7月1日(土)、今年度1回目の林業ビジネス実践会in名古屋を開催しました。昨年度までは「林業経営実践研究会」として参加者を限定し、林業経営者同士で課題としている事のディスカッションメインで開催していましたが、今年度からはオープン型として広く参加者を募集しています。今回は、初参加の方が2名、愛知県、長野県からお越しいただきました。

 

今月のメニュー

各社報告

①初参加者様のご紹介

②今年度のこれまでの振り返りとこれからの目標

ディスカッション

①山林の所有と集約化

②林業木材業界のリクルート

話題提供

①大阪経営実践研究会の振り返り

②シェアユースについて

③クリーンウッド法について

④まとめ

 

また、今回は以前から名古屋での実践会にご参加いただいているメンバー2社からは、就職応募があったとの嬉しい報告がありました!弊社が作成、リニューアルをサポートさせていただいたホームページが応募のきっかけとなったということで、なお嬉しいご報告でした。それでは、今回の林業ビジネス実践会のテーマとして最後にお伝えしたポイントを簡単にご紹介します。

 

今回の4つのまとめ

【1】多様なパートナーとチームを作ろう!

参加メンバーから就職応募、採用の嬉しい報告があった今回、ディスカッションでは社員とのかかわり方、雇用体系について話題が挙がりました。経営者と従業員という立場としてだけではなく、経営者とプロ技術者、ボランティア、副業者、アルバイトといった多様な関係性を持つ、経営の「パートナー」を増やすことが重要であることをお伝えしました。最近の弊社支援の事例としては、つい先月岩手県岩泉町で「㈱岩泉フォレストマーケティング」が設立されましたが、町内業者の協議会の活動から始まり、現在は町外のファンやスポンサーと共に事業を進められる体制を整備しています。

 

【2】働き方×暮らし方。ライフスタイル提案を。

「雇用」や「人材募集」について、皆さんはどのようにお考えでしょうか。仕事内容やお給料についてだけではなく、どのような暮らし方ができるかを鄭案することが重要です。山での暮らし、狩猟やスキー、薪割りや炭焼きでの副業体系が出来る山に近い林業ならでは、地域ならではの暮らし方提案をしてみましょう。本会に参加する経営者、社員の皆さまも実際にそんなライフスタイルを楽しんでいます。都会の大企業で朝から晩まで働き、満員電車に揺られという生存実感の無い暮らしに疑問を抱き、暮らし方を再考する人は確実に増えています。

 

【3】シェアユース市場を見逃すな!

1970年代、家電製品はそれぞれ一家に一台、その後高度経済成長期を経てテレビは1部屋に1台、パソコンは1人に1台といったにパーソナルユースの時代が訪れました。そして現在、カーシェアリング(ライドシェア)や、民泊などが普及するシェアユースの時代に突入しています。林業・木材業ではどのようなシェアが考えられるでしょうか?かつての共有林とはまた違った形の「山をシェアして使える仕組み」を林業会社から提案できるのではないでしょうか。森林セラピー、枝葉の採集、炭焼きや間伐体験をしたりという非所有者からのニーズも確実にあります。交流人口が増えることで、林業というプロの仕事に対する評価も見直されることでしょう。

 

【4】経営は、2つの“先”を設定しよう。

2017年上半期を終えた今回、下半期に目指すビジョン(未来・夢)と開拓中のマーケット(出口)を各社から発表いただきました。事業の発展と持続、そこにはビジョン(未来・夢)とマーケット(出口)の創造が必要です。本会のように、同業種の皆さんと熱いディスカッションの場でビジョンを共有し刺激をもらい、切磋琢磨をする。業界、異業界の時流を掴み自社にしかない強みと顧客の需要にマッチするマーケットを見出すことが重要です。

 

参加者様の声

『各社の近況報告、また大阪での前回の研究会や3月のイベントの振り返りを聞き、各社の事業進展に驚きました。今自社で動き始めている事業への背中を押された思いです。』『人材、地域活動への課題を皆が抱えていることを知った。今までの林業とは違う取組を自社発信で実現し、地域を良くしていくことで林業も良くしていく道を探したい。』『各社の発想が面白く、自分の発想がまだまだであることを感じさせられた。もっと自由な発想をしていきたいと思うとともに、ディスカッションによって自社のこれからのヒントも生まれた。』といったご意見、ご感想をいただきました。アンケートへのご協力、ありがとうございました!

 

次回は、産地巡礼!

次回の林業ビジネス実践会は9月中旬、年2回の特別篇として、1泊2日で林業産地を巡る旅「産地巡礼」を開催予定です。また、座学では、10月に第2回林業ビジネス実践会in名古屋を開催いたします。それぞれ、日時、工程の詳細が決まりましたら、当ホームページでお知らせしますので、ご期待ください!

 

 

===昨年の産地巡礼の様子===

・産地巡礼in吉野

ちいきのコラム「吉野林業を巡る」

前編:https://chiikino.jp/blog/?p=7602

中編:https://chiikino.jp/blog/?p=7712

後編:https://chiikino.jp/blog/?p=7725

・産地巡礼in石見出雲

報告レポート:https://chiikino.jp/blog/?p=6559

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林業ビジネス実践会では、参加者みなさなんが課題としていること、注目しているトピックを取り上げィスカッション、弊社から全国の最新情報のご提供とまとめを行っています。後日には、まとめテキスト(約20ページ)もお送りしますので復習も出来ます。

本会に関するご質問、参加のご希望がありましたらお気軽にお問い合わせください。

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 1, 2017 Under 【名古屋】林業経営実践研究会, pick up, すべての記事, セミナー報告

 

 

研究会5月度

 

今年度最初の大阪経営実践研究会を開催しました。

今回はなんと西は大分県日田市から、東は愛知県豊田市から、新たな参加者も増えての賑やかな回になりました。
また今年度からはClubプレミアム国産材メンバーの講座をメニューに加えて、

テーマを絞った話題提供と今まで以上に深いディスカッションが行われました。

 

~今月のMENU~

【1】木のある暮らし展振り返り
【2】Clubプレミアム国産材メンバーゲスト講座

・製材メーカー代表が、反響を語る! 受注(問合せ)が増えるWEBリニューアルのポイント

・地域材を使った林業~工務店業からの展開! 47都道府県の柱を使用したカフェ事業とは?

