令和5年8月4日(金)、みえ森林・林業アカデミーで、弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

 

テーマは「林業マーケティング 概論と実践」

 

「~未来のお客様は、私たちでつくる~」と、古川らしいサブテーマも加えました。

 

 

林業×マーケティング

 

今でこそ時々耳にするようになりましたが、古川が15年前に言い始めた時は、

 

「林業にマーケティングって必要なの?」
「良いもの(木、製品、森)さえつくっていればいい」
「自然を相手にしているんだ、そんなの必要ない」

 

という言葉をよく聞いたそうです。

 

マーケティングって、「商品サービスを売るため」というのはもちろん、実は「正しく知ってもらう」「ちゃんと届くようにする」という意味合いも大きいです。

 

林業、製材業、木材業、木の家木の家具…
森の仕事、木の仕事していると、自然に畏敬の念を感じ、仕事に誇りを持ち、地域と人を大事にするようになります。
むしろ、そうでないとやっていけませんよね。

 

そういった思いや理念を、人々に伝わるようにする。
そうして、どこに伝えたいのか。

 

 

ヴィジョンとマーケット。

林業に足りないのはこの点だ、というところからスタートした講義。

 

 

基本のマーケティングフレームから、林業と地域に向き合ってきた古川流メソッドへと展開しつつ、ワークショップも交えながら、今回も4時間全力蹴球させていただきました。

 

たくさん詰まった内容を走り抜けた講義でしたが(これでも本人的にはかなり集約したそうです笑)、受講生の皆様にも楽しんでいただけたようです。
終始、熱心で真摯な姿勢が印象的でした。

 

 

 

【アンケート回答より抜粋】

・とても有益な講義でした。ありがとうございました!

・講演会、勉強会がございましたらぜひお知らせください。有料であることは承知しておりますので、それでもぜひぜひ学びたいです。

・ビジネスプランを考える上でとても参考になる内容でした。

・今までマーケティングは市場を知ることだけだと思ってましたが発信をする上では、まず自分の価値観を固めることが大切だと改めて気づきました。

・一見、林業とマーケティングというと、あまり関連性が無いように捉えられがちですが、今回のような話を聞くことで、物事の見方が変わってくると思います。大変刺激になりました。

・自分が選ぶ基準と自分が売るときの基準の無意識な違いに気づかされました。

===

この日の学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立てたら嬉しいです。

 

マーケティングはもちろん、財務や人材採用など広く経営に関してであったり、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 木曜日 8月 10, 2023 Under — 地域ブランド工務店, — 選ばれる製材メーカー, お知らせ, セミナー報告, 講演&研修 報告

涼しく過ごしやすい時間帯が多くなり、秋本番を間近に感じる10月12日(火)。

 

大阪木材仲買協同組合と大阪木材青年経営者協議会からのご依頼により、弊社代表の古川が講演をさせていただきました。

 

大阪木材仲買協同組合と大阪木材青年経営者協議会が昭和49年から今年まで47年継続して協同開催している「教育情報講座」。今年度の講座テーマには「新たな自社価値」が掲げられ、ポストコロナ、ポストウッドショックの世界での事業活性化の契機にしていくことが狙いにあります。

そのため今回の古川の講演は「ウッドショックに負けない 我社のブランドづくり」と題し、受講者の皆さんに自社ブランディングに向けて必要な思考や行動について、約90分熱くお伝えしました。

 

実は古川が大阪木材青年経営者協議会主催の講演会に登壇するのは11年ぶり。

冒頭の挨拶では、古川が当時の会長、担当者には大変お世話になったこと、そして受講者から「大阪の笑いを覚えてこい!(古川は東京育ち)」と愛のある叱咤激励をいただいたという思い出話がありました。

 

開催形式はリアル会場(大阪木材仲買会館)とZoom併用。

リアルの会場では席数を減らすなどして、新型コロナウイルス感染拡大予防対策を万全にして臨みました。

当日は、大阪府内の製材業者をはじめ、工務店、設計士などの木材加工、利用に関わる方々がリアル会場で24名、Zoomで37名の合計61名が受講されました。

 

講座の概要、全体図

今回の講座は、企業をブランディングするにあたり3つの段階「価値観」「位置」「創造」があり、それらの重要性と関係性についてお伝えしました。

弊社メソッドの根幹である「5つの価値観」「情熱方程式」といったマインド面と、林業における理念と利益のリアルな数字面(市場規模)をお伝えしつつ、マーケティングのフレーム、全国のブランド化事例への展開、随時クイズや質問を交えることで、受講者が自分事化することを重要視した内容、形式で進めて参りました。

 

また今回も、Googleフォームによるアンケートを行いました。

マーケティングの認知度、重要度、期待感、現在の業績状況等について、その場で回答(グラフ)をお示しし、参加者がご自身の「位置」を確認しながら学ぶことができるような構成にし、またデジタルツールを活用するメリットについてもお伝えしました。

 

 

問1と問2では、講義前に確認しておきたい参加者のマーケティング(ブランド化)への意識について質問。

問1ではマーケティング(ブランド化)の知識について55.9%の方が「何となくしか知らない」、17.6%の方が「全くわからない」と回答。

しかし問2ではマーケティング(ブランド化)の重要性について82.4%の方が「重要だと思っている」と回答。この2つの質問の回答から、受講者の方々のマーケティングを学ぶ意欲がいかに高いか、ということが伺えます。

 

 

また問4と問5では事業の状況や今後について。

問4では最近の事業の近況について32.4%の方が回答した「増収増益」に注目。ウッドショックを利益向上の機会として生かしているのでしょう。

問5の今後の方向性については半数近くの44.1%の方が「拡大志向」と回答されたことに驚き。SDGsや脱炭素など世間での環境問題への意識が高まる今の状況は木材業界にとって追い風。業界を盛り上げていく上で積極的姿勢の方が多いのはとても心強いことです。

 

価値観

価値観では弊社メソッド「5つの価値観」と、川上から川下までを見据える「トータル林業」の2つをお伝えさせていただきました。

 

前者の「5つの価値観」とは、古川が自身の原体験から感じた、考えたことを軸にできた弊社メソッドの根幹と言えるものです。「5つの価値観」は「源」「時間観」「土地観」「経済観」「仲間観」から構成されます。具体的には例えば、源≒原体験、時間観は長期軸と短期軸、土地観は都市か農村(地方)か、経済観は理念と利益、仲間観は地元組か進学組かというように、それぞれ類似・対比・因果の関係で自己や企業を整理する際に有効です。

