今年度最終回となる第4回国産材ビジネスセミナーを開催しました。

テーマは、「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」と題し、

地域でビジネスを始めたい、経営のヒントや事例を探しているという方を主な対象にしておりましたが、

今回も行政の方から、異業界の方まで、幅広い層の方々にご参加いただきました。

 


【第一講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 古川・老籾より

第一講座はまず弊社代表取締役の古川より、

①マーケティングコンセプト・概要

②国産材売上方程式

③事業計画の立て方

の3つのポイントを中心にお話しました。

 

①マーケティングコンセプト・概要

さて、アメリカ新大統領、トランプ氏の就任演説はご覧になりましたか?

世界から注目される中、「理念よりも自国優先主義を貫く」という強いメッセージが込められた演説内容でした。

ビジネスの世界においても「やりたい理念」と「とりたい利益」のバランス、考え方は様々ですが、

そんな切り口でご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。

 

そして利益とは、価値観の「差」から生まれるものです。

それでは価値観とは何でしょうか。

戦後の高度成長期と平成の時代との違いを背景に、

大量生産大量消費から、マーケティングがどう変遷してきたかを価値観の相違、暮らし方、生き方まで掘り下げて説明をいたしました。

 

 

そして利益を生み出すマーケティングの講座に入る前に、まずは頭を柔らかくしていただくためにクイズを出題!

「100円のコーラを1,000円で売るには?」

という、ビジネス書のタイトルにもなっている有名な問ですが、

会場の皆さんからは、

 

・砂漠の真ん中で売る

・高級グラスにおいしい氷を入れ、美しい女性がサーブする

・工場で最初にできた缶をプレミアを付けて売る

 

といった回答がありました。

ビジネスに完璧な答えはありませんが、必要性、欲求性、物語性の消費の3要素を切り口とすると、ヒントが得られます。消費の3要素については、市場規模とは何か、ライフサイクルとは何かということまでの経営のフレームワークをお伝えし、林業界の6次産業化のヒントも提供しました。

 

その他、3C、4P、5フォース、AIDMAといったマーケティングの基本を解説し、

顧客中心に見たビジネスについて、みなさまと共に考え、知っているだけでは意味が無い、自社にどう落とし込むかという術を提供しました。具体的な事例を、どう各社の営業(販促)計画に当てはめていくかが肝要です。

 

 

②国産材売上方程式

国産材の売上をアップするには、いったいどうすればよいでしょうか。

漠然としがちな売上計画を、分解することで筋道を立てることができます。

 

ここでは売上を導く、5つの方程式をご紹介。

ビジネス形態、ランチェスターの法則等を踏まえ、木材業界に当てはめた方程式であり、

①のマーケティングコンセプトに加え、事業計画を数字に落とし込む際に使える式をお伝えしました。

 

 

③事業計画の立て方

むずかしく考えがちな事業計画や数値計画ですが、

たまたまで売上や粗利の高い低いを判断するのではなく、目標に対しての評価(改善)を徹底することが経営というものであると説明した後、

重要なポイントは大きく2つ

 

1)売上ではなく、「粗利」管理に集中する。

2)販管費を3つに分け、その戦略的な使い方こそ、経営の面白みである。

 

そのために売上目標は、自身の得たい給与から、マーケットシェアから、競合比較から、といったいくつかの視点から決めることや、損益分岐点とは何かを、ラーメン屋に例えつつ、林業木材産業であれば、地域における林業バリューチェーンを整理したうえで、木材の歩留りから目標と評価の設定を行うことが重要であるとお伝えしました。

 

 

続いて老籾より、マーケティングについてよりわかりやすく理解いただくための、具体例をいくつかご紹介。

 

たとえば、「歯磨き」に関わる必要性・欲求性・物語性を訴求した製品をピックアップ。

シンプルな歯間ブラシからフレーバー付の「歯の香水」まで、マーケット(消費の3要素)の展開事例としてご紹介。

 

街中で新商品や売れている商品を見つけたとき、

それがなぜかを整理するためのビジネスフレーム(ルール化・一般化)を持っていると、

誰に、どのようのな要素を満たすために作られ売られているモノなのかが分かり

日々自身が消費するモノと照らし合わせながら、自社の製品を顧みることもできるようになります。

林業界の事例だけでなく、異業界からのヒントを取り入れて、自社に応用していくということは、弊社の常なるメッセージとして、セミナーのみでなく、様々な現場で具体的なレクチャーをしております。

 

 


【第二講座】カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い 

株式会社山共 代表取締役 田口 房国 氏 より

 

 

第二講座ではゲスト講座として、(株)山共 代表取締役 田口房国氏をお招きしました。

田口氏は弊社が大阪で主催している経営者向けの勉強会「経営実践研究会」の第一回からのメンバーでもあり、

産地連携により、国産材に新たな価値を与え、国産材を愛する顧客と産地とが出会う、新たなマーケットを作り出すための共通ブランド、

Club プレミアム 国産材のメンバーでもあります。

 

そして、今回の講演テーマは「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」。

 

岐阜県東白川村で林業・製材業を営む田口氏が、

新しい木材のブランド化を実現し、世界にも日本の木材を広げようと活動するに至ったその志、地域での経営の面白さについて

テレビ番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」風の進行でユニークにお話していただきました。

 

田口氏の高いプレゼン力、面白さはその場にいた方にしか味わえない魅力ですが、

ブログをご覧の皆さんにも一部ですが、ご紹介していきます。

差別化戦略

現在ほとんどの業界で企業のWEBページを整備することは当たり前に思うかもしれませんが、まだまだ林業・木材業界はWEBページが無い企業が多く、10年前はさらに少ない時代。その時から先んじてWEBページによる情報発信をおこない、さらに「単価表」を整備。

また、割れがあり、乾燥に時間がかかるといったデメリットから大手ハウスメーカーには使いにくい天然乾燥材。しかし、ねばり、つや、香りが残る木材になるメリットをニッチなニーズととらえ、生産・販売。他の製材所がやらないことをすることで、差別化を実現しました。

 

しかし、広報活動を情報誌、展示会、体験ツアーと展開していったところ、普段の業務に加えて一人でこなしていたこともあり、疲弊する結果に・・・。

これが田口氏の「しくじり」の1つでした。

 

 

東京の商社との出会い:「念願の東京進出」

みなとモデル二酸化炭素固定認証制度をきっかけに、東京への納材が増加。

制度開始から初の港区立の建物へ納材の案件で求められたのは経験したことがないスピード、高い品質、ボリュームへの対応・・・。

そこで、周囲の製材所との連携に踏み切り無事乗り越えることができました。

 

また東白川の木で家具づくりに取り組む「コダマプロジェクト」では、デザイナーや観光など、それぞれの得意分野を持つ人材と連携するようになりました。

 

クリエーター業界で良く使われる言葉「ポートフォリオワーク」。目的に合わせて様々な商品を組み合わせて最適なものをつくることを指しますが、連携を通して実現している事は、まさに「ポートフォリオワーク」と言えます。

メインである製材業に加えて、サイドプロジェクトで、それぞれに得意な人を取り込み、「チーム東白川」として連携することでどんな仕事も可能にしているのが1つの売りとなりました。

最初に壁にぶつかった情報誌やツアーも、いつの間にか出来てしまっており、楽しめています。

 

 ■カントリージェントルマンたれ!