・『新規と既存』×『商品と販路』地域資源活用、4つに分ける戦略的事業

 

【3】各社報告

 

【4】古川ちいきの総研より話題提供

・ 産地巡礼ツアー企画

・ 中規模木造建築の需要の動向~市場に参入する工務店連携は?~

・ 2017年ウッドデザイン賞、募集開始

 

 


 

【1】木のある暮らし展振り返り

今年3月29日に大阪にて開催した「木のある暮らし展~旅する日本の森と産地~」。

Clubプレミアム国産材主催で行う展示会は初めての挑戦となりました。

(当日の様子はブログにアップしておりますので、ご参考ください:https://chiikino.jp/blog/?p=7107

 

出展者の皆様にイベント反響を伺ったところ

・既に数社から受注しており、まさに今生産しているところ。

・イベント後すぐに受注があり、既に納材を終えた。

・サンプル請求があったのでお送りしており、今後もうまくお付き合いしたい。

・競合であった会社と協業し新しい事業展開を進めている。

など各社それぞれ反響があり、成果に結びついており、今後の展開もますます楽しみです。

 

そして実は、動画制作も進めており、研究会にてお披露目!ダイジェスト動画を公開しました!

 

 

展示会の雰囲気、Clubプレミアム国産材メンバーの顔が見える動画に仕上げております。

今後は、当日各社から行われたプレゼン”国産材LIVE!”の様子も順次公開してまいりますのでお楽しみに!

 

 

【2】Clubプレミアム国産材メンバーゲスト講座
弊社が事務局をつとめるClubプレミアム国産材。

本研究会のメンバーから構成される団体ですが、本年度はメンバー立ち回りの講座をメニューに盛り込んでいます。

 

①「Webリニューアルのポイント」竹下木材㈲ 代表取締役 竹下哲史氏より

島根県にて、地松にこだわり製材をしている竹下木材さま。9年前にスギ、ヒノキ製材から地松に特化した製材にシフトした同社、同時期に始めてのWebサイトを制作しました。そして昨年、Webサイトをリニューアル。

リニューアル直後から受注があり、ここ最近ではまた増えたとのこと。

・時流適応

・情報蓄積

・動画PR

のポイントにお話をしていただきました。

「Webサイトが古いままだと、会社自体も古い、時代に遅れていると思われる。」と竹下氏。

時流に適応しデザインやSEO対策を変えながら、納材事例やブログを定期的にアップし動きを見せることで着実に受注につなげています。

(竹下木材㈲Webサイト:http://takeshitamokuzai.jp/

 

②「47都道府県の柱を使用したカフェオープンへの取組み」飛騨五木㈱ 企画研究室 井上博成氏より

飛騨高山にて、会社名にもある‟飛騨五木”を売り出し多面展開している飛騨五木㈱。

グループ会社との連携で林業から建築、さらには不動産、金融、エネルギーまでをトータルでの事業展開を実現しています。

そして今回はなんと、名古屋市内に47都道府県の木を使用したカフェをオープンするとのことで、

その背景と今後の展開をお話していただきました。

 

2035年には当たり前に木材のある社会を目指し、
2015年から5年後ごとの、4つのステージに分けてビジョンを策定。

そのステージ1にある現在の事業の1つとして今回のカフェオープンがあります。

「日本の森がもっとワクワク」というWebサイトも昨年オープンしています。
実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合する
『オムニチャネル化』の計画を進めており、全国の木材情報の発信拠点が名古屋に誕生するということです。

ここではこれ以上詳しい内容には触れることは出来ませんが、まさにワクワクする今後の展開に目を離せません。
(日本の森がもっとワクワクWebサイト:https://moriwaku.jp/

 

【3】各社報告

新規参加者のご紹介や各社の近況の取組についてお話いただきました。

ディスカッションでは「商品開発」において‟今までにない商品を開発し一番手となったとき、
誇りを持ち大手に真似のできないモノづくりをすること、
そのための「商品販路」について既存の販路と商品、新規の販路と商品のマトリックスを整理し、学びを深めました。

 

【4】古川ちいきの総研より話題提供

① 今年度の産地ツアーの企画について

② 中規模木造建築の需要の流れと、市場に参入する工務店連携の現状について

③ 2017年ウッドデザイン賞の募集開始について

の3本立てで弊社から話題提供しました。

 

今後の物流と工法の面から、中規模木造はどうなるか?

ウッドデザイン賞の受賞は果たしてどのような効果があるのか?

各社報告に続き、ここでも活発なディスカッションが生まれました。

 

===

次回研究会は7月に予定しています!

詳細は後日ブログにて告知しますので、しばしお待ちください!

 

 


 

今年度もClubプレミアム国産材の会員募集をしております!

豪華特典もご用意しておりますので、是非下のチラシ画像からPDFをご覧ください!

会員申込ご希望の方は、PDFを印刷し申込欄をご記入しFAXにて送信、またはメールをお送りください。

 

 

単回での研究会申込も大歓迎です。

ご質問がある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 5月 13, 2017 Under すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

弊社が事務局を務める、Clubプレミアム国産材(http://club-premium-wood.jp/)が主催し、

12の木材産地共催でお届けしたライフスタイル展示会「木のある暮らし展2017~旅する日本の森と産地~」(3月29日開催)について、

多数のメディアでご紹介していただいております。

 

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【1】建材ダイジェスト

出展12社について、各社の記事を書いていただいております。

どの記事もタイトルがキャッチ―で、内容は業界の方から一般の方まで、どのような方でも読みやすい内容となっております。

 

現在6社まで公開中!今後随時、記事が公開されていく予定ですので、

その都度こちらのページでも追記で紹介して参ります。是非これからもご注目いただければと思います。

 

 

『これまで見向きもされなかったカラマツが、なぜ外壁材で最近人気なのか?』<ソマミチ>

https://kenzai-digest.com/karamatsu-ttpanel/

 

 

『公園で使われている、あの丸い木材の正体とは?』<木原木材店>

https://kenzai-digest.com/kihara-wood/

 

 

『自由に棚をレイアウトできる、国産ひのきの壁面材「Ur」』<影山木材(株)>

https://kenzai-digest.com/ur/

 

 

『家の木材というと、杉・ひのきだけじゃないの…?』<竹下木材(有)>

https://kenzai-digest.com/japanese-pine/

 

 

『砂浜に敷き詰められた木材、その目的とは??』<(有)平田木材店>

https://kenzai-digest.com/kyowakasa-wood/

 

 

『樹齢200年の吉野杉をつかった最高級建具「二百年の扉」』<(一社)吉野かわかみ社中>

https://kenzai-digest.com/200years-ceder-door/

 

 

『世界遺産が自宅に!?柱になった高野山の木「高野霊木」』<高野山寺領森林組合>

https://kenzai-digest.com/jiryou-koyasan/

 

 

『母の日のプレゼントにおすすめの“本格”おしゃれ木製雑貨とは?』<ばうむ合同会社>

https://kenzai-digest.com/baum/

 

 

『一枚で5つ楽しめちゃう国産広葉樹のフローリングを見つけた♪』<岩泉の明日の林業をつくる会>

https://kenzai-digest.com/iwaizumi/

 

 

『1年かけて天日干しする天然乾燥材「東濃杉」とは?』<㈱山共>

https://kenzai-digest.com/yamakyo/

 