 

価値観が理念を規定する。その理念が経営を規定し、そして組織を動かすのです。この「5つの価値観」は、会社のビジョン(展望)を整理するための「理念設計」の際にも有効なフレームですので、自社(自身)の理念の言語化の為にも、受講者の皆様には活用いただきたいところです。

 

後者の「トータル林業」とは、木材利用の一工程(業種)だけに留まらず、木材利用バリューチェーン全体(「植林・育林・伐採」→「素材」→「部材」→「消費財」→「空間」→「ライフスタイル」)を俯瞰し、その繋がりを直観的に表現した概念です。

 

「トータル林業」の概念を持つことで、川上から川下までの繋がりを把握することはもちろん、バリューチェーン内での自社の役割や新たな可能性を見直すことになり、それによって確かな自社の値価値見直しや新規事業展開を検討することが可能になります。

 

位置

位置ではマーケティングフレームを4つ(「5フォース」「3C」「B2C 消費の3要素」「B2B 法人営業方程式」)ご紹介しました。

 

「5フォース」とは、自社がさらされている脅威(フォース)を5つに分類し、それぞれを分析することで、業界の収益構造を明らかにするとともに、自社の競争優位性を探ることを目的としたフレームです。5フォース分析を活用することで業界の動向や周囲の脅威を読み誤りを回避し、自社にとって適切な取り組みが何かを把握することが可能になります。

 

「3C」とはCompany(自社)、Competitor(他社)、Customer(顧客)の関係性を整理することで、自社の強み(弱み)を把握し、業界内の競争で自社が優位に立つことが可能な位置、領域を明確化することを目的としたフレームです。他社との比較や顧客のニーズを自社に照らし合わせることで、客観的に自社を分析することが可能になります。

 

「B2C 消費の3要素」とは、商品の消費価値を「必要性」「欲求性」「物語性」の3要素に分解し、それぞれの要素をどの程度有しているかを分析することが目的のフレームです。商品が消費のどの要素を満たしているか(欠けているか)を知ることで、商品のPRポイントや届けたい顧客を明確にすることが可能になります。

 

「B2B 法人営業方程式」とは、「品質・価格・納期」×「情報発信」×「使い方提案」×「儲け方提案」の4つで構成され、顧客の視点でのメリットを考えることを考えることを目的としたフレームです。自社商品の客観視し、商品自体だけでなく付加価値を見出すことが可能になります。

 

これらマーケティングフレームは自社がどの領域に位置し、その中でどのような強みを持っているかを把握する上で有効なツールです。

受講者の皆様には是非これらのフレームワークを通して自社の強みを発見し、ブランディングに向けての第一歩を踏み出していただけると幸いです。

 

創造

創造では理念の細分化と利益の管理を両立する重要性についてお伝えしました。

 

企業理念といえばコーポレートメッセージが想起されやすいですが、理念は1つのスローガンに留まらず「ヴィジョン」「ミッション」「ポリシー」等に細かく分解することができます。

それにより企業理念がどこで何を目指すのかを明確にすることができ、具体的に日々の業務で起こすべきアクションまで掘り下げることが可能になります。

 

利益の管理とは具体的には「管理会計」を指し、売上、粗利、自己資本比率といったお金の動きを把握、管理を徹底し、理念経営を進めるために有効な予算活用方法を考える上で必要不可欠なものです。

目先の利益に惑わされずに長期的な理念を実現するためにも、理念から逆算した管理会計の見直しを、受講者の皆さんには改めて実践していただけると幸いです。

 

全国の事例

過去に当社がコンサルティング支援で携わった、現在地域で躍動するいくつかの企業、組織をご紹介させていただきました。斜陽産業と呼ばれ、課題も少なくない林業、木材業界ですが、確かな理念を掲げて利益を上げ地域に貢献する企業は少なくありません。

また業界内に留まらず、異業種の事例を見ることも、自社のブランディングについて考える上でとても良い参考になりますので、是非アンテナを広げていただけたらと思います。

 

参加者の声

【A様】

講師の方がとても木材業界に愛があり、マーケティングや経営について話されていることがとても分かりやすかった。

 

【B様】

木材のブランドづくりは世の中ではまだまだこれからで、チームで作っていくなど、講師の方の思いが伝わる講演で勉強になった。

 

【C様】

マーケティングについて、5 フォース分析、3C 分析などの重要性を理解することができた。

 

【D様】

ビジョンを持ち、夢の実現に向けて情熱をもって仕事に取り組むことが大切だと学んだ。

 

【E様】

自社の価値をもう一度見直し、見直すところはたくさんあるのではないかと考えるきっかけになった。

 

最後に

 

ブログでは抜粋してまとめましたが、上記以外にもたくさんのことをお話しさせていただきました。

 

古川にとって大阪とは、会社のオフィスを構える土地であり、かつ吉野、伊勢、高野といった歴史ある地域が集う紀伊半島の帰結点であることから、大阪への想いには強いものがあります。また講演内で何度もお伝えしたように、林業、木材業界の視点から見ても、北山や吉野といった歴史ある林業地との交流が古くからあり、今も昔も「木材流通・加工・消費の地域」として大阪は重要な役割を担っています。

 

そのような大阪でご活躍される皆さまが、この講座内容を自分事化し、新しい企業価値の創造やブランディングに繋がれば、これほど嬉しいことはありません。講義終盤にご紹介した「自社の価値(ブランド)リスト」の7つを実践され、より良い仕事と企業づくりをされていくことを願っています。

 

コロナの状況に気を付けながらにはなりますが、大阪の皆様と交流し、共に明日の大阪の木材業界の未来を考えていけたら幸いです。

 

講演のご相談等は、お問合せフォームからお受けしています。

ご希望の時期や内容について、お問合せフォームからご連絡いただければ幸いです。

過去の講演実績は以下のURLからご覧いただけますので、併せてご参考ください。

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 10月 22, 2021 Under pick up, すべての記事, 未分類, 講演&研修 報告

 

朝と夜には涼しい風が吹き、秋の訪れを感じる9月10日(金)。

 

三重県林業研究所様からのご依頼により、3年連続で弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

 