 自分が主役になるのではなく、まず脇役になり自分の専門に徹し、まずはメインビジネスに信頼を持ってもらうこと。

そして、面白い、一緒に仕事したいと思ってもらえる人材になること。田舎で信頼関係を構築することも重要。そのために、残業をせずに地域活動に参加すること。それはある意味で田舎の残業であり、都会とは違った形での残業を通じて信頼性を結んでいく。

 

単なる田舎者ではビジネスでうまく付き合えません。もう一歩先に進むために思い描くのは気品、礼節、礼儀のあるカントリージェントルマン。

都会の経営者から「行きつけのバーに連れて行きたい」と思われるような人材になるためにもカントリージェントルマンになるべきです。

 

===

以上のように、「しくじり」を経験し、乗り越てきた田口氏。

「個」の成長があり、「チーム」の力を知り、地域で大きな仕事を動かしてきた10年間の物語に、参加者は感銘を受けていました。

経験した人しか語ることの出来ない、地域で働く面白さ、貴重なお話を聞かせていただきました。

ありがとうございました。

 

 


 【まとめ講座】株式会社古川ちいきの総合研究所 古川

最後に弊社代表古川からまとめ講座。

第一講座、第二講座を踏まえ、

 

「好き」と「憤り」から起こる情熱を、まずやってみる行動に。

答えを待っているのではなく、自分で動いて失敗して学び、

顧客視点と粗利管理を徹底し、この力を高めていく。そして唯一無二の存在に。

 

また、個の基本ができて初めて、ポートフォリオワークができ、チームになれる。

地域での仕事は“Think global, drink local.”が大事!というメッセージを送り、今年度の国産材ビジネスセミナーを締めくくりました。

 

7年目を終えた国産材ビジネスセミナー、

来年度も一味違った国産材×ビジネスの世界を皆様にお届けするべく企画中です。

お楽しみに!!!

 


 

【お客様の声】

~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~

 

===

第一講座・まとめ講座について

===

・5フォースに加えた6つ目の脅威「補助金」の話ではハッとした。つい日頃忘れがちだが、あくまで「補助」の「お金」であることを考えねばならないと思った。このセミナーに来ると普段触れない考え方、感性に触れられるので、とてもありがたいです。(行政関係A様)

 

・自社の粗利や経営の考え方を振り返る講座となりました。ありがとうございました。(バイオマス関係B様)

 

・カントリージェントルマン、とてもカッコいいと思うし、なりたい。今の自分の環境でどう仕事力を付けるか。そのためには、まずやってみる(素直)こと。今まで他人事のように聞いてしまっていたお話を、自分事に落とせそうな感覚が出てきた。これを機に行動に移したい。(林業関係C様)

 

===

ゲスト講座について

===

・プレゼンテーションも含めて楽しませて頂きました。ビジネスのグローバル化が進んでいる中で、自在だけで仕事するのではなく、チーム力が改めて大切な時代がやってきていると感じました。(バイオマス関係D様)

 

・多くの林業事業体や地域に欠けている視点が多く、マーケティングについて考えていない、意識していないところは多い。そういった考え方を変えるのに、「やりたい理念」と「とりたい利益」は大切だと感じた。自分が関わる地域で以下にストーリー性をつくるかが課題。(バイオマス関係E様)

 

・ご自身の経験、成功事例を分かりやすく紹介していただきとても参考になりました。しくじり先生の手法は良かったです!(飲料メーカーF様)

 

・製材業として、どう生き残っていくか、どう楽しく仕事をしていくのか聞けて良かったです。製材業・林業は単に一か所にまとめるだけではなく、連携も重要ということは参考になりました。楽しく仕事をされている感じも伝わってきて、それも良かったです。(行政関係G様)

 


 

無事、7年目を終えた国産材ビジネスセミナー、各回豪華なゲスト講師をお迎えし全4回のメニューをお届けしました。ご参加いただ皆様、誠にありがとうございました。

まだ出会えていない皆様も、今後の他セミナーで、どこかの地域で、お会いできることを楽しみにしております。

今後ともよろしくお願い致します。
★過去の開催ブログは、こちらから↓↓
【第1回】https://chiikino.jp/blog/?p=6031
【第2回】https://chiikino.jp/blog/?p=6205
【第3回】https://chiikino.jp/blog/?p=6505

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 1月 21, 2017 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

国産材ビジネスセミナー

 

今年度第3回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。

テーマは 「林業ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」 と題し、

女性社員・学生、女性を雇用する経営者の方を主な対象としましたが、

行政や地域のコーディネーターの立場から、 女性の活躍をサポートされている男性の皆様にも広くご参加いただきました。

 


 

【第一講座】林業女子白&林業女子マーケティング 株式会社古川ちいきの総合研究所 岩井より

第3回国産材ビジネスセミナー

「林業女子」と聞いて、みなさんはどんな女性、あるいはどんな仕事を思い浮かべますか?

 

林業界では、さまざまなスタイルで笑顔ではたらく女性が近年注目されていますが、
男女の得意をそれぞれ活かした仕事や経営ができれば、

もっと日本の林業が面白くなるのではないでしょうか。

 

今回は大きく2つ、

 

①女子目線のマーケティング

②林業女子のハッピーキャリア

 

をテーマに、弊社岩井がメイン講師を務めさせていただきました。

まずは、「林業女子白書~林業女子のこれまでと現状~」と題し、統計データを基に、林業に従事する女性の数や職種の推移を整理。
さらに、林研グループから林業女子までの、林業界や山村における女性のネットワークの変遷を追うことで、

林業や地域を支える女性の役割の変化について、ご紹介させていただきました。

 

大きく分けると、「林業女子」の役割や立場は、以下のように変化してきたのではないでしょうか。

 

第1世代:家族としての女性
山村の暮らしの中で林業が当たり前にあり、家族や夫婦で仕事してきた。女性の地位向上などを目指して女性林研に代表されるグループを結成。地域の輪を大切に、女同士でわいわいと活動するのが好き。

 

第2世代:職業人としての女性
職業人として男性社会に飛び込んでいった。Iターン者、女性公務員。職人気質で、発信とか表に出るのは苦手、というタイプも。

第3世代:翻訳者としての女性
女性を受け入れる土台ができた林業界へ自然体で入っていく。理念を持ちながら女性の楽しみ、都会の感覚もバランスよく大事にしながら山と都市を結ぶような、ソフトの仕事、異業種に従事することも多い。

 

このように、林業女子会の発起人でもあり、

これまで様々なネットワークの女性とお会いしてきた岩井の視点から、まとめさせていただきました。

 

さらに、一口に林業女子といっても、現場作業に限らず多様な関わり方があるものでしょう。
弊社ではこれについて、男女関わらず「経営を支える3種類の人材」としてご紹介しています。
第3回国産材ビジネスセミナー

 

あなたは会社の中で、あるいは業界の中で、どの役割を担っておられますjか?

また、これからどんなバランスで3つの仕事をしていきたいですか?

 

弊社のクライアントやさまざまな場所で活躍する

林業女子のキャリア事例をご紹介し、キャリアを考えるヒントを紐解きました。

 

 

ある林業会社では、数年前に新しく女性を採用されましたが、

「例え、男性社員と比べて体力的に劣るため現場作業が60点だとしても、
プラス40点を事務や総務力で活躍してもらえれば、100点満点」

という考え方で採用されています。

 

このように、弊社がお付き合いさせていただいている林業木材業では、
作る人、売る人、支える人の役割を固定せず、その人の個性に応じてバランスをとるなど、

さまざまなキャリアプランを描いている企業があります。

 

この3つの視点と「キャリアプラン」について、

雇用する側もされる側も意識することで、性別を含む個人差や個性に合ったチームワークが

林業界でも発揮できると考えています。

 

さらに第一講座の後半では、

「売る人」や「支える人」としての林業女子の活躍に生かしていただければと、
情報発信や顧客づくりに係るマーケティングフレーム、事例をご紹介させていただきました。


【ゲスト講座】林業女子のハッピーキャリア

株式会社はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏より

国産材ビジネスセミナー

平成27年8月28日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律「女性活躍推進法」が国会で成立したことはご存知でしょうか?