 

『【アパートの空室対策にも】無垢材リノベーションの施工事例 ~with 飛騨五木~』<飛騨五木㈱>

https://kenzai-digest.com/hidagoboc/

 

 

『”この惑星ではおおげさなオフィスが必要なくなりそうだ”と気づく施工事例~with ユカハリタイル~』<㈱西粟倉・森の学校>


https://kenzai-digest.com/comfortable-office/

 

 

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【2】リフォーム産業新聞

4月25日号で取り上げていただきました。

 

 

↓↓↓画像では見にくいという方は以下URLのPDFからご覧ください↓↓↓

https://chiikino.jp/data/170425_reformsangyo-cpw.pdf

 

掲載直後に参考資料請求のお問い合わせをいただき、

早速反響も見られています。

 

 

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【3】日刊木材新聞

4月8日号で取り上げていただきました。

↓↓↓画像では見にくいという方は以下URLのPDFからご覧ください↓↓↓

https://chiikino.jp/data/170408_nikkanmokuzai-cpw.pdf

 

===

【4】朝日新聞(関西夕刊)

5月13日号で取り上げていただきました。

↓↓↓デジタル版の記事もあります。↓↓↓

http://www.asahi.com/articles/ASK515FJBK51PLBJ002.html

 

 


 

これからも日本全国、プレミアム産地は旅をしながら木のある暮らしをお届け致します。

ご興味やご質問がある設計・工務店の方、もちろん一般の皆様もお気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご相談はClubプレミアム国産材HPページお問い合わせフォームから===

http://club-premium-wood.jp/?page_id=104/

 

「木のある暮らし展」当日の様子を知りたい方は下記URLの記事をご覧ください。===

https://chiikino.jp/blog/?p=7107

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 日曜日 4月 30, 2017 Under — メディア掲載, — 産地ブランド・選ばれる林業会社, pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告


名古屋にて、これまで非公開で重ねてきた林業経営者によるディスカッション型の研究会。
今後は広く参加者を募集し、開催することとなりました。

 

本日は、

 

●人材採用と育成

●所有と管理の在り方

●林業会社の商圏設定とミッション

 

をテーマに議論いたしました。

 

特に人材採用については、どの事業体も

今後はWEB等による理念反響型の情報発信と、

学校機関の研修やインターン等を通しての採用にシフトしていく模様です。

 

「林業をやりたい」

ではなく

「この会社ではたらきたい」

 

と言われるような魅力的な企業になるためには?

その差別化戦略についても議論しました。

 

 

一口に林業会社といっても、スタイルは様々。

参加しているメンバーは、型に捉われ過ぎないフリースタイル林業を実践しています。

 

・Iターン者による林業サービス業ベンチャー

・製材と林業を持つホールディングス会社
・90年を超える美林を持つ15代続く林業家
・林業から木工まで行う森林組合発ベンチャー
・広葉樹施業と販路開拓に挑戦する林業会社
・都市型林業を実践するアーバンフォレスター
・森林信託から施業、製材で地域材住宅を手掛ける工務店
・独自の伐採手法を開発した現場のプロフェッショナル
・若者が多く集まる老舗の製材林業会社
・役場と連携し百年の森づくりをめざす森林組合

 

日本一面白い林業経営者が集まる研究会です!

 

同じようでそれぞれに異なる立ち位置、
また東海や関西などエリアによる事情も異なる中で
みずからを客観視しながらディスカッションができるのが特徴です。

 

「この研究会に来るとニュートラルになれる」

というお声もありました。

 

次回の開催が決定し次第、参加者募集のご案内いたします。

ご期待ください。

Posted by wpmaster on 土曜日 1月 28, 2017 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, 【名古屋】林業経営実践研究会, pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

今年度最終回となる第4回国産材ビジネスセミナーを開催しました。

テーマは、「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」と題し、

地域でビジネスを始めたい、経営のヒントや事例を探しているという方を主な対象にしておりましたが、

今回も行政の方から、異業界の方まで、幅広い層の方々にご参加いただきました。

 


【第一講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 古川・老籾より

第一講座はまず弊社代表取締役の古川より、

①マーケティングコンセプト・概要

②国産材売上方程式

③事業計画の立て方

の3つのポイントを中心にお話しました。

 

①マーケティングコンセプト・概要

さて、アメリカ新大統領、トランプ氏の就任演説はご覧になりましたか?

世界から注目される中、「理念よりも自国優先主義を貫く」という強いメッセージが込められた演説内容でした。

ビジネスの世界においても「やりたい理念」と「とりたい利益」のバランス、考え方は様々ですが、

そんな切り口でご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。

 

そして利益とは、価値観の「差」から生まれるものです。

それでは価値観とは何でしょうか。

戦後の高度成長期と平成の時代との違いを背景に、

大量生産大量消費から、マーケティングがどう変遷してきたかを価値観の相違、暮らし方、生き方まで掘り下げて説明をいたしました。

 

 

そして利益を生み出すマーケティングの講座に入る前に、まずは頭を柔らかくしていただくためにクイズを出題!

「100円のコーラを1,000円で売るには?」

という、ビジネス書のタイトルにもなっている有名な問ですが、

会場の皆さんからは、

 

・砂漠の真ん中で売る

・高級グラスにおいしい氷を入れ、美しい女性がサーブする

・工場で最初にできた缶をプレミアを付けて売る

 

といった回答がありました。

ビジネスに完璧な答えはありませんが、必要性、欲求性、物語性の消費の3要素を切り口とすると、ヒントが得られます。消費の3要素については、市場規模とは何か、ライフサイクルとは何かということまでの経営のフレームワークをお伝えし、林業界の6次産業化のヒントも提供しました。

 

その他、3C、4P、5フォース、AIDMAといったマーケティングの基本を解説し、

顧客中心に見たビジネスについて、みなさまと共に考え、知っているだけでは意味が無い、自社にどう落とし込むかという術を提供しました。具体的な事例を、どう各社の営業(販促)計画に当てはめていくかが肝要です。

 

 

②国産材売上方程式

国産材の売上をアップするには、いったいどうすればよいでしょうか。

漠然としがちな売上計画を、分解することで筋道を立てることができます。

 

ここでは売上を導く、5つの方程式をご紹介。

ビジネス形態、ランチェスターの法則等を踏まえ、木材業界に当てはめた方程式であり、

①のマーケティングコンセプトに加え、事業計画を数字に落とし込む際に使える式をお伝えしました。

 

 

③事業計画の立て方

むずかしく考えがちな事業計画や数値計画ですが、

たまたまで売上や粗利の高い低いを判断するのではなく、目標に対しての評価(改善)を徹底することが経営というものであると説明した後、

重要なポイントは大きく2つ

 

1)売上ではなく、「粗利」管理に集中する。

2)販管費を3つに分け、その戦略的な使い方こそ、経営の面白みである。

 