今回もみえ森林・林業アカデミー(三重・林業大学校)の「ディレクター育成コース」「マネージャー育成コース」の両コース受講生(約20名程)を対象に「林業マーケティング 概要と実践」というテーマでの講義。近年、全国各地で開校されている林業大学校のうち、「みえ森林・林業アカデミー」は3年前(2019年)に開校された社会人(現場経験者や異業種の方)向けの大学校です。

 

日本林業屈指の歴史在る三重県の林業界を強化すべく、法律、技術、マネジメント、マーケティングにおいて林業界で著名な講師陣が多数登壇し、仕事に即生かせる実践的なカリキュラムが組まれています。

 

そのような攻めの姿勢と高いプロ意識が感じられる大学校での講義。

 

当日は、森林組合職員、林業・木材事業関係者をはじめ、観光や福祉関係の経営者や個人事業主など、森林を生かしたビジネスを展開したい異業種の方までを含めた16名が受講されました。

新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、Zoomを使ったオンライン開催でしたが、画面越しにも受講者の方々の熱意が伝わってきました。

 

 

講座の概要、全体図

 

今回の講義は、単にマーケティングの知識や技術をお伝えするのではなく、林業に足りないのは「ビジョン(展望)」と「マーケット(顧客)」の2つであるとお伝えし、そこから各項目へと紐解いていきました。弊社メソッドの根幹である「5つの価値観」「情熱方程式」といったマインド面と、林業における理念と利益のリアルな数字面(市場規模や多面的機能の数値化)をお伝えしつつ、マーケティングの基本をクイズ形式で抑えながら、全国の事例を展開し、ワークセッション(Zoomのブレイクアウトルーム)を交えて自分事化することを重要視した内容にしました。

最後に、自分事化したことに取り組んでいくための「目標設計」と「明日からできること」によって講座をまとめさせていただきました。

 

なお今回は、Googleフォームによるアンケートを行いました。

マーケティングの認知度、重要度、期待感、現在の業績状況等について、その場で回答(グラフ)をお示しし、参加者がご自身の「位置」を確認しながら学ぶことができるような構成にしました。

 

 

最初の2つの質問項目では、講義前に確認しておきたい参加者のマーケティングへの意識について質問。

問1ではマーケティングの知識について50%の方が「何となくしか知らない」18.8%の方が「全くわからない」と回答。

しかし問2ではマーケティングの重要性について87.5%の方が「重要だと思っている」と回答。この2つの質問の回答から、受講者の方々のマーケティングを学ぶ意欲がいかに高いか、ということが伺えます。

 

 

次の質問項目2つでは事業の状況や今後について。

問3では最近の事業の近況について31.8%の方が回答した「増収増益」に注目。ウッドショックをチャンスに変えられているのでしょう。

そして問4の今後の方向性について「縮小計画」の回答がゼロでまたも驚き。計画的な撤退やM&A、事業承継、分割統合など、今後、当業界の課題テーマは多数ありますが、積極的な姿勢の方々が多いことは、業界を盛り上げていく上でとても心強いことです。

 

 

5つの価値観

講義内でご紹介の弊社メソッド「5つの価値観」とは、古川が自身の原体験から感じた、考えたことを軸にできた弊社メソッドの根幹と言えるものです。「5つの価値観」は「源」「時間観」「土地観」「経済観」「仲間観」から構成されます。具体的には例えば、源≒原体験、時間観は長期軸と短期軸、土地観は都市か農村(地方)か、経済観は理念と利益、仲間観は地元組か進学組かというように、それぞれ類似・対比・因果の関係で自己や企業を整理する際に有効です。

価値観が理念を規定する。その理念が経営を規定し、そして組織を動かすのです。この「5つの価値観」は、会社のビジョン(展望)を整理するための「理念設計」の際にも有効なフレームですので、自社(自身)の理念の言語化の為にも、受講者の皆様には活用いただきたいところです。

 

 

マーケティング

マーケティング編では、前半に「マーケティングの概論」「林業とマーケティング」と概念的なテーマを、後半には実践的なテーマで講義を展開していきました。後半はクイズやディスカッション交えた古川と受講者が共に考えていくスタイル。弊社のマーケティングフレーム「3C」「消費の3要素」「地と図」をご紹介しました。

 

「3C」では自社と競合、顧客の3者の関係性から見出す戦い方について、「消費の3要素」では商品消費の3つの段階(レベル)とそれぞれの違いについて、「地と図」では繰り返す流行と廃りの中で効果的に目立つ重要性についてお伝えしました。

 

また、これらは主に、B2C(一般消費者を顧客にするビジネス)で必要な考え方です。

 

もう一つ、B2B(法人を顧客にするビジネス)では、法人営業方程式というフレームをレクチャー。こちらもクイズ形式で、“なぜ自分の会社が選ばれるのか?“という視点を5つに分けて整理することで、自社の強みが浮き彫りになります。

 

シンプルですが、どれも、物事や状況について整理して考えるのにとても役立つフレームです。なお、Zoomのブレイクアウトルームセッションでは、2~3名が一部屋となり、これらのマーケティングレッスンをヒントに、自社の強み(特徴)をPRし、ディスカションする時間を設けました。是非受講者の皆様にはフレームでご自身のお仕事を分析し、事業に活かしていただきたいところです。

 

 

全国の事例

過去に当社がコンサルティング支援で携わった、現在地域で躍動するいくつかの企業、組織をご紹介させていただきました。斜陽産業と呼ばれ、課題も少なくない林業業界ですが、実は全国各地で輝く林業事業体はあります。

苦しい時期が続きますが、先人から受け継いだ豊かな恵みを活かし、将来に繋いでいくために、今私たちにできることはなにか。強い理念と実行力で、全国の仲間たちと共にこの業界を盛り上げていきたいところです。

 

 

参加者の声

【A様】

さすがは古川さん!とっても参考になりました。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

【B様】

幅広いお話でとても勉強になりました。これをご縁にまたお付き合いさせていただければ幸いです。ありがとうございました。

 

【C様】

アフターコロナで社会の考えが変わっていている中、山を使ってできることは沢山あるのではないかと思いますが、具体的にことを進めることが出来ていません。今がチャンスだと思っているのですが自分になにができるのか、仲間とともに計画を立て、実行していきたいと思います。

 

【D様】

「マーケティング」×「林業」、様々な視点や思考で、大変勉強になりました。自分のやりたい!のヒントがたくさんありました。リアルでなかったことが、本当に本当に悔やまれますが・・・古川さんの引き込まれる話術で、楽しく受講させていただきました。ありがとうございました。”

 

【E様】

本日は、長時間の講義ありがとうございました。川上から川下までWin-Winな関係を作っていけるように頑張っていきます!

