
森林資源学部コースの学生ならでは?のユニークな回答も。
講義では、市場規模でみる林業、工務店やハウスメーカーの販売戦略としての
大量消費型や付加価値型といった分類など、学生にとっては日頃馴染みのない内容
ではあるものの、森林資源×マーケティングといった切り口は非常に新鮮であったようで、
熱心に耳を傾けて頂きました。
講義中の様子
いつも質問させていただくのですが、「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は犯罪である」と
お伝えする中で、「理念と利益どちらを重視するか?」という質問に対しては、
8割の学生が理念を重視すると回答しました。
この質問に対する回答は聴講者や大学により比率が変わるのですが、
そのまま理念を大切に抱きながら、マーケティングノウハウなども身につけ、
理念と利益の両立をして頂きたいと思います。
その他、弊社がこれまでに”プロデュース”してきた事例を紹介し、森林資源をどう育て、
次の世代へつなげているのか。どのようにマーケティング要素を加味して、
ビジネスとして成立させているのか。
大学の座学を実践で活かすためのヒントとなるべく情報を紹介しました。
最後には、今後の進路を考える学生に、
森林に関わるさまざまな仕事や生き方があることを知っていただくためにも、
古川著書「森ではたらく!27人の27の仕事」を用いて、
普段の生活では知ることのできない、森林に関わるリアルな暮らしとビジネスを紹介。
27人の生き方から見えてくる、マーケティングだけではない視点、
生きていく上で大事にして頂きたい情熱方程式、自分を成長させる「旅・人と会う・読書」の必要性、
SMARTの法則などをお伝えしました。
森林に関する知識以上に、
今後の学生生活、将来はたらく上で役に立つヒントではないでしょうか。
参考図書として紹介された「森ではたらく!27人の27の仕事」と「林業男子」
素晴らしい学生のみなさんと出会う機会を頂いた愛媛大学の皆様に改めて感謝致します。
最後に、講義を受講された学生からのコメントを一部ご紹介させていただきます。
——–
学生からのコメント
——–
■Aさん
・地域から出て、初めてその地域のことがわかる。→地元のために何をすべきかが考えられる。
・お客が自分に何を求めているのか。自分にしかないものとは。
地元、地域のために必要なことを知り、をれを実践していきたい。
■Bさん
森林資源学コースにいながら、まだまだ森林について知らないことがたくさんあるこ
と
を改めて実感しました。
マーケティングの知識や林業の経営の仕方など学ぶことが
でき良かったです。
理念よりも利益か、利益よりも理念かとても難しいですが、
さらに深く考えていくと自分の卒論の研究などでも活かせそうです。
■Cさん
利益と理念、夢と現実についての話がとても興味深かったです。
マーケティングや活性化についての話も興味深く、自分も将来力になれればと
思いました。
■Dさん
今までは正直、講義を聞いても林家さんのお話を聞いても、これからの林業や林政に
あまり期待を持つことが出来ませんでした。
しかし、今回お話を聞いて全国各地で
いろいろな立場の方が努力されていて、
私も少しでも林業を盛り上げていけたらなと
感じております。
また「森ではたらく!」読ませていただきました。
私の地元、広島でも林業女子会できないかな、森林の面白さを他のコースの人にも
伝えられないかな、と沢山やってみたい!と感じることがありました。
■Eさん
今まで直接見学してきた工場や木材を取り扱う会社の動画を拝見してとても
感慨深かったです。
将来林業関係の仕事に就くかは分かりませんが、面白い講義だと思いました。
■Fさん
本講演では、木材の理念と利益のベクトルの話や、マーケティングについてなど、
林業における経営力の話が非常に興味深い内容で今までの自分には無い
考え方を学べ、
良い刺激になりました。
私はまだ将来の夢や明確な目標を模索している段階ではありますが、
本講演のおかげで、視野も広まり、将来のヒントになりました。
2014年度の最終回!