女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に資する情報の公表が事業主に義務付けられ、
女性が個性と能力を発揮し働ける社会の実現に向けた法整備が進められていることは確かです。

 

このように、女性が活躍できる社会の実現という理念は理解しつつも、
出産、育児といったライフステージによる働き方が変化することや、そもそも体力が求められる林業界の特徴もあり、
経営者にとって悩みごとの多いテーマでもある、女性の雇用問題ではありますが、

 

働く女性1万人以上に取材を続け、人気雑誌へ女性のキャリアに関するコラムを投稿し、
また、林野庁においての女性活躍をテーマにした講演実績も持つ、
(株)はぴきゃり 代表取締役の金澤悦子氏をゲストにお招きし、

「林業女子のハッピーキャリア」をお話しいただきました。

 

冒頭から、上記のような法整備が進み、女性活躍に向けた機運が高まっている一方で、

経営者が何よりも知りたいのは、「女を採用すると、儲かるのか?」ということ。

この挑戦的な問いかけから、講座が始まりました。

 

金澤氏の答えは、「儲かります!!」。

 

その理由を5つの切り口から、企業にとって女性を雇用する強みとしてご紹介されました。

 

話の全容は、オリジナルメソッドにより年間300人以上のキャリア相談に応じておられる金澤氏の著書などから、

豊富な事例を交えてお聞きいただければと思いますが、ブログでは一部をご紹介します。

 

回答①:女性を採用すると、ビジネス開拓に効く!
太古の昔から、集落の中で共同作業を行ってきた女性は、男性よりも比較的に「共感力」が豊かであると言われています。

 

某大手旅行会社において、トップ営業の成績を持つ女性は、その営業スタイルを「憑依型」と評されるそうです。

 

お客様との会話を通じて、「あなたには絶対、この場所がオススメです!この場所で、〇〇のお店にいって、××でお茶をして~・・・

きっとあなたのイメージ通りの旅をお楽しみいただけます!!」と提案すると、
「どうしてそんなに私の気持ちが分かるんですか!?」と驚かれ、まるで憑依したかのように、
顧客の潜在的なニーズに共感し、最適な提案によって実績を残しているというエピソードをご紹介されました。

 

すなわち、消費者は必ずしも、自身のニーズに気付き具体的な言葉で表現できるものではない中で、

女性の共感力は、「ビジネスのチャンス=ニーズへ気付く力」として、企業にとっての強みとなるエピソードの一つでした。

 

回答②:女性を採用すると、人材育成に効く!

女性を雇用するときに直面する、ハード面の課題。
特に林業界では、トイレや更衣室の整備といった課題に面することが多いかもしれません。

 

ここで、「ブロークンウィンドウズ現象(割れ窓理論)」というものをご存知でしょうか?

これは、アメリカの犯罪学者ジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した理論で、
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、
やがて他の窓もまもなく全て壊されるという考えに基づくものです。

かつて非常に治安の悪かったニューヨークの街で、知事の政策の下で地下鉄の落書きを徹底的に消すことで、

地下鉄内での犯罪率が減少した実験結果が出ています。

 

職場においても同様に、皆にとって快適な環境が整備されキープされているということは、
会社の士気やマナーを高めるということ。女性が働きやすい職場環境は、働く皆にとっても快適ということです。

 

続けて、ソフト面の課題について。
女性は男性と比べても、結婚、出産、育児といったライフステージによる働き方の変化が大きい点は、
経営者にとって女性雇用の一つのリスクであるという考え方もあります。

 

しかしながら、長時間労働に対応しにくいといったリスクは、女性だけの問題でしょうか?

超高齢化社会に向かう日本ですが、一方で成年男性の未婚率の上昇も同時に問題視されています。
すなわち、介護問題とは、もはや女性のみの問題ではなくなるのです。

 

長時間労働の一択のみではない、ライフステージに応じた多様な働き方を提供できる組織。
そんな女性にとって働きやすい環境は、男性にとっても、さらに働きやすい企業であり、
このような組織体制を作ることが、長期的な視点から、人材育成に効くと解説いただきました。

 

これは林業界にも同じく当てはまることです。

 

 

さらに、「『5つの謎』を理解すれば、女性のマネジメントはうまくいく」として、
女性ならではの考え方の特徴を分析し、経営者としてどのように接することで、

組織の中でのコミュニケーションがスムーズにできるのか、エピソードを交えてお話いただきました。

会場からは、思わず笑い声が上がるほど、共感の声で溢れる内容となりました。

 

講座の後半には、「統計心理学i-color」を使ったオリジナルメソッドにより、
その人のタイプに応じた価値観を生かしたキャリア形成について、ご提言いただきました。
講師の金澤氏がキュレーターを務めるWEBサイト「はぴきゃりアカデミー」もご参考ください。
http://happycareer.jp

 


【まとめ講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役 古川 より

国産材ビジネスセミナー

ゲストの金澤様のお話を受けて、弊社代表 古川より、

「林業界の経営者として何をすべきか」とお話させていただきました。
林業界において、女性を雇用する時に直面する代表例として、例えば現場の安全性やトイレの快適性といった問題がありますが、

 

この場合、効率的な重機を導入したり、トイレを整備するなど、ハード面の充実によって、「問題対処」が可能となります。

しかしながら、これらの事象に対してハード面の整備に留まらず、ソフト面までサポートし根本的な「問題解決」を図ることで、
女性の働きやすい会社から⇒男性にとっても働きやすい会社へ。

 

この問題解決は、結果的に、
会社の経営ビジョンと顧客創造における、マーケティング戦略の実行性に繋がるべきテーマでもあるということ。
このようなメッセージをお伝えし、今回のまとめとさせていただきました。

 

女性が活躍する組織を考えることは、女性の為だけではなく、それは男性の為にもなる。

そして社員の為だけではない。強いては、会社のため、お客様のためになるということです。

 

これからも女性に限らず、林業木材業界のキャリア育成のテーマを扱うセミナーも継続していきたいと思います。



【お客様の声】
~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~

 

・組織の中で、女性としての役割を理解、整理できました。女性だから・・・といわれるのが少々苦痛でしたが、強みがたくさんあると分かり、笑顔で頑張れるよう参考にしていきたいです!(林業関係A様)

 

・面白い内容で、さらに男性の立場からも聞いてみたい内容でした。参加者も色々な経歴で林業界に入っている人が多く、もっと多くの人の経験談を聞いてみたいと思いました。(コンサルタントB様)

 

・「女性の5つの謎」と題して、女性の考え方を紹介された話が参考になりました。また、男性女性と区別なく、共感できる点も多々ありました。職場や家庭でのコミュニケーションに役立ちます。(行政関係C様)

 

・とても参考になる話で、女性のみならず、男性にも聞いてほしい内容でした。仕事におけるチームプレイや人材育成について、さらに詳しく聞きたいと思います。(林業会社D様)

 

・林業は総合産業だと思っています。山をトータルで生かすことができたら、もっと多くの人がハッピーなキャリアを持てると思っています。そんな展開にこそ、女性の力を生かしたいですね。(林業会社E様)

 