 

【F様】

林業の枠を超え、地域振興の可能性を感じました。モチベーションが上がりました。本当にありがとうございました。

 

 

最後に

皆さまがこの講義内容を自分事化し、日々のお仕事に活かしていただけたら、これほど嬉しいことはありません。講義終盤にご紹介した目標の期限と条件を明確する「目標設計」や、「明日から実践できること」の4つを実践されることで、より良い仕事をされていくことを願っています。

 

ブログでは抜粋してまとめましたが、上記以外にもたくさんのことをお話しさせていただきました。

 

全国47都道府県を仕事で訪問したことのある古川ですが、まだまだお会いできていない方々がたくさんいます。

コロナの状況に気を付けながらにはなりますが、皆様の地域にもお邪魔して交流し、共に明日の日本の未来を考えていけたら幸いです。

 

 

講演のご相談等は、お問合せフォームからお受けしています。

ご希望の時期や内容について、お問合せフォームからご連絡いただければ幸いです。

過去の講演実績は以下のURLからご覧いただけますので、併せてご参考ください。

 

講演依頼

Posted by wpmaster on 水曜日 9月 15, 2021 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

暖かな日も増え、春の訪れを感じる3月13日(土)、令和2年度第4回 大阪経営実践研究会を開催しました。

大阪では、3月1日から緊急事態宣言が解除されたものの、全国的にまだまだ脅威を感じさせられる状況下、感染防止対策をした会場にて開催、かつ前回(12月)に引き続き2回目のオンライン併催となりました。

 

 

まずは、参加者の皆さんからの1分間スピーチ(近況報告)からスタート。
前回ご参加の方は既に慣れたご様子、初めての方は苦戦されながらも簡潔に話題をまとめていただき、会場とオンライン併催ながらもスムーズに研究会に入ることができました。

 

今回は「デジタル、リアル、心の時代-オンライン情報発信、価値観、知財とブランド、守るべきものは-」ということで、以下、概要をご報告いたします。

 

古川ちいきの総研講座①[トータル林業・ちいきのメソッド(基本編)]

弊社では、これまでのコンサルティング実績や各種事例のルール化をした「ちいきのメソッド」なるものがあります。これまで数十のメソッドを整理してきましたが、今回は基本となる内容、特に理念反響型マーケティングについて代表の古川よりお話した後、2月より弊社インターン生として活動している石黒より5つの価値観を発表しました。

 

理念反響型マーケティング:

まず皆さんは「営業力」とは何かと聞かれると、何を思い浮かべるでしょうか。様々な考えや答えがあるかと思いますが、1つ、簡潔に答えるのであれば「あなたからしか買いたくない」と思わせる信頼力です。結果、価格交渉力を避けさせる力に繋がります。理念設計から始まり、マーケティング、セーリング、クロージングという流れを「営業をしない営業」(プル型営業)によって完結させるのが理念反響型マーケティングです。当日は、具体的な内容やプル型営業の3フェーズについてを振り返りました。

 

5つの価値観:

今回ご紹介のメソッドの2つ目である「5つの価値観」については、インターンの石黒が実際に経験したこと、原体験から感じていることを軸にお伝えしました。まず5つの価値観というのは、「源」「時間観」「土地観」「経済観」「キャリア観」からなります。具体的には例えば、源≒原体験、時間観は長期軸と短期軸、土地観は都市か農村(地方)か、経済観は理念と利益、キャリア観は大企業か中小企業かというようにそれぞれ類似・対比・因果の関係で自己や企業を整理する際に有効です。先に説明した理念反響型マーケティングにおける、「理念設計」をする際にも有効なフレームですので、是非参加者の皆様には活用いただきたいところです。

 

 

古川ちいきの総研講座②[コロナとは何だったのか。~デジタルとリアルのハザマ~]

まず、デジタルであっても、リアルであっても、先にご説明をした「5つの価値観」に立ち返るということがまず重要なことではあります。コロナ禍においてはオンラインセミナーや動画ツール等のデジタル需要は特に増えたことは事実ですので、オンラインを活用してリアルと繋げる取り組みは有効な手法であることは違いありません。

しかし、ハードルの高いデジタル活用を目指す必要は少なく、まずはZoomで録画したメッセージを既存顧客に向けて限定公開で発信するなど、ちょっとした動画を作るだけで十分なことも多くあります。やはり、本当の喜びや感動はリアルから感じられることが多いので、リアルへと誘う手段としてオンラインを活用する、というのが重要です。

 

 

ゲストスピーチ[デザイン知財とブランドインテグリティの考え方(ビジネス法務とは何か)]

ゲストスピーカーとして弊社の法務パートナーとしてお世話になっている、株式会社トビムシの小林様をお招きして、知財とブランドインテグリティについてお話をいただきました。

まず、知財についての専門的なお話をいただく前に、小林様のこれまでのご経歴・経験を絡めたこれからの時代で重要な価値観や動向をお話いただきました。その後、デザイン知財に係る3つの法律、著作物を調べる具体的な方法等を教えていただき、参加者の皆さまが抱える課題に対してディスカッションにより内容を深化しました。

ビジネス環境や市場、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難になっている、いわゆる「VUCA(ブーカ)時代」においては、コンプライアンスよ以上にインテグリティが重要になること、さらに法務による対処はテクニックであり、最も重要なことは核となる「理念」を持ち理念に沿った事業活動を進めることという説得力のあるお話が大変印象的でした。

 

 

参加者の声(一部抜粋・編集)

【A様】

古川メソッドの基本編については初心にかえる意味でも繰り返しやりたいので良いと思います。また、最近は理念や経営の考え方の部分を表現した方が利益に繋がりやすいと感じており、理念に基づいた行動やイベント、商品が具現化されていると、顧客の購買意欲が湧くような気がしています。

 