東京国産材ビジネスセミナー(第5回)を、12月13日(土)に開催しました。
今回のテーマは「バイオマスギャザリング&総まとめ」
午前の部(オプション)&セミナー前半は、
低質材・端材・未利用残材の有効利用として、化石燃料の代替物として注目されている
木質バイオマスについて、第一線で活躍している方々にご講演いただきました。
講義の後半は「総まとめ講座」
林業・木材業の法務契約、
林業バリューチェーン、事業体経営における決算書分析、
そして、事業戦略の作り方についてまとめました。
■■午前の部~バイオマスボイラー現地見学~■■
午前中のオプション研修会は「公園における剪定枝活用の取り組み」。
東京湾に面する大井ふ頭中央海浜公園にて、
公園の管理会社である株式会社日比谷アメニスの大西竹志氏から、
剪定枝を利用した木質バイオマスエネルギー活用事例を紹介していただきました。
こちらの公園では、園内で発生する年間100t以上の剪定枝をチップに加工し、
↓
公園内に設置した「ソーラードライシステム」で乾燥
↓
「ボイラーコンテナ」にて燃焼し、施設棟で利用する温水と冷暖房の熱源を供給しています。
講義室にてシステムの概要について説明の後、
実際にソーラードライシステムとボイラーコンテナを見学させていただきました。
木質バイオマスときけば「大規模な発電施設」を連想しがちですが、
・「熱」を利用することでバイオマスエネルギーを効率的に利用
・ 熱需要に見合った「小型ボイラー」の導入
によって、
設備の導入費用と維持管理費用を削減、燃料の安定供給も可能となり、
無理のない事業計画になっているそうです。
今後も都市の街路樹や、公園からの大量の剪定枝が発生すると予測され、
都市における木質バイオマス利用事例として注目されます。
~~~~~~
■■午後の部~バイオマスギャザリング&国産材ビジネス総まとめ~■■
午後からは場所を三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱本社ビルへ移し、
国産材ビジネスセミナー最終講義スタート!
●第1部「バイオマス“ギャザリング”」
5名の講師をお招きし、バイオマス利用の最新情報をレクチャーしていただきました。
1.いまさら聞けない電力とは?熱量とは?木質バイオマスの入門講座
講義の最初は、木質バイオマスエネルギー利用推進協議会の川越裕之氏より、
なぜいま木質バイオマス事業が注目されているのか、その経緯と、
特徴・利用方法、現状についてのアウトラインを紹介していただきました。
2.現場&コンサルティング事例の紹介と今後の方向性
続いて、木質バイオマスエネルギー利用の最前線で活躍する3名の方から、
それぞれの取り組み事例について紹介していただきました。
①製材工場端材のバイオマス利用
株式会社森のエネルギー研究所の池谷智晶氏からは、
製材所におけるカスケード利用を促進する木質バイオマスエネルギー利用事例とその可能性についてご講演頂きました。
②バイオマスコジェネの実践と今後
株式会社バイオマスアグリゲーションの久木裕氏からは、
バイオマスを利用した発電と熱供給を同時に行う「コジェネ(コジェネレーションシステム)」について、
ドイツの先進技術を紹介しながら、熱利用の重要性についてレクチャーしていただきました。
③公園施設のバイオマスボイラー利用
午前の部をご案内いただいた、株式会社日比谷アメニスの大西竹志氏より、
海外の剪定枝利用事例も引き合いに出しながら、
改めて都市部での木質バイオマス利用の展望についてお話いただきました。
3.バイオマスまとめ講座&トークセッション
バイオマスギャザリング、最終章は、
三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱の相川高信氏より、
「まとめ講座:木質バイオマスの原理・原則」
木質バイオマスの特性を踏まえた事業計画の重要性とそのポイントの総まとめです。
全講師と参加者による質疑応答とディスカッションでは、
バイオマスの現状に迫る質問が飛び交いました。
・ 海外で主流の小型バイオマスボイラーの国内導入が進まない要因は?
・今後のバイオマス発電施設の施設数の推移は?
・製材所のバイオマス利用の需給バランスは?
日本の木質バイオマス事業はまだ発達途上の最中、
FIT制度等により大きなうねりが押し寄せています。
今後は先行事例に学びながら、
新しいビジネスモデル に積極的にトライしていくことが求められています。
●第2部「バイオマスクレームトラブルの原因と防止する力 ~事後対応より事前に備える考え方~」(小林洋光)
小林からは、バイオマス事業への応用も含めた法務レクチャーです。
・なぜクレームトラブルが起きるのか、「瑕疵」とは何か
・バイオマス関連ビジネスで想定されるトラブルとは?