・とても楽しく講義を受けることができました。仕事で「女性や若者の視点を生かして」と度々言われますが、それが何なのか分からず悩んでいたので、ヒントをいただけた気がします。ありがとうございました。これからの仕事にも役立てていきたいと思います。(製材メーカーF様)

 

・女性という切り口のみならず、その中でも役割の変遷を示していかれた点が参考になりました。世代間の連携が取れるとさらに良いですね。次は、女性上司とのコミュニケーションについても、話をうかがいたいです。林業と女性をテーマにしたセミナーを今後も続けてほしいです。(シンクタンク関係 G様)

 

・i-color診断は、目からウロコでした。また、印象的なキャッチフレーズにも共感しました。林業女子をテーマに様々なお話を聞き、自分自身の役割を再確認することができました。女性の特質を知ることもでき、楽しい話をありがとうございました。また参加させていただきます。(行政関係H様)

 

・女性の視点を知ることができ、今後のコミュニケーションの参考となりました。また、マーケティングフレームの紹介では、自分が所属する地域の立ち位置を客観的にみることができ、ハッとさせられました。(行政関係I様)

 


★次回予告★

第4回 2017年1月21日(土)14:00~18:00
「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」

 

【ゲスト講演】
㈱山共 代表取締役 田口 房国 氏
「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」

 https://chiikino.jp/blog/?page_id=190

 

★詳細・お申込は、後日ホームページからご案内申し上げます。

みなさまのご参加をお待ちしています!

Posted by wpmaster on 土曜日 11月 19, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京), 未分類, 講演&研修 報告

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

平成26年度、27年度の2年間、弊社が企画運営をご支援させていただいた
川上村主催・商工事業者等活性化支援事業「川上村ならではの地域ビジネス実践塾」。

 

 

今年度は、川上村商工会が主催となり、
『「儲かる仕組み」を一緒に考えませんか?楽しく学べる!経営セミナー』とタイトルを変えて
引き継がれることとなり、10月20日(木)に第1回を開催してまいりました。

 

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

※画像をクリックすると、チラシをダウンロードしていただけます。

 

■第1回のご報告
\川上村ファン顧客の声、集めました!/
川上村需要動向アンケート調査発表会@川上村商工会2階
本セミナーは、全3回の講座を終えた後、川上村事業者様限定で、各企業の事業計画作成をご支援させていただく企画となっております。

 

そして、事業計画を作成するために、まずは村内の需要動向をリサーチすること。
川上村で大きなイベントが開催された8月6日(土)、川上村に集まった人々に村の商品やお店、名勝に関するヒアリングアンケートを実施し、その結果を分析して、初回のセミナーでご報告いたしました。初回講座は、村で事業を営む方々、さらに今後起業を視野に入れている地域おこし協力隊を中心に、20名弱の関係者にお集まりいただきました。

 

 

まずは集まった皆さまの自己紹介から!
特に協力隊の活動については、村内で十分周知されていない面もあり、じっくり今後のイベント情報を告知いただきました。

 

 

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

山遊び塾 ヨイヨイかわかみ 安田氏(川上村地域おこし協力隊)

 

 

アンケートの結果発表について、まずはマーケティングの基礎知識の解説から。

今回のアンケートは、AIDMA理論に合わせて調査できるよう設計しています。

川上村の商品や店舗、名勝について、どれくらいの訪問頻度(購入頻度)か問いかけることで、
① 常連客
② 通常客
③ 一回限りの顧客
④ 認知客
⑤ 非認知客

と、各事業所によってどのような顧客階層があるか調べ、
それぞれの顧客層に応じた経営・販売戦略を作成するための調査内容を報告いたしました。

 

非認知(知らない)の顧客層が多い事業所では、まず認知度を高める戦略が求められます。
次に、認知はされているが顧客の購買のアクションへ繋がっていない事業所はところは、この原因を分析し、商品力を高めたり、特典を付けるといった工夫により、まず1回サービスを体験してもらう仕掛けが必要でしょう。

 

 

このようなマーケティングに関する内容を解説しながら、商品や店舗、川上村の名勝ごとに、
様々な顧客の声が集まったアンケート結果について、
「あなたは川上村のこの商品知っていますか?」
「行ったことありますか?友人知人に案内したこと、ありますか?」とクイズ形式でご紹介。

項目ごとに様々な傾向がみられたため、今後どうするべきかを考えながら、進めて行きました。
川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

 

■ただ広報を拡げて、注目を集めることがゴールなのか?

今回のアンケートでは、村内・村外と分けて、認知度を調査分析いたしました。
その中で、Aという観光名所について、「知っているが行ったことない」という回答が、村内の50%以上を占める結果が見られました。

 

 

この結果に対して参加者のKさんが、
「僕もAには行ったことないですね。
ところで、そこって、普通にいけるんですか?」と質問されました。
それは、
・物理的に、素人の体力でも安心して行ける場所、という意味か
・法律的に、一般の人でも申請なく入っても良い場所、という意味か

 

質問には2つの疑問が含まれており、
それぞれの面によって回答が変わるということに気付きました。
”川上村の良いところ”といった自由回答の調査については、Hさんが、このように感想を述べられました。

 

「そういえば、とある絶景ポイントBについては、
誰でも入ることはできるけれど、誰にでも教えたい場所ではないのですよねぇ。
ゴミが増えたり、人が来すぎてうるさくなったり、山火事なんかが起きても困るし…」

このような議論が交わされ、村内の観光に関する改善には、

 

1)一般の方でも訪問できるように整備すべくエリア(看板、道、広報)
2)”あなただけに”と特別な人だけに教えてあげる特別エリア
3)誰にも来てほしいくない秘密にして守るべく非整備エリア

と3つそれぞれのアプローチが必要といった課題に気付かされたわけです。

 

「観光」という言葉でただ人をたくさん呼び込むことが目的ではなく、
・ 村の日常と非日常(静けさと賑わい)を両方を作り守ること
・ 生産現場や教育的現場(村にとっての日常)からも都市の方々へ非日常を提供できるということ

このような、地域ならではの観光を作り『永続的な経営を目指す』ということが目標であると、再確認する講座となりました。

 

 

■第1回講座のまとめ
①小さくても面白いビジネスを、村の人々が地域で作っていけることが大事ということ

 

②顧客のニーズを知ることで儲け方のヒントを得て、今後のアクションを決めることが成功のポイントということ

 

③近くの異業種が集まりディスカッションすることでさらに村を知り、足し合わせによる”多幸せ”を生み出せるということ

 

 

最後に本講座のまとめとして、3つのメッセージをお伝えして、楽しく学べる!経営セミナー第1回を終了しました。

弊社では、自治体や商工会と共に、地域の小規模事業者の経営や地域おこし協力隊の起業支援を行っています。
地域や企業の現状分析と戦略策定から、広報ツール策定等の定着支援まで、伴走型でお手伝いさせていただきます。

 

 

 

■次回以降のメニュー
 ※川上村事業者対象(受講無料)
参加をご希望の方は、川上村商工会(0746-52-0127 担当:金井氏)までご連絡くださいませ。

 

 

●第2回【10/27(木)】14:00-17:00@川上村商工会2階
『過去・現在を知る。事業計画作成のために!経営分析セミナー』
自社の強みとは?売上向上の可能性はどこに?など、まずは経営の現状分析を行います。※事業者の方は、過去2期分の決算書と電卓をご持参ください。

 

 

●第3回【11 / 9(水)】14:00-17:00@川上村商工会2階
『未来を考える。事業計画作成セミナー』
目指すは、長所伸展経営。現状分析で明らかとなった“強み”を伸ばすために、儲かる仕組みの作り方をテーマとして、たくさんのアイデアを出し合います。※電卓をご持参ください。

 

中嶌大会計事務所よりゲスト講座あり!/
川上村の企業をご支援されている会計士様より、ゲスト講座へ登壇いただきます。
1)株式会社/社団法人/NPO法人の違いって?
2)起業する/事業者になるメリット
3)会計のキホンとは
4)質疑応答    といった内容にてお話いただきますので、特に起業希望の方は必見!