そのために売上目標は、自身の得たい給与から、マーケットシェアから、競合比較から、といったいくつかの視点から決めることや、損益分岐点とは何かを、ラーメン屋に例えつつ、林業木材産業であれば、地域における林業バリューチェーンを整理したうえで、木材の歩留りから目標と評価の設定を行うことが重要であるとお伝えしました。

 

 

続いて老籾より、マーケティングについてよりわかりやすく理解いただくための、具体例をいくつかご紹介。

 

たとえば、「歯磨き」に関わる必要性・欲求性・物語性を訴求した製品をピックアップ。

シンプルな歯間ブラシからフレーバー付の「歯の香水」まで、マーケット(消費の3要素)の展開事例としてご紹介。

 

街中で新商品や売れている商品を見つけたとき、

それがなぜかを整理するためのビジネスフレーム(ルール化・一般化)を持っていると、

誰に、どのようのな要素を満たすために作られ売られているモノなのかが分かり

日々自身が消費するモノと照らし合わせながら、自社の製品を顧みることもできるようになります。

林業界の事例だけでなく、異業界からのヒントを取り入れて、自社に応用していくということは、弊社の常なるメッセージとして、セミナーのみでなく、様々な現場で具体的なレクチャーをしております。

 

 


【第二講座】カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い 

株式会社山共 代表取締役 田口 房国 氏 より

 

 

第二講座ではゲスト講座として、(株)山共 代表取締役 田口房国氏をお招きしました。

田口氏は弊社が大阪で主催している経営者向けの勉強会「経営実践研究会」の第一回からのメンバーでもあり、

産地連携により、国産材に新たな価値を与え、国産材を愛する顧客と産地とが出会う、新たなマーケットを作り出すための共通ブランド、

Club プレミアム 国産材のメンバーでもあります。

 

そして、今回の講演テーマは「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」。

 

岐阜県東白川村で林業・製材業を営む田口氏が、

新しい木材のブランド化を実現し、世界にも日本の木材を広げようと活動するに至ったその志、地域での経営の面白さについて

テレビ番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」風の進行でユニークにお話していただきました。

 

田口氏の高いプレゼン力、面白さはその場にいた方にしか味わえない魅力ですが、

ブログをご覧の皆さんにも一部ですが、ご紹介していきます。

差別化戦略

現在ほとんどの業界で企業のWEBページを整備することは当たり前に思うかもしれませんが、まだまだ林業・木材業界はWEBページが無い企業が多く、10年前はさらに少ない時代。その時から先んじてWEBページによる情報発信をおこない、さらに「単価表」を整備。

また、割れがあり、乾燥に時間がかかるといったデメリットから大手ハウスメーカーには使いにくい天然乾燥材。しかし、ねばり、つや、香りが残る木材になるメリットをニッチなニーズととらえ、生産・販売。他の製材所がやらないことをすることで、差別化を実現しました。

 

しかし、広報活動を情報誌、展示会、体験ツアーと展開していったところ、普段の業務に加えて一人でこなしていたこともあり、疲弊する結果に・・・。

これが田口氏の「しくじり」の1つでした。

 

 

東京の商社との出会い:「念願の東京進出」

みなとモデル二酸化炭素固定認証制度をきっかけに、東京への納材が増加。

制度開始から初の港区立の建物へ納材の案件で求められたのは経験したことがないスピード、高い品質、ボリュームへの対応・・・。

そこで、周囲の製材所との連携に踏み切り無事乗り越えることができました。

 

また東白川の木で家具づくりに取り組む「コダマプロジェクト」では、デザイナーや観光など、それぞれの得意分野を持つ人材と連携するようになりました。

 

クリエーター業界で良く使われる言葉「ポートフォリオワーク」。目的に合わせて様々な商品を組み合わせて最適なものをつくることを指しますが、連携を通して実現している事は、まさに「ポートフォリオワーク」と言えます。

メインである製材業に加えて、サイドプロジェクトで、それぞれに得意な人を取り込み、「チーム東白川」として連携することでどんな仕事も可能にしているのが1つの売りとなりました。

最初に壁にぶつかった情報誌やツアーも、いつの間にか出来てしまっており、楽しめています。

 

 ■カントリージェントルマンたれ!

 自分が主役になるのではなく、まず脇役になり自分の専門に徹し、まずはメインビジネスに信頼を持ってもらうこと。

そして、面白い、一緒に仕事したいと思ってもらえる人材になること。田舎で信頼関係を構築することも重要。そのために、残業をせずに地域活動に参加すること。それはある意味で田舎の残業であり、都会とは違った形での残業を通じて信頼性を結んでいく。

 

単なる田舎者ではビジネスでうまく付き合えません。もう一歩先に進むために思い描くのは気品、礼節、礼儀のあるカントリージェントルマン。

都会の経営者から「行きつけのバーに連れて行きたい」と思われるような人材になるためにもカントリージェントルマンになるべきです。

 

===

以上のように、「しくじり」を経験し、乗り越てきた田口氏。

「個」の成長があり、「チーム」の力を知り、地域で大きな仕事を動かしてきた10年間の物語に、参加者は感銘を受けていました。

経験した人しか語ることの出来ない、地域で働く面白さ、貴重なお話を聞かせていただきました。

ありがとうございました。

 

 


 【まとめ講座】株式会社古川ちいきの総合研究所 古川

最後に弊社代表古川からまとめ講座。

第一講座、第二講座を踏まえ、

 

「好き」と「憤り」から起こる情熱を、まずやってみる行動に。

答えを待っているのではなく、自分で動いて失敗して学び、

顧客視点と粗利管理を徹底し、この力を高めていく。そして唯一無二の存在に。

 

また、個の基本ができて初めて、ポートフォリオワークができ、チームになれる。

地域での仕事は“Think global, drink local.”が大事!というメッセージを送り、今年度の国産材ビジネスセミナーを締めくくりました。

 

7年目を終えた国産材ビジネスセミナー、

来年度も一味違った国産材×ビジネスの世界を皆様にお届けするべく企画中です。

お楽しみに!!!