【B様】

久しぶりに参加させていただきました。リモート参加でしたが、皆さんのお顔がみえて良かったです。企業PRの方法・知財管理・与信管理と経営には普遍的な内容でしたが、時流にそった内容で興味深く受講できました。
また、インターン生のプレゼンが、5つの価値観を使って整理されておりしっかりと伝わってきたことが印象的で、自己紹介には必須のメゾッドと再確認できました。

 

【C様】

push型・pull型営業についてが印象に残りました。過去に営業で得意先を回った際、何度か「Cさんはゴリゴリ営業してこないから安心」と聞いたことがありました。自分では衰退期真っ盛りの事業についてはゴリゴリ営業したからといって、得意先が必要ないものまで買ってくれることはないし、逆に自分が営業を受ける立場で考えた場合心苦しくなると思うのでゴリゴリしてきませんでしたが、今回の講座で安定期・衰退期の場合はpull型で間違っていなかったことが認識できました。
商品だけでなく、研究会で得た様々な情報・知識を得意先に提供して信頼を得ていきたいと思います。いつもありがとうございます!

 

【D様】(初参加)
木材・林業関係者にもかかわらず、参加者の皆さんがネガティブ雰囲気まったくないのが素敵でした。

1分間スピーチについては、事前にネタを作っていたら、良かったと思いました。インターン生の発表にあった「オンラインは予告」という言葉等ところどころで印象に残るフレーズがありました。

 

 

最後に

オンライン参加も多かった今回ですが、今回も大いに盛り上がった研究会となりました。経営において普遍的な内容から、専門的な内容まで広くカバーされた充実した内容の4時間半となったのではないかと自負しております。

参加された皆様が、学んだことを一つでもジブンゴト化し、実行へと移していただけると大変嬉しく思います。

 

今年度は今回で終了ですが、来年度も研究会は継続予定です。

来年度の第1回研究会は、5月29日(土)に開催予定ですが、詳細は決まり次第このホームページ内「大阪・経営実践研究会[国産材ビジネススクール]」にてお知らせいたします。

次回もお楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 3月 13, 2021 Under pick up, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

今年の4月に予定していた、本視察会。

コロナウイルスの影響で延期となり、ようやく10月3日~5日の2泊3日の日程で、

コロナウイルス感染対策をしながらの開催が叶いました。

 

2009年の岐阜恵那での現地視察を皮切りに、

今回は12回目、弊社主催の研究会に長くご参加いただいている、有限会社藤川工務店代表取締役/ばうむ合同会社代表社員の藤川様にアテンドいただきながら、高知本山にて開催しました。

 

今回のテーマは、「まちづくりは、林業だ。立木価値から不動産価値への転換で、真の複業時代の突入へ。-世帯年収800万円への成功方程式-」ということで、現地の自然資源や仕掛け人に出会いながら、森林・林業からまちづくりまでを学ぶ2泊3日となりました。

 

 

今回のメニュー

【1日目】

①白髪山トレッキング

②セミナー

【2日目】

①レイホク木材工業協同組合見学

②ばうむ合同会社(本山蒸留所)見学

③さめうら荘・早明浦ダム見学

④クラインガルデン本山見学

⑤セミナー

【3日目】

①行川(なめかわ)散策

②ばうむ合同会社(木材加工所)見学

③高知おおとよ製材株式会社見学

④大杉見学

 

それでは、今回の現地視察会の様子を一部ご紹介していきます。

 

 

白髪山トレッキング

 

今回、12回目の現地視察にして初めてトレッキングをメニューに取り入れ、その初めては、全国的にはあまり知られていない、日本の秘境たるべく天然ヒノキの巨樹群へといざないました。

高知県屈指の天然ヒノキ林が残り、高知県天然記念物にも指定されている、「八反奈路(はったんなろ)」。標高1000m以上の山の中にある、八反ほどの奈路(この地域の言葉で、傾斜が緩やかな山を意味する)ということから名づけられたエリアです。

ここでは、古い切り株や岩の上に自生し、800年の年月を生き続け、元々の岩や切り株の後が空洞となっている「根下がりヒノキ」が見どころです。また、現在登録されている根下がりヒノキは33本あり、その1本1本にユニークな名前が付けられています。その中には、『くぐり一番』『太い枝張り』『しこをふむ』といった見た目のカタチから由来されたネーミングもあれば、『輪廻転生』『なぜ曲がったのか?』という、見た者が考えさせるような哲学的な名前もあり、地元の方が名付けたといわれたこのネーミングそのものも楽しみながらトレッキングを進めていきました。

 

また、かつては土佐藩が大阪にて白髪山周辺のヒノキを販売し、逼迫した財政を立て直し、さらに大阪に日本で初めての木材市場を開設したという逸話もあり、今でも大阪市内の白髪橋交差点など地名が残っています。

 

 

開けた場所で、今回アテンドいただいた藤川様が代表を務めるばうむ合同会社の食品加工部が手作りしたお弁当を参加者の皆さまと食べながら休憩。蒸留所見学の部分で後述しますが、お米日本一コンテストでこれまで2度日本一に輝いたブランド米「土佐天空の郷」を特別にいれていただきました。冷めてもなお美味しいブランド米、さらに自然の中で食べるご飯は格別の味となりました。

 

今回は休憩を含め4時間ほどでトレッキングしましたが、八反奈路(はったんなろ)がある白髪山の頂上へ向かう登山道や、縦走コースなど複数のコースも存在し、頂上からの景色もまた美しいということでしたので是非機会を見つけて複数回訪れたい山でした。また、屋久島、高野山等の巨樹の群生地をこれまで歩いた経験のある参加者の方も、この地を絶賛し、皆様に楽しんでいただけた様子でした。

 

 

ばうむ合同会社(本山蒸留所・木材加工所)見学

 

ばうむ合同会社様の工場見学は、2日目に本山蒸留所、3日目に木材加工所を訪問しました。

まず2日目の本山蒸留所。廃校の体育館を利用し蒸留施設を設置、年間約3tの焼酎が誕生しています。

 

そしてこちらでは、財団法人本山農業公社の和田様に、焼酎の原料にもなっているブランド米「土佐天空の郷」生産に係る取組をご紹介いただきました。

本山町では、水田地の約9割が棚田ということで、どうしても他の産地と比べると生産性は劣りますが、棚田ならではの寒暖差のある気候や、玄米の選別の際に国の基準より大きな粒を厳選するなどの品質管理をすることで質の高い米を生産しています。