 

 

●個別支援【日程未定】(10社限定)
『あなただけの儲かる仕組みを考えます!事業計画作成サポート』
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Posted by wpmaster on 木曜日 10月 20, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, — ちいきの地域, pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

今年度第2回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。

 

テーマは

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」

 

今回は、地域連携のコーディネーターとなるべき、

行政職員やまちづくり関係の方を主な対象としましたが、

毎回のごとく、林業、製材業の経営者から異業種の方まで、幅広くご参加いただきました。

 

【第一講座】

近年、林業や製材業において、「水平連携」または「垂直連携」の取り組みが活発です。

弊はまずは弊社が全国で携わった連携事例をご紹介し、「連携」を類型化しました。

 

水平連携の中にも、

・森林所有者の連携(集約化など)

・素材生産業の連携(山守連携によるワークシェア、共同加工)

・製材業の連携(窓口化、規格化)

・工務店業の連携(共通ブランド化)

 

などがあり、さらに垂直連携については、

山側主導か、加工・消費側主導かといったパワーバランスにより

連携の仕方が異なります。

 

 

ところで、そもそもなぜ「連携」が必要なのでしょうか?

 

日本型と欧米型の「連携」「協力」を比較しながら、

①売上、②コスト、③リスク

の3つの視点から、連携のメリットを紐解きました。

 

 

さらに、地域連携においては、

外部人材の力をうまく活かした実例が各地域にあります。

 

産業のみならず、地域の社会基盤や生活基盤をつくるという

まちづくりの視点からも、「交流⇒移住⇒定住方程式」についてご紹介しました。

 

 

【ゲスト講座】㈱自然産業研究所 上席研究員 田村典江氏 「ここがヘンだよ!?林野行政」

 

さて、地域連携やまちづくりにおいて、公益的観点から、

行政がコーディネーターとなる場合が多くあります。

 

中でも、林野政策を担う林野庁、地方自治体について知り、

行政と民間の役割分担について考えることは、ビジネスにおいて重要な事ではないでしょうか。

 

今回はゲストに、林野政策の現場に携わる、田村典江氏をお迎えし、

行政機関の実態や、政策と現場をつなぐポイントについて、軽快なトークを交えてご講演いただきました。

 

 

今回のタイトルは「ここがヘンだよ、林野行政」。一見すると挑戦的なタイトルのようでありますが、

実際に、林野行政の数々の事業に携わっている田村氏だからこそいえる

オープンで、未来志向の内容です。

 

そもそも行政の役割とは何か、どのような事業をしているかといった

普段は触れることの少ない実態からレクチャーいただきながら、

 

たとえば林野庁においては5,000人の多様な専門的ノウハウを持った人材が、

適材適所に活躍していることをご紹介いただき、

まさに森林と林野行政への「愛があふれる」内容でした。

 

 

まとめとして、

民間の動きと、それに対する行政のサポート、そしてコンサルタント等の第3者が連携しうまくシナジーを生むためには、

お互いの限界や役割をしっかりと理解したうえで、

現場の情報、施策の情報を積極的なコミュニケーションで伝え合い、

それぞれの役割を果たしていくことが重要である、とご提言をいただきました。

 

 

また特別ゲストとして現役の林野庁職員の方をお迎えしたディスカッションでは、

参加者から率直な質問が多く飛び交い、

 

・国有林の経営について

・都道府県行政の役割について

・補助金の在り方について

 

など、さらにバイマス発電から「地域材」まで、

多岐にわたる議論ができました。

 

 

【まとめ講座】

 

改めて、行政の役割とは大きく4つに分類できます。

 

①【ビジョン】・・・地域や産業の将来像を長期的に描く

②【ブレーキ】・・・民間の経済活動が公益を害することないよう、規制をかける

③【アクセル】・・・民間だけではリスクを伴う挑戦に対し、補助する

④【トレーニング】・・・人材育成

 

このことを理解したうえで、

「プレミアムな行政職員とは何か?」を弊社からレクチャーし、まとめとさせていただきました。

 

また、改めて林業・木材の地域ブランドとは何か?として、

顧客不在、マーケット不在の、単なる地名を冠した「都道府県産材」や「地域材」を行政主導でつくるのではなく、

素材力をつくる施業の背景から、加工力、営業力をトータルで表現した

ブランド創造の必要性を整理しました。

 

 

小さな林業界、製材業界。

批判ではなく、よりよい関係づくりへ。

 

本日のレクチャーをヒントにしながら、

民間も行政も力を発揮しあえる”業界”を、作ってまいりましょう。

 

 

~~~

【お客様の声】

・連携について、事例も含めて知ることができました。ふだん何となく「連携が必要」と思いながら、何が大事でどういう連携をすればよいのか漠然としていたので、少し整理できました。(林業従事A様)

 

・刺激的で、時間が短く感じた。林野庁や補助金の在り方についてもわかりやすく解説いただいた。補助金が事業者を弱くしているのではないか、補助金がなくなったらどうなるか、という話題を、帰ったら地域に投げかけたい。(行政職員B様)

 

・無益な縄張り争いや縦割りを防ぐためにも、民間や行政それぞれの役割を明確にすること、とくに行政の「顧客」が誰なのかを曖昧にしないことが必要と思いました。(コンサルタントC様)

 

・「理念なき利益は犯罪、利益なき理念は寝言」が印象に残りました。行政も民間も、理念と利益を両立させる施策、取り組みを考える必要があると感じました。(エネルギー関係D様)

 

 

~~~

 

次回以降も、素敵なゲストをお迎えして「国産材ビジネスセミナー」をお贈りしていきます。

★次回予告★

2016年11月19日(土)14:00~18:00

「林業女子ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」

 

 

【基礎講座】
・共感力!マーケティング講座
~チラシ、WEB&SNSの書き方~
・林業人材の採用&育成のポイント
・林業女子のキャリアプラン~現場女子と総合職女子~・女性と向き合う経営者の心構え

 

 

【ゲスト講座】

㈱はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏

「経営に女子力をいかすコツ~男女の目線の違いから~」

 

 

★詳細・お申込はこちら! https://chiikino.jp/blog/?p=6191

 

 

みなさまのご参加をお待ちしています!