 


 

【お客様の声】

~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~

 

===

第一講座・まとめ講座について

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・5フォースに加えた6つ目の脅威「補助金」の話ではハッとした。つい日頃忘れがちだが、あくまで「補助」の「お金」であることを考えねばならないと思った。このセミナーに来ると普段触れない考え方、感性に触れられるので、とてもありがたいです。(行政関係A様)

 

・自社の粗利や経営の考え方を振り返る講座となりました。ありがとうございました。(バイオマス関係B様)

 

・カントリージェントルマン、とてもカッコいいと思うし、なりたい。今の自分の環境でどう仕事力を付けるか。そのためには、まずやってみる(素直)こと。今まで他人事のように聞いてしまっていたお話を、自分事に落とせそうな感覚が出てきた。これを機に行動に移したい。(林業関係C様)

 

===

ゲスト講座について

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・プレゼンテーションも含めて楽しませて頂きました。ビジネスのグローバル化が進んでいる中で、自在だけで仕事するのではなく、チーム力が改めて大切な時代がやってきていると感じました。(バイオマス関係D様)

 

・多くの林業事業体や地域に欠けている視点が多く、マーケティングについて考えていない、意識していないところは多い。そういった考え方を変えるのに、「やりたい理念」と「とりたい利益」は大切だと感じた。自分が関わる地域で以下にストーリー性をつくるかが課題。(バイオマス関係E様)

 

・ご自身の経験、成功事例を分かりやすく紹介していただきとても参考になりました。しくじり先生の手法は良かったです!(飲料メーカーF様)

 

・製材業として、どう生き残っていくか、どう楽しく仕事をしていくのか聞けて良かったです。製材業・林業は単に一か所にまとめるだけではなく、連携も重要ということは参考になりました。楽しく仕事をされている感じも伝わってきて、それも良かったです。(行政関係G様)

 


 

無事、7年目を終えた国産材ビジネスセミナー、各回豪華なゲスト講師をお迎えし全4回のメニューをお届けしました。ご参加いただ皆様、誠にありがとうございました。

まだ出会えていない皆様も、今後の他セミナーで、どこかの地域で、お会いできることを楽しみにしております。

今後ともよろしくお願い致します。
★過去の開催ブログは、こちらから↓↓
【第1回】https://chiikino.jp/blog/?p=6031
【第2回】https://chiikino.jp/blog/?p=6205
【第3回】https://chiikino.jp/blog/?p=6505

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 1月 21, 2017 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

国産材ビジネスセミナー

 

今年度第3回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。

テーマは 「林業ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」 と題し、

女性社員・学生、女性を雇用する経営者の方を主な対象としましたが、

行政や地域のコーディネーターの立場から、 女性の活躍をサポートされている男性の皆様にも広くご参加いただきました。

 


 

【第一講座】林業女子白&林業女子マーケティング 株式会社古川ちいきの総合研究所 岩井より

第3回国産材ビジネスセミナー

「林業女子」と聞いて、みなさんはどんな女性、あるいはどんな仕事を思い浮かべますか?

 

林業界では、さまざまなスタイルで笑顔ではたらく女性が近年注目されていますが、
男女の得意をそれぞれ活かした仕事や経営ができれば、

もっと日本の林業が面白くなるのではないでしょうか。

 

今回は大きく2つ、

 

①女子目線のマーケティング

②林業女子のハッピーキャリア

 

をテーマに、弊社岩井がメイン講師を務めさせていただきました。

まずは、「林業女子白書~林業女子のこれまでと現状~」と題し、統計データを基に、林業に従事する女性の数や職種の推移を整理。
さらに、林研グループから林業女子までの、林業界や山村における女性のネットワークの変遷を追うことで、

林業や地域を支える女性の役割の変化について、ご紹介させていただきました。

 

大きく分けると、「林業女子」の役割や立場は、以下のように変化してきたのではないでしょうか。

 

第1世代:家族としての女性
山村の暮らしの中で林業が当たり前にあり、家族や夫婦で仕事してきた。女性の地位向上などを目指して女性林研に代表されるグループを結成。地域の輪を大切に、女同士でわいわいと活動するのが好き。

 

第2世代:職業人としての女性
職業人として男性社会に飛び込んでいった。Iターン者、女性公務員。職人気質で、発信とか表に出るのは苦手、というタイプも。

第3世代:翻訳者としての女性
女性を受け入れる土台ができた林業界へ自然体で入っていく。理念を持ちながら女性の楽しみ、都会の感覚もバランスよく大事にしながら山と都市を結ぶような、ソフトの仕事、異業種に従事することも多い。

 

このように、林業女子会の発起人でもあり、

これまで様々なネットワークの女性とお会いしてきた岩井の視点から、まとめさせていただきました。

 

さらに、一口に林業女子といっても、現場作業に限らず多様な関わり方があるものでしょう。
弊社ではこれについて、男女関わらず「経営を支える3種類の人材」としてご紹介しています。
第3回国産材ビジネスセミナー

 

あなたは会社の中で、あるいは業界の中で、どの役割を担っておられますjか?

また、これからどんなバランスで3つの仕事をしていきたいですか?

 

弊社のクライアントやさまざまな場所で活躍する

林業女子のキャリア事例をご紹介し、キャリアを考えるヒントを紐解きました。

 

 

ある林業会社では、数年前に新しく女性を採用されましたが、

「例え、男性社員と比べて体力的に劣るため現場作業が60点だとしても、
プラス40点を事務や総務力で活躍してもらえれば、100点満点」

という考え方で採用されています。

 

このように、弊社がお付き合いさせていただいている林業木材業では、
作る人、売る人、支える人の役割を固定せず、その人の個性に応じてバランスをとるなど、

さまざまなキャリアプランを描いている企業があります。

 

この3つの視点と「キャリアプラン」について、

雇用する側もされる側も意識することで、性別を含む個人差や個性に合ったチームワークが

林業界でも発揮できると考えています。

 

さらに第一講座の後半では、

「売る人」や「支える人」としての林業女子の活躍に生かしていただければと、
情報発信や顧客づくりに係るマーケティングフレーム、事例をご紹介させていただきました。


【ゲスト講座】林業女子のハッピーキャリア

株式会社はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏より

国産材ビジネスセミナー

平成27年8月28日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律「女性活躍推進法」が国会で成立したことはご存知でしょうか?

女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に資する情報の公表が事業主に義務付けられ、
女性が個性と能力を発揮し働ける社会の実現に向けた法整備が進められていることは確かです。

 

このように、女性が活躍できる社会の実現という理念は理解しつつも、
出産、育児といったライフステージによる働き方が変化することや、そもそも体力が求められる林業界の特徴もあり、
経営者にとって悩みごとの多いテーマでもある、女性の雇用問題ではありますが、

 

働く女性1万人以上に取材を続け、人気雑誌へ女性のキャリアに関するコラムを投稿し、
また、林野庁においての女性活躍をテーマにした講演実績も持つ、
(株)はぴきゃり 代表取締役の金澤悦子氏をゲストにお招きし、

「林業女子のハッピーキャリア」をお話しいただきました。

 

冒頭から、上記のような法整備が進み、女性活躍に向けた機運が高まっている一方で、

経営者が何よりも知りたいのは、「女を採用すると、儲かるのか?」ということ。

この挑戦的な問いかけから、講座が始まりました。

 

金澤氏の答えは、「儲かります!!」。

 

その理由を5つの切り口から、企業にとって女性を雇用する強みとしてご紹介されました。

 