 

2009年から販売している「土佐天空の郷」はお米日本一コンテストにおいて、これまで2度の日本一を受賞しており、地域に誇れるブランド米は現在35組の農家によって生産されています。

 

 

 

日本一の受賞をしたブランド米ですが、もちろん中には選別の際にふるいにかけられ落ちた米が出てきます。これを活用してつくられるのが、焼酎ということです。面白いことに、この焼酎の名前も「天空の郷」。炊飯米のブランド名というだけではなく、本山の米を原料とした商品を象徴する名前として「天空の郷」の利用をブランド協議会で許可することで、本山全体でのPR効果へと繋げているようでした。

また、最近は6次産業化の動きとして、玄米・白米の出荷だけではなく、おにぎりを作り販売することで少しでも多くの利益を農家に還元できるような仕組み作りを目指しているとのことでした。

 

 

クラインガルデン本山見学

 

2日目の午後には、クラインガルデン本山を訪問。美しい棚田の風景を望むことができる斜面に、10戸の住居があります。ところで皆さんは、「クラインガルデン」とは何か、ご存知でしょうか。

もともとはドイツで数百年の歴史を持つ農地の賃借制度のことを差し、日本語では「滞在型市民農園」とも言われており、全国に複数箇所存在します。要するに賃貸住宅に+農地がセットでついてきますよ、ということですね。クラインガルデン本山でも、各住居の庭先に小さな菜園スペースが設置されています。

 

 

移住定住促進の一環で、2013年4月に設置され、現在は空き家が出るとほどなく入居者が決まるほどの人気だそうです。

当日は短い時間でしたが、管理人を務める加藤様にもお話を伺うこともできました。

加藤様も元々は東京都出身、ご家族の健康のため約半年をかけて全国100自治体を巡り、環境や当時の移住担当者の対応の良さから、2006年に本山町へ移住されたとのこと。

クラインガルデン本山以外にも、ここ数年で町内のシェアハウスにも移住者が増えているとのこと。「最も美しい村連合」の認定を受けているということで自然環境が良いことはもちろんですが、四国のほぼ中央に位置する立地、さらにはなんといっても移住者相談の受入態勢や人の魅力に惹かれて移住を決める人が多いのではないかと考えさせられる訪問となりました。

 

 

2日間のセミナー

 

1日目と2日目の夕方には、モンベルアウトドアヴィレッジ本山内にある研修施設でセミナーを行いました。

1日目夕方には、山村ビジネス協議会の取組について本山町役場の大西様、山番LLPの取組について川端様をゲストにお話をいただきました。本山町では、林業事業体、製材・加工、工務店、行政がワンチームとなり町内産の原木単価をあげて製品として出荷するシステムを構築しています。このチームが山村ビジネス協議会であり、林業事業を担当するのが山番LLPとなります。

今回山番LLPについてご説明いただいた川端様は、8年前に本山町に来た移住者であり、現在は山番LLPを退社し独立をされていますが、山番LLP創立初期から携わり、事業を動かしてきた方です。

具体的な事業のお話を伺うと、まず前提として、山村ビジネス協議会にて、本山町の規模として大規模林業が合わないと判断した結果、少量生産であっても、木材の単価を上げる方法を試行錯誤されてきたとのことでした。

その結果、伐採をするのは伐り旬のみ。伐採後はばうむ合同会社の工場に直接搬送し、伐採を行わない時期に、工場に設置した簡易製材機を使い林業事業者が製材をすることでばうむ合同会社の小物製品用として、原木、一次製品どちらでも全量買取することで林業事業者の所得を向上させる仕組みを作っています。

また、詳細は省略させていただきますが、山主ファンドの取組により、所有者に森林=不動産としての価値を見出してもらうことで継続的に森林施業を行うことが出来る素地を創り上げているというお話が印象的でした。

 

 

2日目には、モンベルアウトドアヴィレッジ本山店長の山中氏、ばうむ合同会社の藤川氏、弊社代表古川が中心にお話をさせていただきました。

今回、食事、宿泊、研修施設の全てでお世話になったモンベルアウトドアヴィレッジ本山。そもそもなぜ本山町にモンベルの複合施設としては全国でも屈指の規模の施設が出来る事になったのか、店長の山中様ご自身のエピソードも合わせながらお話をいただきました。

20年前にモンベル会長の辰野氏との繋がりが本山町としてあり、アウトドアを観光に活かせないかという構想があった中、本山町周辺には徳島県三好市のラフティングなど、有名な施設や環境がある中、「ファミリー層」にターゲットを置いた際に、本山町のアウトドアフィールドの豊富さが素晴らしいということが決めてであったそうです。ご説明いただいた山中店長は10年前にモンベルに入社し、当初は香川県内のショップに勤務していたということですが、4年前に本山町に移住、昨年からは店長ということで、入社以来四国のアウトドアを見つめてきた中でも素晴らしい場所だということで、今後は本山を起点に、より四国全体のアウトドアを盛り上げていきたいとお話をいただきました。

 

ばうむ合同会社代表の藤川氏からは、 民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設等の設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法であるPFI事業についての挑戦をお話しいただきました。PFI事業は、町が主体ではなく、計画立案から実施までを住民主体で行う公共事業としてまちづくりにおいてより住民の声を反映させることが出来る他、仕組みとして地方銀行も支援しやすい手法があるため、是非参加者の皆様の地域でも挑戦いただきたいということでした。

=== === ===

注)PFIとは、公共事業を実施するための手法の一つで、もともとは、1990年代前半に英国で生まれた手法です。官民が協同して、効率的かつ効果的に質の高い公共サービス提供を実現するというPPP(Public-Private-Partnership:官民の連携)の概念から来るもので、PFIはその手法の一つです。民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設等の設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法であり、あくまで地方公共団体が発注者となり、公共事業として行うものであり、JRやNTTのような民営化とは違います。
正式名称を、Private-Finance-Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)といい、頭文字をとってPFIと呼ばれています。

=== === ===

 

 