 

Posted by wpmaster on 土曜日 9月 3, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

2016年度も開講いたしました、「国産材ビジネスセミナー」in東京。

第1回は埼玉、岐阜、愛知、大阪などから、特にご新規の参加者を多くお迎えして開催しました。

現場で林業に従事されている方から、まったくの異業種からご関心を持つ方、学生さんまで幅広い参加者層が特徴です。

 

 

 

【第一講座】日本林業のtruth&real

 

第一講座は古川より、統計データ等から読み解く日本林業のtrurhと、

コンサルティング現場からの事例紹介も交えたreal、という2つの視点で、林業バリューチェーンの全体像をお伝えしました。

 

「農業、漁業、林業、それぞれの市場規模はどのくらい?」

といったクイズを交えながら、林業のマーケットサイズやその特殊性について解説しました。

 

また統計的なデータからは感じにくい、普段の暮らしとの接点については、

国内の素材生産量を国民一人当たりにすると、

「柱1本、フローリング17枚」が取れる丸太一本分。

といったように”手に取れる日本林業”として考えました。

 

 

林業・木材業のビジネスにおいては、

育林から伐採、さらに原木仕分けから製材加工、住宅まで、

どのような商流をつくり、価値を連鎖させて最大化していくか、という視点が重要です。

 

その中で特に、原木の分類がいわゆるA材~D材、「製材用材、合板用材、チップ用材、燃料材」等とある中で、

マーケットシェアはいまだに製材用材(A材)が7割を占めることを考えれば、

流行のキーワードや施策に振り回されず、製材品としての森と木材の価値を高めていくことこそ必要であると、お伝えしました。

 

 

 

【ゲスト講座】林材ライター 赤堀 楠雄 氏 「これからの日本林業~ポイントは製材~」

 

第1回のゲストとして、林材ライターとして林業・木材業界に精通する赤堀氏にご講演をいただきました。

林業政策が低コスト化や大規模化に向かう中、

 

「引き算(コストカット)ばかりの量産林業では林業者の意欲は上がらない」

「付加価値を高めるための、植林から造材、製材に至る「選択(ソート)」こそ林業の醍醐味」

 

との気づきを与えていただきました。

全体を通して、「引き算だけでなく足し算へ」というキーワードを一貫してお伝えいただきました。

 

 

木材への需要の形が変化しても、

やはり節や狂いのない、品質の高い素材があることで、

その後の加工の効率や精度が上がること。

 

”高い素材品質が選択肢を広げる”ということも、具体的な実例を交えてご紹介いただきました。

また、その「品質」を客観的に評価する、全国共通基準の整備も急がれます。

 

 

最後にまとめ講座として、ふたたび古川より、

木材の価値を高めるための、製品そのものの「規格」と、顧客を創造する「企画」、

 

「規格」×「企画」

 

により、目標林型を実現することを目指すことこそ

林業の面白さである、という話で締めさせていただきました。

 

セミナー後の懇親会にも多くの方にご参加いただき、ネットワークを広げていただく機会ともなりました。

講師の赤堀様、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

~~~

 

 

【お客様の声】

・国産材ビジネスセミナーでは、いつも業界の最前線の情報が得られます。 受講者どうしのネットワークが広がるのも魅力です。(A様)

 

・初心者にも分かりやすい内容で助かりました。林業、木材産業の今後の在り方について分かりやすくご示唆頂けたと思います。(研究機関B様)

 

・「林業はどうあるべきか、ではなく、どんな林業をしたいのか」というキーワードが印象的だった。加工の現場の話を普段聞くことが少ないので大変刺激的でした。事業ドメインを超えて、木を木らしく使ってもらうということの価値を伝えながら、仕事したいと思いました。(エネルギー関係C様)

 

・赤堀氏のお話が非常に体系化されており勉強になりました。「角から板」の流れは必ず通る道だと感じました。「素材力+加工力」で新たな需要を作って行きたいと思います。(木材流通業D様)

 

・国産材の統計数値の見方など、再確認できる内容だった。林業も品質本位の時代。(木材流通業E様)

 

・「林業はいつでも『育てる』時代」は全くその通りだと思った。一次産業の中でも成果物をすぐに家に持ち帰れないからこそ、製材が大事というのもその通りだと思った。(林業F様)

 

・世界の中での日本の立ち位置、数字(原価や価格)の見方、そして最近の森林活用の多様化の話など林野庁などの資料からだけでは得られないものばかりでした。林業初心者として、全体像が見えて、参加して本当によかったです。メディアは「林業あるべき論」に走りがちですが、当たり前のように思えていた需要からの逆算の視点の不足を感じました。多角的に報道していけたらと強く思いました。(メディア関係G様)

 

・林業をやっている側が、質の高い丸太を生産する努力をすることが大事だと分かりました。(林業H様)

 

~~~

 

次回以降も、素敵なゲストをお迎えして「国産材ビジネスセミナー」をお贈りしていきます。

 

★次回予告★

2016年9月3日(土)14:00~18:00

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」

 

【基礎講座】
・そもそも「連携」って何?
・水平連携のポイント、垂直連携のポイント
・森林ビジョン、地域ビジョンの作り方
・交流⇒移住⇒定住方程式
・コーディネーター、行政マンの必要条件

 

【ゲスト講座】
㈱自然産業研究所 上級研究員
田村 典江 氏 【ゲスト講演】
「ここがヘンだよ!?林野行政」

 

みなさまのご参加をお待ちしております!

 

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 30, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

名古屋にて、東海エリアを中心に

若き林業経営者が集まり開催している、林業経営実践研究会。

7月度は新たなメンバーも迎え、開催しました。

 

今回の内容は

【1】各社報告

【2】ドイツ林業視察報告

【3】200年林業に学ぶ

【4】山林の所有と管理の在り方

 

盛りだくさんでお届けしました。

 

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【1】各社報告

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新たに愛知県からのメンバーも迎え、各社の近況報告。

決算の結果、バイオマス事業への参入、木工メーカーとの連携、インターンシップの受け入れなど、

それぞれに独自の事業展開が、着々と進んでいる報告がありました。

 

 

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【2】ドイツ林業視察報告

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6月にドイツ林業&林業機械展の視察に参加したメンバーから、

そのご報告をいただきました。

 

機械化された林業やフォレスターのイメージが強いドイツ林業ですが、

その人材育成は幼少期から始まっている事を、

森林公園で見られた数々のユニークな教育の「仕掛け」から感じることができました。

 

 

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【3】200年林業に学ぶ

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研究会の前日に、弊社一同で、メンバーであるA氏の山林を視察させていただき、

その現場写真とともに、A氏の山林経営についてディスカションを行いました。

 

約1,500haの所有山林を自社で管理する、「所有」と「管理」が一体となった経営を実践。

200年前から植林を始め、所有林のおよそ半分は、すでに高樹齢の「いつでも好きなように伐り出せる」「手のかからない」山林になっています。

 

 

先祖の作り上げた山林資源をいかすべく、

建築設計者とともに立木伐採から始める家づくり等にも取り組まれています。

 

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【4】山林の所有と管理の在り方

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A氏の林業スタイルを踏まえながら、

林業経営における「所有」と「管理」の在り方について議論しました。

 

一口に林業といっても

 

・所有と管理を一体に行う林業

・山林以外の収益を得ながら行う林業

・所有せず管理に徹する林業

 

など様々です。

 

ある参加者からは、

 

「これまでは、所有林を持たないながらも、地域の山に根差し、地域に貢献することを理念としてきたが、現状ではほとんど地域外の仕事を受けている。

そのような状況の中で、愛着がある山を持つと、かえって自滅するのではないかと思う。ぶれない軸として持つべきか?