話の全容は、オリジナルメソッドにより年間300人以上のキャリア相談に応じておられる金澤氏の著書などから、

豊富な事例を交えてお聞きいただければと思いますが、ブログでは一部をご紹介します。

 

回答①:女性を採用すると、ビジネス開拓に効く!
太古の昔から、集落の中で共同作業を行ってきた女性は、男性よりも比較的に「共感力」が豊かであると言われています。

 

某大手旅行会社において、トップ営業の成績を持つ女性は、その営業スタイルを「憑依型」と評されるそうです。

 

お客様との会話を通じて、「あなたには絶対、この場所がオススメです!この場所で、〇〇のお店にいって、××でお茶をして~・・・

きっとあなたのイメージ通りの旅をお楽しみいただけます!!」と提案すると、
「どうしてそんなに私の気持ちが分かるんですか!?」と驚かれ、まるで憑依したかのように、
顧客の潜在的なニーズに共感し、最適な提案によって実績を残しているというエピソードをご紹介されました。

 

すなわち、消費者は必ずしも、自身のニーズに気付き具体的な言葉で表現できるものではない中で、

女性の共感力は、「ビジネスのチャンス=ニーズへ気付く力」として、企業にとっての強みとなるエピソードの一つでした。

 

回答②:女性を採用すると、人材育成に効く!

女性を雇用するときに直面する、ハード面の課題。
特に林業界では、トイレや更衣室の整備といった課題に面することが多いかもしれません。

 

ここで、「ブロークンウィンドウズ現象(割れ窓理論)」というものをご存知でしょうか?

これは、アメリカの犯罪学者ジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した理論で、
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、
やがて他の窓もまもなく全て壊されるという考えに基づくものです。

かつて非常に治安の悪かったニューヨークの街で、知事の政策の下で地下鉄の落書きを徹底的に消すことで、

地下鉄内での犯罪率が減少した実験結果が出ています。

 

職場においても同様に、皆にとって快適な環境が整備されキープされているということは、
会社の士気やマナーを高めるということ。女性が働きやすい職場環境は、働く皆にとっても快適ということです。

 

続けて、ソフト面の課題について。
女性は男性と比べても、結婚、出産、育児といったライフステージによる働き方の変化が大きい点は、
経営者にとって女性雇用の一つのリスクであるという考え方もあります。

 

しかしながら、長時間労働に対応しにくいといったリスクは、女性だけの問題でしょうか?

超高齢化社会に向かう日本ですが、一方で成年男性の未婚率の上昇も同時に問題視されています。
すなわち、介護問題とは、もはや女性のみの問題ではなくなるのです。

 

長時間労働の一択のみではない、ライフステージに応じた多様な働き方を提供できる組織。
そんな女性にとって働きやすい環境は、男性にとっても、さらに働きやすい企業であり、
このような組織体制を作ることが、長期的な視点から、人材育成に効くと解説いただきました。

 

これは林業界にも同じく当てはまることです。

 

 

さらに、「『5つの謎』を理解すれば、女性のマネジメントはうまくいく」として、
女性ならではの考え方の特徴を分析し、経営者としてどのように接することで、

組織の中でのコミュニケーションがスムーズにできるのか、エピソードを交えてお話いただきました。

会場からは、思わず笑い声が上がるほど、共感の声で溢れる内容となりました。

 

講座の後半には、「統計心理学i-color」を使ったオリジナルメソッドにより、
その人のタイプに応じた価値観を生かしたキャリア形成について、ご提言いただきました。
講師の金澤氏がキュレーターを務めるWEBサイト「はぴきゃりアカデミー」もご参考ください。
http://happycareer.jp

 


【まとめ講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役 古川 より

国産材ビジネスセミナー

ゲストの金澤様のお話を受けて、弊社代表 古川より、

「林業界の経営者として何をすべきか」とお話させていただきました。
林業界において、女性を雇用する時に直面する代表例として、例えば現場の安全性やトイレの快適性といった問題がありますが、

 

この場合、効率的な重機を導入したり、トイレを整備するなど、ハード面の充実によって、「問題対処」が可能となります。

しかしながら、これらの事象に対してハード面の整備に留まらず、ソフト面までサポートし根本的な「問題解決」を図ることで、
女性の働きやすい会社から⇒男性にとっても働きやすい会社へ。

 

この問題解決は、結果的に、
会社の経営ビジョンと顧客創造における、マーケティング戦略の実行性に繋がるべきテーマでもあるということ。
このようなメッセージをお伝えし、今回のまとめとさせていただきました。

 

女性が活躍する組織を考えることは、女性の為だけではなく、それは男性の為にもなる。

そして社員の為だけではない。強いては、会社のため、お客様のためになるということです。

 

これからも女性に限らず、林業木材業界のキャリア育成のテーマを扱うセミナーも継続していきたいと思います。



【お客様の声】
~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~

 

・組織の中で、女性としての役割を理解、整理できました。女性だから・・・といわれるのが少々苦痛でしたが、強みがたくさんあると分かり、笑顔で頑張れるよう参考にしていきたいです!(林業関係A様)

 

・面白い内容で、さらに男性の立場からも聞いてみたい内容でした。参加者も色々な経歴で林業界に入っている人が多く、もっと多くの人の経験談を聞いてみたいと思いました。(コンサルタントB様)

 

・「女性の5つの謎」と題して、女性の考え方を紹介された話が参考になりました。また、男性女性と区別なく、共感できる点も多々ありました。職場や家庭でのコミュニケーションに役立ちます。(行政関係C様)

 

・とても参考になる話で、女性のみならず、男性にも聞いてほしい内容でした。仕事におけるチームプレイや人材育成について、さらに詳しく聞きたいと思います。(林業会社D様)

 

・林業は総合産業だと思っています。山をトータルで生かすことができたら、もっと多くの人がハッピーなキャリアを持てると思っています。そんな展開にこそ、女性の力を生かしたいですね。(林業会社E様)

 

・とても楽しく講義を受けることができました。仕事で「女性や若者の視点を生かして」と度々言われますが、それが何なのか分からず悩んでいたので、ヒントをいただけた気がします。ありがとうございました。これからの仕事にも役立てていきたいと思います。(製材メーカーF様)

 

・女性という切り口のみならず、その中でも役割の変遷を示していかれた点が参考になりました。世代間の連携が取れるとさらに良いですね。次は、女性上司とのコミュニケーションについても、話をうかがいたいです。林業と女性をテーマにしたセミナーを今後も続けてほしいです。(シンクタンク関係 G様)

 

・i-color診断は、目からウロコでした。また、印象的なキャッチフレーズにも共感しました。林業女子をテーマに様々なお話を聞き、自分自身の役割を再確認することができました。女性の特質を知ることもでき、楽しい話をありがとうございました。また参加させていただきます。(行政関係H様)

 

・女性の視点を知ることができ、今後のコミュニケーションの参考となりました。また、マーケティングフレームの紹介では、自分が所属する地域の立ち位置を客観的にみることができ、ハッとさせられました。(行政関係I様)

 


★次回予告★

第4回 2017年1月21日(土)14:00~18:00
「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」

 

【ゲスト講演】
㈱山共 代表取締役 田口 房国 氏
「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」

 https://chiikino.jp/blog/?page_id=190

 

★詳細・お申込は、後日ホームページからご案内申し上げます。

みなさまのご参加をお待ちしています!