最後に、弊社代表古川よりプチセミナー。今回は、「林業まちづくり構想」に係る事業者視点、行政視点のポイントを整理し、如何にイノベーション(一人目のチャレンジャー、二人目のフォロワーの大切さ)を説きながら、ご自身の地域でただ視察先をまねるのではなく、オリジナリティとリアリティある未来づくりについてのヒントを提示しました。最終日は、視察を踏まえ皆さんに自社事業の将来を考えていただくた時間を多く作りたいということで、特製の曼荼羅シート(未来シート)をご提供し、皆さんに記入いただきディスカッションすることとさせていただきました。今回の視察終了後も、参加して終わりではなく、参加した後にしっかりと形に残せるようにと、課題の共有も含め、今後のご提案をさせていただきました。

 

 

製材・木材加工現場見学(ばうむ合同会社 木材加工部、レイホク木材工業協同組合様、高知おおとよ製材株式会社)

 

1日目のセミナーで紹介した山番LLPとばうむ合同会社による林業の6次産業化に係る事業が実際行われている、ばうむ合同会社の木材加工部の工場を3日目に見学しました。セミナーでゆっくりとお話を聞き、その後に参加者自らの目で現場を見てもらうことで、よりリアルに実現可能性とご自身の地域に落とし込んだ理解につながったのではないでしょうか。

 

 

また、小規模な工場だけではなく近隣のレイホク木材工業協同組合様、高知おおとよ製材株式会社様といった大規模製材工場までを見学することで地域における林業バリューチェーンを学ぶことができました。

 

 

大杉見学

 

3日目最終日、最後の訪問地は本山町のお隣、大豊町の八坂神社境内にある「杉の大杉」(国の特別天然記念物)。

なんと推定樹齢約3000年、樹高は約60m、2つの株が根本でくっついて伸びています。一目見た瞬間から言葉を失うほどの迫力を見せつけられます。そして、この場所は多くの人が願掛けに来るパワースポットとしても有名です。かつて、美空ひばりさんがこの大杉に「日本一の歌手になれますように」と願をかけ、実際日本一の歌手になった逸話があることから有名となりました。そこから、この大杉には「出世杉」の異名もつけられています。

 

 

境内の近くには「川の流れのように」の歌碑があり、奥山がきれいに見える開けた景色を眺めながら、美空ひばりさんの美しい歌声を聞きながら、ゆったりと心を落ち着けることもできます。

すばらしいパワースポットにて、参加者皆さんそれぞれが願掛けをし、今回の現地視察はフィナーレ。

最後にふさわしいスポットでした。

 

 

参加者の声

A様

ずっと都心にいたので白髪山のトレッキングは非常に新鮮で心が洗われました。 また、多方面でご活躍されている業界内の方々とお話ができ、多角的な視点を養うことが出来たと感じています。 一方で林業業界における強い課題感として、既存の仕組みや風習が根強く残っていることを感じました。

レガシーな産業だからこそということもありますが、普段他業界にいる身からすると、世の人々があえて新規参入したがらない理由が非常に肌で感じました。今回のセミナーに参加されている方々も同様の課題感を感じている方々ではあると思うので、共に改善に務められたらと思います。

この度は非常に貴重な体験をさせて頂くことが出来ました。お忙しいにも関わらずこのような素晴らしい会を主催して下さり誠にありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。

 

B様

普段から知っている地域でありながら、今回初めて知ったことがたくさんあって勉強になりました。木材だけに特化せず、観光資源、農業、移住促進など含めた地域づくり全体を見ていただけるプログラムになっていたので、とても多角的な視点から本山町の魅力を再発見することができてありがたかったです。

 

C様

3日間、ありがとうございました。私にとって「古川ちいきの総研」で展開される事業(セミナーおよび視察の運営を含む)は全てが学びの場であり、次のステップへ踏み出す糧となるものです。今後も参加と学びと自分ごと化を続けます。

 

D様

今回はじめて参加させていただきましたが共通の知り合いがいたり新しい情報を得たりとてもいい時間を過ごさせていただきました。また、トレッキングをしてあらためて会社経営も登り調子の時よりも下り坂の時ほどしっかり足元をみないと滑って転ぶなと実感しました。これからもしっかり足元をみて進んでいけたらと思いました。今後もよろしくお願いいたします。

 

E様

今回の研修は、私がやって来た事を再認識し自分自身で見つめ直す事に主眼を置いていました。林業・製材関連の事業体だと、森林や木材関係を深く理解しようとする事業が多いと思いますが、私達は、まちづくりの為の林業とは何かの原点を模索しており、此れから深く掘り下げていくための初期段階の取組みに、多くの方が、共感してくれたのは、此れから事業をやっていく大きな力となりました。これからもよろしくお願いします。そして、有難うございました。

 

 

さいごに

改めて、延期となりながらも無事開催ができたこと、大変嬉しく思っています。ありがとうございました。

当日アテンドをしていただいた藤川様におかれましては、計画・準備段階から大変お世話になりました。最終日、大杉でのフィナーレにて、藤川様からは、これまでやってきたことが間違いでなかったことを確認できたこと、また参加いただいた皆さんと共にそれぞれの地域を盛り上げていきたいということ、大変嬉しいお言葉をいただきました。

本当に、ありがとうございました。

 

 

次回の現地視察は来年度に、開催予定です。

また、12月5日には大阪にて研究会を開催し、今回の研修会・今年度の振り返りをしながら、

今後の業界、自社の事業を参加者の皆さまと考える時間を作ります。

詳細は以下となります。

 

===R2年度第3回 大阪経営実践研究会===

<開催日時>

12月5日(土)14時~18時

(忘年会:18時半~、研究会会場近く)

 

<場所>

サムティフェイム新大阪 ホール2(2階)
住所:大阪市淀川区西中島6-5-3

 

<内容>

〇現地研修会(高知県嶺北地域)の振り返り
〇2020年振り返りと、10年後20年後の未来ディスカション
〇企業(起業)と林業まちづくり構想の理想と現実(古川講座)
〇その他、新進気鋭のデザイナーの外部講座 も予定しています。

 

<参加費>

16500円(税込)

※忘年会費は別途5000円(税込)

 

<参加申込先>

・株式会社古川ちいきの総合研究所

・Mail:info@chiikino.jp / TEL:06-7878-6376

上記メールアドレスまたはお電話にて、「参加者名」「連絡先」「忘年会の出欠」をご連絡ください。

=== === === === ===

 

それでは、皆さんのご参加を心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 10月 6, 2020 Under pick up, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

残暑厳しい令和元年9月4日(水)。

 