それは、地域、業界に貢献するというビジョンではなく、山で働きたい人材をつなぎ、林業技術者を育て、田舎で楽しく暮らす人を育てる会社になるということ。

教育・人材育成を意識してやっていきたいという自分の立ち位置が明確になって来た。」

 

という発言もありました。

 

林業スタイルとは、必ずしも「所有しているかしていないか」や「自分で管理しているか」

で語られるものではなく、もっと多様な形があるということ。

まさに”フリースタイル林業”の世界観を、この研究会から、もっと表現していきたいと思います。

 

~~~~~~

★次回の開催は、9月10日(土)を予定しています。(座学ではなく実地研修の可能性もあります)

ご興味のある方はお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 9, 2016 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, pick up, すべての記事, セミナー報告

 

 

6月25日は広島県北広島町にて、
広島県木造住宅生産体制強化推進協議会事業の一環で、講演及びワークショップのファシリテーターを務めさせていただきました。
★チラシの詳細は、画像をクリックしてご覧ください。

 

 

 

 

なお、「中国山地の木をプレミアム化するマーケティング講座&ワークショップ」と題した当講講座は、
6月25日、8月27日、10月30日と、全3回のプログラムを予定しています。

 

初回は「日本の林業の概要を知り、プレミアム化とは何か考える」をテーマに掲げ、
建築設計士、大工の方々を中心に25名の参加者様にお集まりいただきました。

 

今回の講演は、このようなメニューで開催しました。

 

①日本の林業概要
・日本の木材と産地
・選ばれる製品(地域産材)、3つのポイント
・日本の森林概要
・日本林業の市場規模

 

②価値観とは何か
・自分軸と時間軸
・情熱方程式

 

③マーケティング講座
・消費の3要素
・ライフサイクル(地と図の関係)
・代替財と補完財
・セルフコントラスト

 

④ワインのような日本の林業~産地紹介~
・奈良県川上村 吉野林業について
・工務店主催の伐採見学ツアー
・林業の企画と規格

 

また、講演の間には「地場産材をプレミアム化するためのワークショップ」と題して、
参加者が3つのチームに分かれ、“住宅10ニーズ”についてアイデアを出し合いました。

 

 

今回のワークショップは、
1) 家づくりで重視されるポイントを優先順位の高い順に列挙し、ルール化
2)古川より「住宅10ニーズ」のフレームをレクチャー
3)「住宅10ニーズ」×「地域産材」の掛け算による売り方を提案

 

という手順で進行しましたが、日頃から家づくりに携わっておられる皆さまですので
住宅そのものの商品の他にも、立地、住宅保証やローン計画の提案といった、住宅販売に纏わる
重要なポイントを網羅的に書き出していただきました。

 

 

しかしながら、
「住宅10ニーズ」×「地域産材」の掛け算による提案となると、
「う~ん、とても難しい!」
「そもそも、このアイデアが弱いから、日本の木が売れない訳ですね!」
「正直なところ、自分が家を買うことをイメージしたら、より悩ましい」
といった反響がありました。

 

 

短時間のワークショップではありましたが、参加者様同士で話し合った後は、各チームによる発表会。
付箋に書き出したアイデアを発表していただきました。

 

 

 

全体的に設計士工務店関係の参加者様が多かったためか、
住宅10ニーズに対する理解が高く、地域産材を掛け算で売っていく必要性を意識されている一方で、
国産材を使った家づくりの提案については、
・地域資源の利用、環境保全等の大きな理念のため
・施主へ補助事業を提案できるため といった認識がありつつも、

 

 

一方で、

「地域産材の材料としての良し悪しを知らなかった」、
「地域産材の物語性について付加価値を掘り下げたことが無かった」等といった感想が挙げられました。

地域産材の強みや特徴とは、
異素材、他産地材と比較して見出されるものでもあります。

 

つきましては、次回8月27日(土)の講演&ワークショップでは、
「木材が選ばれる理由を定義しトータル林業について考える
~異業種、異素材、他産地の木材と比べて地場産材の強みを定義する~」をテーマに掲げ開催します。

 

今回のワークショップのテーマに掲げた「住宅10ニーズ」×「地域産材」の掛け算による売り方を宿題に、
アイデアを持ち寄って、さらに北広島町産材の強みについて、掘り下げていきたいと思います。
ぜひ、川上から川下の関係者様まで、お誘いあわせの上、ご参加くださいませ。

 

 

なお、講演終了後には、7名の方々に古川の著書「森ではたらく!27人の27の仕事」をご購入いただきました。
ご購入いただいた方にはサインを書かせていただき、それぞれの“森ではたらく仕事像”について、お話することができました。

 

講演中にも「林業・木材業の“担い手”で何が起こっているか?!」と題した内容をご紹介しましたが、
書籍の中では、森を伐る人、森を香らせる人、森で育てる人…27人の著者が自らの言葉で、等身大の想いを綴っています。

 

それぞれの目を通して見た、はたらく場としてのリアルな「森」像。
実際に森ではたらく方のみならず、山や森が好きな方、街に日常を置く方々にも、
仕事と暮らしの「日常」と「非日常」について、感じていただける一冊となっております。

 

★まだお読みでない方はこちら↓↓
森ではたらく!27人の27の仕事  販売ページ

 

 

最後に、参加者の皆さまからのアンケートから一部をご紹介いたします。

 

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講演受講者さまアンケート(一部抜粋)
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■建築設計事務所 A様
県産材の売り方について聞かれた時、そこが分からないのに気づかされた。
一般論で、地元の土地に地元の材料は、リーズナブルで安心とはいえるが、
本当の質については全く分かっていない。そこを探すことが大事。

 

 

■素材生産業 B様
林業の市場規模の話を聞き、広島の田舎で本当にその規模感を体感しています。
同時に、自分の価値観とは、立ち位置で変わるものだと実感しています。
今日も、講演の場で、情熱を持った同志と出会い、再会がありました!

 

 

■デザイン設計事務所 C様
単純に木だけでは売れないということを再認識しました。
何をもって売れるものにするか。(売れることは、プライドと継続性に不可欠)

デザインという自分の立場も踏まえつつ、考えていきたいです。

何度お聞きしても、マーケティング理論は勉強になります。
「なんとなく地場産材」からの脱却の重要性も認識しました。

 

 

■NPO法人 D様
消費の3要素がプレミアム化のヒントになりそう。
ストーリーをつくる具体例などをもっと知りたいです。
山林ツアーの事例紹介も、何をどう見せるのかと参考になりました。
町内同士でも知り合うきっかけが少ないので、参加者同士の交流から雰囲気づくりについても期待します。
また、日本林業の全体が見える講演でした。今後は、広葉樹の活用事例についても知りたいです。

 

 

 ■E様
価値提案のお話が良かったです。
立場を置き換え、WEB作成等と重ねて考えると、イメージが膨らみました。

 

 

■ F様
ワークショップを含め、参加者同士が会話をする時間をもっと取っていただいたらより面白くなると思います!
他の職業の人の考え方を聞くことで、木について理解できるのではと思います。
山を見る会、木を語る会の開催はいかがでしょうか!!

 

 

■工務店関係 G様
顧客目線のマーケティング、国産材の売り方等々、
新しい視点からのお話で、大変参考になりました。

 

 

■大学関係 H様
木材のブランド化のために必要な3要素のテーマが大変印象に残りました。

 

 

■行政関係 I様
初回、導入となる会でしたが大変楽しく、勉強になりました。
私の仕事である「町のブランディング」やマーケティングについてのお話、
価値の作り方、とても参考になりました。

 

 

■J様
予想外の講演でした。
範囲、掘り下げの深さ、視点…
気持ちよく聞けて満足です。

内容が多すぎて印象に残る点が絞り切れないくらいでしたが、

次回もよろしくお願いします。

 

 

■まちづくり関係 K様

トークのパワーとテクニックがすごいです。
伝えるごとに具体例があり、モデル図もあって分かりやすかった。