Posted by wpmaster on 土曜日 11月 19, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京), 未分類, 講演&研修 報告

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

平成26年度、27年度の2年間、弊社が企画運営をご支援させていただいた
川上村主催・商工事業者等活性化支援事業「川上村ならではの地域ビジネス実践塾」。

 

 

今年度は、川上村商工会が主催となり、
『「儲かる仕組み」を一緒に考えませんか?楽しく学べる!経営セミナー』とタイトルを変えて
引き継がれることとなり、10月20日(木)に第1回を開催してまいりました。

 

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

※画像をクリックすると、チラシをダウンロードしていただけます。

 

■第1回のご報告
\川上村ファン顧客の声、集めました!/
川上村需要動向アンケート調査発表会@川上村商工会2階
本セミナーは、全3回の講座を終えた後、川上村事業者様限定で、各企業の事業計画作成をご支援させていただく企画となっております。

 

そして、事業計画を作成するために、まずは村内の需要動向をリサーチすること。
川上村で大きなイベントが開催された8月6日(土)、川上村に集まった人々に村の商品やお店、名勝に関するヒアリングアンケートを実施し、その結果を分析して、初回のセミナーでご報告いたしました。初回講座は、村で事業を営む方々、さらに今後起業を視野に入れている地域おこし協力隊を中心に、20名弱の関係者にお集まりいただきました。

 

 

まずは集まった皆さまの自己紹介から!
特に協力隊の活動については、村内で十分周知されていない面もあり、じっくり今後のイベント情報を告知いただきました。

 

 

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

山遊び塾 ヨイヨイかわかみ 安田氏(川上村地域おこし協力隊)

 

 

アンケートの結果発表について、まずはマーケティングの基礎知識の解説から。

今回のアンケートは、AIDMA理論に合わせて調査できるよう設計しています。

川上村の商品や店舗、名勝について、どれくらいの訪問頻度(購入頻度)か問いかけることで、
① 常連客
② 通常客
③ 一回限りの顧客
④ 認知客
⑤ 非認知客

と、各事業所によってどのような顧客階層があるか調べ、
それぞれの顧客層に応じた経営・販売戦略を作成するための調査内容を報告いたしました。

 

非認知(知らない)の顧客層が多い事業所では、まず認知度を高める戦略が求められます。
次に、認知はされているが顧客の購買のアクションへ繋がっていない事業所はところは、この原因を分析し、商品力を高めたり、特典を付けるといった工夫により、まず1回サービスを体験してもらう仕掛けが必要でしょう。

 

 

このようなマーケティングに関する内容を解説しながら、商品や店舗、川上村の名勝ごとに、
様々な顧客の声が集まったアンケート結果について、
「あなたは川上村のこの商品知っていますか?」
「行ったことありますか?友人知人に案内したこと、ありますか?」とクイズ形式でご紹介。

項目ごとに様々な傾向がみられたため、今後どうするべきかを考えながら、進めて行きました。
川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

 

■ただ広報を拡げて、注目を集めることがゴールなのか?

今回のアンケートでは、村内・村外と分けて、認知度を調査分析いたしました。
その中で、Aという観光名所について、「知っているが行ったことない」という回答が、村内の50%以上を占める結果が見られました。

 

 

この結果に対して参加者のKさんが、
「僕もAには行ったことないですね。
ところで、そこって、普通にいけるんですか?」と質問されました。
それは、
・物理的に、素人の体力でも安心して行ける場所、という意味か
・法律的に、一般の人でも申請なく入っても良い場所、という意味か

 

質問には2つの疑問が含まれており、
それぞれの面によって回答が変わるということに気付きました。
”川上村の良いところ”といった自由回答の調査については、Hさんが、このように感想を述べられました。

 

「そういえば、とある絶景ポイントBについては、
誰でも入ることはできるけれど、誰にでも教えたい場所ではないのですよねぇ。
ゴミが増えたり、人が来すぎてうるさくなったり、山火事なんかが起きても困るし…」

このような議論が交わされ、村内の観光に関する改善には、

 

1)一般の方でも訪問できるように整備すべくエリア(看板、道、広報)
2)”あなただけに”と特別な人だけに教えてあげる特別エリア
3)誰にも来てほしいくない秘密にして守るべく非整備エリア

と3つそれぞれのアプローチが必要といった課題に気付かされたわけです。

 

「観光」という言葉でただ人をたくさん呼び込むことが目的ではなく、
・ 村の日常と非日常(静けさと賑わい)を両方を作り守ること
・ 生産現場や教育的現場(村にとっての日常)からも都市の方々へ非日常を提供できるということ

このような、地域ならではの観光を作り『永続的な経営を目指す』ということが目標であると、再確認する講座となりました。

 

 

■第1回講座のまとめ
①小さくても面白いビジネスを、村の人々が地域で作っていけることが大事ということ

 

②顧客のニーズを知ることで儲け方のヒントを得て、今後のアクションを決めることが成功のポイントということ

 

③近くの異業種が集まりディスカッションすることでさらに村を知り、足し合わせによる”多幸せ”を生み出せるということ

 

 

最後に本講座のまとめとして、3つのメッセージをお伝えして、楽しく学べる!経営セミナー第1回を終了しました。

弊社では、自治体や商工会と共に、地域の小規模事業者の経営や地域おこし協力隊の起業支援を行っています。
地域や企業の現状分析と戦略策定から、広報ツール策定等の定着支援まで、伴走型でお手伝いさせていただきます。

 

 

 

■次回以降のメニュー
 ※川上村事業者対象(受講無料)
参加をご希望の方は、川上村商工会(0746-52-0127 担当:金井氏)までご連絡くださいませ。

 

 

●第2回【10/27(木)】14:00-17:00@川上村商工会2階
『過去・現在を知る。事業計画作成のために!経営分析セミナー』
自社の強みとは?売上向上の可能性はどこに?など、まずは経営の現状分析を行います。※事業者の方は、過去2期分の決算書と電卓をご持参ください。

 

 

●第3回【11 / 9(水)】14:00-17:00@川上村商工会2階
『未来を考える。事業計画作成セミナー』
目指すは、長所伸展経営。現状分析で明らかとなった“強み”を伸ばすために、儲かる仕組みの作り方をテーマとして、たくさんのアイデアを出し合います。※電卓をご持参ください。

 

中嶌大会計事務所よりゲスト講座あり!/
川上村の企業をご支援されている会計士様より、ゲスト講座へ登壇いただきます。
1)株式会社/社団法人/NPO法人の違いって?
2)起業する/事業者になるメリット
3)会計のキホンとは
4)質疑応答    といった内容にてお話いただきますので、特に起業希望の方は必見!