・トラブル回避方法(書面化の重要性)
木質バイオマスボイラーを扱う事業者には、
専門知識のない顧客への説明責任が重くのしかかります。
丁寧な説明、契約の明確化が重要であるということは、あらゆる業種でも共通事項です。
林業・木材業の幅は広がりつつありますが、商取引の基本としてこの原則は徹底すべきポイントです。
●第3部「国産材ビジネスセミナー総まとめ①:林業バリューチェーン」(古川大輔)
今、林業・木材業界で求められている「新しい市場の開拓、顧客創出」。
その糸口として、2つのテーマについてレクチャーしました。
①林業、木材業における水平&垂直連携による地域連携林業ビジネスの理論と実践
②営業力向上!研究データと国産材ビジネスを結ぶデータ利用
●第4部「国産材ビジネスセミナー総まとめ②:経営マーケティング総集編」(古川大輔)
セミナー最終回の今回は、経営の基本に立ち返ったテーマ
・経営の基礎である決算書の分析
・安定経営を目指す!これからの国産材ビジネスの組み立て方
なぜ売上ではなく粗利管理が大切なのか?
給料とは何か?経営者の腕の見せ所とは?
さらに、古川編著「森ではたらく! 27人の27の仕事」(学芸出版社)を事例に、
複数の事業を組み合わせることが、企業の安定に繋がることをレクチャー。
最後に「国産材ビジネスセミナー 主導権の持てるビジネスに必要な7要素」として、
2014年度国産材ビジネスセミナーの総まとめといたしました。
~~~
今回のセミナーのテーマであるバイオマスは、
木材のカスケード利用を推進する手段でもありますが、
「木材流通への影響」、「既存の木材利用業者の影響」等…
いくつかの課題も、今回のセミナーを通して見えてきました。
参加者の皆様それぞれの立場で、木質バイオマスの適正利用に向けて、
今日の学びを「自分ごと化」していただければ幸いです。
以下にセミナー後の参加者の皆様からのアンケートを一部掲載させていただきます。
=== 参加者アンケートより ===
■ 公務員 A様
木質バイオマス、海外との比較の話し等、自分は根本的なことは知らなかったのだと気付きかされました。マーケティングの講座では自分の中の概念が組み換わる話がたくさんあり、刺激的でした。情報、知識以外にも考える機会を得られました。数回ではありましたが、セミナーに参加できてよかったです。普段とは違う目線で、「林業」というものを考えることができました。
+++
■ 学生 B様
バイオマスについて幅広い話を聞くことができました。発電所の計画だけで稼働していない事例が多いという話しを聞き、世間で言われていることを鵜呑みにしてはいけないと感じました。大学で出合う方々は「昔はよかった」といいますが、今の話を聞く機会がなく、林業で初めて「お金」の話を聞けたことは大きな収穫です。
+++
■ 木材業 C様
バイオマス利用の先進事例・技術を取り入れることができない日本という国が悲しい。バイオマス発電の真実を見つめながら、当社に最適なバイオマス利用を図りたいです。
+++
■ 建築業 D様
法律に関する固い話をやわらかくお話ししていただき、分かりやすかった。
+++
■ 林業 E様
起業して成功するまでの正しい努力の仕方・方法、マーケティングポイント講座が印象に残った。林業ビジネスの可能性にはどのようなものがあるのか(個人、行政、森林組合…)自分の有効活用含め、考えていきたい。今後もセミナーを続けてほしいです。
+++
■ 会社員 F様
実際に運用されているチップボイラーを見学できたのは興味深かったです。周辺施設との連携はぜひ進めていただきたいです。木質バイオマスの最新事情が良く分かり、大変参考になりました。身近な発電所は大規模ですが5,000kw/hがやっと。大規模発電所ではなく、林業者や山主も巻き込んで、持続可能なモデルケースを作る必要性を強く感じ、自分も協力していきたいと思います。
+++
■ 林業 G様
世間的に「エネルギー問題=電力」という考え方になっているという話を聞き、熱利用の実例が身近な所に作り、世間に浸透させていく必要を感じました。今日の講義を受けて、刺激事業を実際に提案・実行していきたいと思います。事業提案と実行ができたら、大阪の経営実践研究会にも参加したいと思います。
+++
■ 公務員 H様
「無期限の暫定的状況はやめよう」という考えにとても共感しました。自由経費の創出を実行し、研修、営業等に投資していきたいと思います。
+++
■ 学生 I様