マーケティング論やスキルについても大変勉強になりました。

森林の土地利用としての役割とステージごとの条件について、
林業に適する山と不適合な山の条件などがあると思います。
そのような意味で、日本の山林はどの地域が好条件なのでしょうか?

建築用材の他に、強度を含めてスギの家具材やヒノキのプラスチック複合材などの加工方法もあるかと思いました。
このような使用事例の市場規模は小さいのでしょうか。
次回は、海外の林業事業やブランド化についてもお聞きしたいです。

 

 

■まちづくり関係 L様
話を聞くだけではなく、自分達で考え、楽しく参加できました。
地域の山を元気にするには、何をすればよいだろうか?

 

 

■都市計画関係M様
相変わらずのキレキレの語り口調で、端的に整理されていますね。
色々な経験が生かされていると感じました。

 

 

■建築設計業 N様
市場規模は小さいが、国土の大半を占める森林。
そのうち、植林地も多く、地産池消えるのために、林業の復活再生はとっても重要だと思っています。
その術を学びたいと思い受講しました。マーケティングの手法を知り、
上手に活用すれば、林業以外のビジネスでも活用できると思いました。

 

広島県産材の特徴を知る必要があり、国産材や他産地材、海外産材との違いを理解し
売り込みのアイデアを出すことも必要となるでしょう。
何に、どこに活用すれば材が光り輝くのか、次回の講座で考えたいと思います。

 

 

■建築設計業 O様
木材についての講座でしたが、それ以外にも通ずる内容で、興味深く聞きました。
私は主に、家屋調を生業としています。空き家や古民家に入ることが多くありますが、
古材の利用やリノベーションについても興味があり、知りたいです。

 

 

■NPO法人 P様

芸北の木をどう生かしていけるか、沢山の気付きを教えていただけたなと思います。
林業に関わらず、芸北地域を良くしていきたいと思っている人と第二回に参加したいと思いました。

 

 

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アンケートにご協力いただいた皆様に、心より御礼申し上げますと共に、
次回の講演についての参考とさせていただきます。

それでは、第二回8月27日(土)も、よろしくお願い申し上げます。

 

Posted by wpmaster on 土曜日 6月 25, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告

 

梅雨に入り、西日本は大雨の中、6月度の大阪実践研究会を開催しました。

 

~本日のMENU~

【1】各社報告

【2】新規参加者のご紹介

【3】話題提供 :「広島林業の現状」

【4】ゲスト講演 :「繊維業界の流通を変える、新たな展開」

【5】まとめ講座 :「商流のつくり方」

 


■各社報告・新規参加者のご紹介

今回は、新たに女性経営者のご参加もあり、いつも以上に華やかな雰囲気の研究会となりました。

 

まずは恒例の各社報告で、、各社の経営状況をシェア。

 

既に、秋以降の受注が多く、忙しくなるだろうと語る方、

新商品を使用したワークショップ企画が迫っている方、

みなさん、梅雨明けのスタートダッシュを待ち構えているかのようなご報告でした。

 

梅雨という季節、林業・木材業にとっては仕入れや品質管理が難しい季節ですが、

各社報告はそのような心配を感じさせない内容で大変盛り上がりました。

 

■話題提供:「広島林業の現状」

今回は話題提供として、

広島県よりお越しのS氏に「広島林業の現状」としてお話していただきました。

 

「県産材」など、都道府県単位での林業施策が増える昨今、

みなさんは、ご自分の地域の林業のポジショニングをどうお考えですか?

 

今回取り上げた広島県の素材生産量は年間約30万㎥。

いっぽう宮崎県などは100万㎥を超えます。

まずはその地域の林業の、規模感を知ったうえで、果たして「地域材」の意義は何か?

考えてみることも大切です。

 

それを踏まえ、さらにS氏からはご自身の海外視察経験から、

日本のみならず海外林業との比較をしながら、

また林業事業体に入り、実際に経験したことから考えた

今後の林業への問題提起がありました。

 

 

特に、木材の搬出行程である

ⅰ.伐倒行程

ⅱ.集材行程

ⅲ.造材行程

ⅳ.運搬行程

ⅴ.集積・巻き立て行程

 

の5つの行程で、実際に広島県で使用している

最新の高性能林業機械のご紹介をしていただきました。

 

このように、製材業経営者が林業経営までを考える、

「トータル林業」のスタンスが、この研究会の特徴です。

 

 

■ゲスト講演 :「繊維業界の流通を変える、新たな展開」

 

 

今回のゲストは、名古屋で繊維問屋を営む、株式会社谷健 代表取締役の谷 佳津臣氏。

 

木材業界と同じく素材業である、繊維業界の現状をふまえ、

単なる「素材卸業」を超えて、流通を変え、商品を生み出していく自社のビジネスモデルについてご紹介いただきました。

同じ素材業である林業、木材業にとってのヒントが満載のテーマです!

 

 

繊維業界も、

需要低迷、原料の輸入依存、国内マーケットの飽和など

木材業界と似た課題を抱えています。

 

そんな中、素材卸業の領域を超え、

みずから「企画力」を持ち、メーカーとの連携と小売への展開をすることで、

新たな市場を生み出す試みが、オリジナルブランド「ツムギラボ」です。

 

地元愛知県の伝統的な染や織りの技術をいかした、

カジュアルブランドを展開しています。

 

 

すでに飽和している市場での価格競争を避け、オリジナルの領域をめざし、

「伝統工芸」×「百年企業」×「ユニークアイデア」のコンセプト、

さらに「メンズ」×「カジュアルシャツ」×「伝統工芸技術」で

唯一無二の存在となり、自分で需要を創っていく企画力の重要性がひしひしと伝わるご講演でした。

 

 

お持ちいただいた実際の商品を手に取ってみると、

洗練されたデザイン、美しい染めの色、

しっかりとした生地で機能性も備えていることがよくわかり、

「これは欲しい!」と思わざるを得ない商品でした。

 

谷氏からは、新たなビジネスに挑戦するためのポイントとして、

 

①実際に、自分でやってみる

②周りの“利”を考え気持ちの良い取引をする

③自分が持つ情報、求めている情報をできるだけオープンに

 

をご紹介いただきました。

 

単なる「素材卸業」を超え、流通を変え、商品を生み出していくビジネスモデルを知る。

同じく素材業である林業、木材業にとっての大きなヒントとなりました。

 

 

■まとめ講座 :「商流のつくり方」

 

谷氏のゲスト講座を踏まえ、

まとめ講座としては、「商流をつくる」をテーマにディスカッションしました。

 

まず初めに、参加者の皆様から、

過去と現在の商流=【商品】と【販路】の内訳の変化

を書き出していただきました。

 

 

そこから木材製品について、商流の作り方についてレクチャー。

 

多様化する、製材メーカーから工務店への商流をまとめ、

改めて、価格決定、販売方法、商圏の切り口から

今後の顧客創造のポイントについて、整理しました。

 

ゲスト講師の谷氏からも、繊維業界の視点からご意見もいただきながら、

参加者の皆さまとディスカッション。大変貴重な時間となりました。

 

 

今回、ゲスト講座とまとめディスカッションから、
外部環境が変化する中、何もせず廃業倒産する事業者がある中で、
時流に適応しながら、販路や商品を開拓し、
常に小さな変化を積み上げていくことの大切さを改めて感じる研究会となりました。

 

今後、研究会メンバーによる「Clubプレミアム国産材」でも、

新たな創造すべく、今年は具体的にアクションして参ります。

研究会へのご参加、またClubプレミアム国産材への新規メンバーも募集中です!

ご期待ください。

 

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次回の大阪実践研究会は7月29日(金)!

7月30日(土)には国産材ビジネスセミナーin東京を開催します。

https://chiikino.jp/blog/?cat=20

皆様のご参加をお待ちしております。

 

ご興味のある方、

ご参加されたい方は、

お気軽にお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 金曜日 6月 24, 2016 Under セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)