 

 

●個別支援【日程未定】(10社限定)
『あなただけの儲かる仕組みを考えます!事業計画作成サポート』
現状分析~事業計画作成セミナーを経て、各社に沿った事業計画づくりをご支援します。第3回の講座を受講された方を優先で、10社限定にて受付けますので、お見逃しなく!※電卓をご持参ください。

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 10月 20, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, — ちいきの地域, pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

今年度第2回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。

 

テーマは

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」

 

今回は、地域連携のコーディネーターとなるべき、

行政職員やまちづくり関係の方を主な対象としましたが、

毎回のごとく、林業、製材業の経営者から異業種の方まで、幅広くご参加いただきました。

 

【第一講座】

近年、林業や製材業において、「水平連携」または「垂直連携」の取り組みが活発です。

弊はまずは弊社が全国で携わった連携事例をご紹介し、「連携」を類型化しました。

 

水平連携の中にも、

・森林所有者の連携(集約化など)

・素材生産業の連携(山守連携によるワークシェア、共同加工)

・製材業の連携(窓口化、規格化)

・工務店業の連携(共通ブランド化)

 

などがあり、さらに垂直連携については、

山側主導か、加工・消費側主導かといったパワーバランスにより

連携の仕方が異なります。

 

 

ところで、そもそもなぜ「連携」が必要なのでしょうか?

 

日本型と欧米型の「連携」「協力」を比較しながら、

①売上、②コスト、③リスク

の3つの視点から、連携のメリットを紐解きました。

 

 

さらに、地域連携においては、

外部人材の力をうまく活かした実例が各地域にあります。

 

産業のみならず、地域の社会基盤や生活基盤をつくるという

まちづくりの視点からも、「交流⇒移住⇒定住方程式」についてご紹介しました。

 

 

【ゲスト講座】㈱自然産業研究所 上席研究員 田村典江氏 「ここがヘンだよ!?林野行政」

 

さて、地域連携やまちづくりにおいて、公益的観点から、

行政がコーディネーターとなる場合が多くあります。

 

中でも、林野政策を担う林野庁、地方自治体について知り、

行政と民間の役割分担について考えることは、ビジネスにおいて重要な事ではないでしょうか。

 

今回はゲストに、林野政策の現場に携わる、田村典江氏をお迎えし、

行政機関の実態や、政策と現場をつなぐポイントについて、軽快なトークを交えてご講演いただきました。

 

 

今回のタイトルは「ここがヘンだよ、林野行政」。一見すると挑戦的なタイトルのようでありますが、

実際に、林野行政の数々の事業に携わっている田村氏だからこそいえる

オープンで、未来志向の内容です。

 

そもそも行政の役割とは何か、どのような事業をしているかといった

普段は触れることの少ない実態からレクチャーいただきながら、

 

たとえば林野庁においては5,000人の多様な専門的ノウハウを持った人材が、

適材適所に活躍していることをご紹介いただき、

まさに森林と林野行政への「愛があふれる」内容でした。

 

 

まとめとして、

民間の動きと、それに対する行政のサポート、そしてコンサルタント等の第3者が連携しうまくシナジーを生むためには、

お互いの限界や役割をしっかりと理解したうえで、

現場の情報、施策の情報を積極的なコミュニケーションで伝え合い、

それぞれの役割を果たしていくことが重要である、とご提言をいただきました。

 

 

また特別ゲストとして現役の林野庁職員の方をお迎えしたディスカッションでは、

参加者から率直な質問が多く飛び交い、

 

・国有林の経営について

・都道府県行政の役割について

・補助金の在り方について

 

など、さらにバイマス発電から「地域材」まで、

多岐にわたる議論ができました。

 

 

【まとめ講座】

 

改めて、行政の役割とは大きく4つに分類できます。

 

①【ビジョン】・・・地域や産業の将来像を長期的に描く

②【ブレーキ】・・・民間の経済活動が公益を害することないよう、規制をかける

③【アクセル】・・・民間だけではリスクを伴う挑戦に対し、補助する

④【トレーニング】・・・人材育成

 

このことを理解したうえで、

「プレミアムな行政職員とは何か?」を弊社からレクチャーし、まとめとさせていただきました。

 

また、改めて林業・木材の地域ブランドとは何か?として、

顧客不在、マーケット不在の、単なる地名を冠した「都道府県産材」や「地域材」を行政主導でつくるのではなく、

素材力をつくる施業の背景から、加工力、営業力をトータルで表現した

ブランド創造の必要性を整理しました。

 

 

小さな林業界、製材業界。

批判ではなく、よりよい関係づくりへ。

 

本日のレクチャーをヒントにしながら、

民間も行政も力を発揮しあえる”業界”を、作ってまいりましょう。

 

 

~~~

【お客様の声】

・連携について、事例も含めて知ることができました。ふだん何となく「連携が必要」と思いながら、何が大事でどういう連携をすればよいのか漠然としていたので、少し整理できました。(林業従事A様)

 

・刺激的で、時間が短く感じた。林野庁や補助金の在り方についてもわかりやすく解説いただいた。補助金が事業者を弱くしているのではないか、補助金がなくなったらどうなるか、という話題を、帰ったら地域に投げかけたい。(行政職員B様)

 

・無益な縄張り争いや縦割りを防ぐためにも、民間や行政それぞれの役割を明確にすること、とくに行政の「顧客」が誰なのかを曖昧にしないことが必要と思いました。(コンサルタントC様)

 

・「理念なき利益は犯罪、利益なき理念は寝言」が印象に残りました。行政も民間も、理念と利益を両立させる施策、取り組みを考える必要があると感じました。(エネルギー関係D様)

 

 

~~~

 

次回以降も、素敵なゲストをお迎えして「国産材ビジネスセミナー」をお贈りしていきます。

★次回予告★

2016年11月19日(土)14:00~18:00

「林業女子ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」

 

 

【基礎講座】
・共感力!マーケティング講座
~チラシ、WEB&SNSの書き方~
・林業人材の採用&育成のポイント
・林業女子のキャリアプラン~現場女子と総合職女子~・女性と向き合う経営者の心構え

 

 

【ゲスト講座】

㈱はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏

「経営に女子力をいかすコツ~男女の目線の違いから~」

 

 

★詳細・お申込はこちら! https://chiikino.jp/blog/?p=6191

 

 

みなさまのご参加をお待ちしています!

 

Posted by wpmaster on 土曜日 9月 3, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)