1年を通して参加し、本当に色々なことを学ぶことができました。学校で知ることの出来なかったことを知り、参加した意味があったと思います。これから社会人になるうえで色々なことを参考にし、自分の目指すものを追求していきたいです。今後ともよろしくお願いします。
+++
■ フリーランス J様
ボイラー見学と説明が分かりやすく、初心者でも理解できました。バイオマスの良い面だけでなく、問題点も隠さず説明してくれたので、ありがたかったです。バリューチェーンの講義は今回一番楽しみにしていた講座で、古川氏のぶれない理念が印象的でした。林業への愛が伝わってきました。
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■ 林業 K様
特に印象的だったのが「自分でデータを取る」ことの説得力。林業の中でも生産性やバイオマス関連の事等、自分で調べてみようと思います。今後の実践課題としたいと思います。
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■ 建築業 L様
林業・木材業の連携について、自分たち建築設計業界から何かできることはないか検討していきたい。これまで林業にほとんど関係のない業界で緊張していたが、実際に聞けて良かったことがあった。このセミナーをきっかけに、林業について考えて行きたい。
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■ 木材業 M様
バイオマスエネルギー以外の製品にも目線を広げることができ、本当に多くの可能性を感じた。興奮しました!
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■ 木材業 N様
法律のことについての導入が分かりやすく、林業だけでなく、どのように落としこむか考えることができ、非常に勉強になりました。全体を通して、1企業として、業界として、やるべきことが見いだせました。今まで実務ばかりで発想が貧困になっていましたが、発見が多くポジティブな教えをもらいました。本当にありがとうございました。
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■ コンサルタント O様
参加者の人が真剣に聴講されていて、関心の高さを感じました。水平・垂直連携の一つとして、このような場は有意義なものと思います。
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2014年度の国産材ビジネスセミナーは、今回が最終回となります。
参加していただいた皆様、講師の皆様、誠にありがとうございました。
来年度も東京にて国産材ビジネスセミナーを開催する予定です。
日本の林業・木材業・バイオマスに関心のある、ご新規・リピーターの皆様のご参加お待ちしております。
また、林業・木材業に従事する方で、
「もっとビジネスのディープでリアルなディスカッションがしたい!」という方は、
大阪にて開催中の「経営実践研究会 国産材ビジネススクール」へお越しください。
(詳細はこちら https://chiikino.jp/blog/?page_id=42 )
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★書籍のご案内★
今回のセミナーで紹介のあった書籍(3冊)好評販売中です。
バイオマスはどうやったら成功するのか?林業という生き方とは?いま林業で起きてるムーブメントは?
少しでも気になった方は、ぜひご覧ください。
●【木質バイオマス事業 林業地域が成功する条件とは何か 】
著:相川高信 (全国林業改良普及協会)
相川高信氏がつい先日出版された、林業側の視点でバイオマス事業を論じた本です。
燃料材供給、発電、熱供給の地域ビジネスの計画・運営の鍵はこの本の中に!
(全国林業普及協会HP http://www.ringyou.or.jp/publish/detail_1258.html)
●【森ではたらく! 27人の27の仕事】
編著:山崎亮、古川大輔 (学芸出版社)
林業を軸にした事業展開/ライフスタイルのヒントに!
(学芸出版社HP http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1339-9.htm)
●【林業男子 いまの森、100年先の森】
著:山崎真由子 (山と渓谷社)
日本全国で「いまの森、100年先の森」のために動き出した人々へのインタビュー本!
弊社古川と岩井の経歴・活動内容も紹介していただいています。