三重県様からのご依頼で講義をさせていただきました。

 

「みえ森林・林業アカデミー(三重・林業大学校)」の「ディレクター育成コース」「マネージャー育成コース」の両コース受講生を対象に「マーケティングとは?~これからの国産材マーケットの作り方~」というテーマでの講義。
弊社代表 古川がお話をさせていただきました。

 

10年前には全国で数校しかなかった林業大学校。
現在全国には20近くの学校があり、「林業大学校ブーム」ともいえる状況で、「みえ森林・林業アカデミー」はそのうち、今年度開校された新設の学校です。

 

特徴は、多くの林業大学校のように新規就業者に向けた学校ではなく、実際に仕事をしている社会人を対象に絞った大学校であるところ。
三重県の林業界を強化すべく組まれた、仕事に即生かせる実践的で豊富なカリキュラムが印象的です。

 

そのような積極的な攻めの姿勢が感じられる大学校での講義。
当日は、林業・木材関係者をはじめ、経営者や個人事業主など、23名の方が受講されました。

「理念なき利益は犯罪、理念なき利益は寝言」

 

古川の信条は「理念なき利益は犯罪、理念なき利益は寝言」

利益だけではより良い世界にならない、理念だけでは生きていけない。

 

現在、SDGsに対しての世間の動き、また地球温暖化を力強く訴えるスウェーデンの少女のニュースが話題になっていますが、経済と環境問題は他人事ではなく、自分事として、身近であり、地球規模でも大きなテーマです。

 

林業は多面的機能を発揮する。その理念があり、その理念に自社の経営に対して信条を強く持っておられる方が多いわけですが、この「理念と利益」を両立させるという信条を多くの林業・木材業者様とともに、実現するため、我々は日々、全国の実践事業者様と奮闘をしています。

 

大阪で隔月開催している経営実践研究会では常に、経営者の皆様とその実践内容と展開方法について熱くディスカッションが繰り広げられています。

 

この本日の切り口である「理念と利益」について、平成22年に実施した、木材業者の経営力調査結果もご紹介しながらご説明し、古川のこれまでの国産材への取り組みや、森林・林業・木材業の支援をする原点となった体験と、そこから得た価値観についてお話しした上で、講義のスタートです。

 

 

「働く悦びのマネジメント」と「理念訴求による人材採用」

 

「仕事をしていて嬉しかったことはなんですか?」

 

古川からの問いかけに、受講生の皆さまからの回答。

 

「お客さんから感謝の手紙をもらった。」

「作品が完成したときの達成感。」

「賞与が思った以上にたくさんもらえた。」

「仲間と協力して健闘した仕事がうまくいった。」

「提案した内容が評価された。」

「商品が思った以上に高く売れた。」

 

実は、ここから「5つの働く悦び」が読み取れます。

「5つの働く悦び」は古川が多くの会社を支援してきた中で、見出してフレーム化したものです。

 

仕事をしていく上では、この「5つの悦び」が満たされていることが仕事の満足度に繋がります。

すなわち、経営者としては、従業員の就業環境と人材定着を総合的に考える際の指標にもなるのです。

 

しかし、この「5つの働く悦び」を考える前に、実は大事なことがあります。

それは、「理念」。

「理念」を共有し、同じ方向を向いて一丸となって進んでいくことは、会社というチームが「利益」を生み出すためにも非常に重要な要素です。

 

「理念」とは「何を大事にしているか」ということ。

採用の際に「理念」のミスマッチングが少ないと、経営者・従業員の双方がwin-winの関係を築く基礎ができます。

 

「野球採用」を実施している人材派遣会社の「ユニークな事例」をはじめ、弊社クライアント企業様の「理念訴求戦略による優秀な人材の獲得と経営規模拡大事例」数例についてご紹介させていただきました。

 

これからの国産材マーケットのつくりかた

後半戦は、本題の「マーケティング」講座です。

 

まずは「あなたがホットドッグ屋台の経営者なら」という仮定の「ホットドッグクイズ」から、販促とは「売り物×売り方」であることを解説しました。

 

自社の強みを見出すフレームワーク「3C」についてもご説明しました。
「顧客のニーズ」×「自社の出来ること」×「競合他社の出来ないこと」について、ライバルとの差別化はまず「地域一番店になること」であるということもお伝えしました。

 

そして、例えば食品だとマーケットは以下のように変遷していくこともご説明しました。

 

「お腹を満たすものであれば売れる」→「おいしくないと売れない」→「おいしくても売れない」

 

「おいしくても売れない」という、現代。

 

木材もかつて、「どんな木材であっても、住宅をたくさん建てなければならないから売れる」という状況でした。

ですが、高い品質を求められるようになった今。
住宅着工戸数も減少の一途を辿っている。
この状況でどのようにマーケットを作り出していくか、ということを、改めて古川から皆さまに問いかけさせていただきました。

 

マーケットをつくりだす。
それには「顧客が購入に至るための要素は何か」を考えることは不可欠です。

 

「顧客が購入するための要素」とは、弊社マーケティング基礎フレームの1つ「消費の3要素」。
「必要性」「欲求性」「物語性」の3要素です。

この3要素について、広告の事例を使って解説をしました。
この3要素を考えるとき「顧客視点」を持つことが必須になります。
広告を見て「どちらを買いたいか」というのはわかるのに、売る側になると見えづらくなること、皆さま実感できたのではないでしょうか。

普段の生活の中では顧客であることも多いのに、不思議ですよね。

 

この「消費の3要素」は風船と同じで、ニーズや時代の価値観やマーケット状況によって3要素がそれぞれ膨らんだりしぼんだりするものです。
このように主流となるもの、流行がかたちを変えながらも時代の変遷やライフサイクルの中で循環することを、弊社マーケティングフレームを使って解説し、ニーズや潮流の動きを読みながらマーケットをつくりだす重要性をお伝えさせていただきました。

 

また、「モノ・コト・ヒト」消費とも言われる「マーケティング1.0~3.0」を基軸に、商品・サービスの事例をご紹介しながら、近年のマーケットニーズの傾向についても解説いたしました。

(皆さん真剣に聞いておられます。手前味噌ではありますが、古川の講演の参加者は寝ている人がおらず、熱心な方が多いのがいつも印象的です。)

 

ワークショップとまとめ ~ルール化し、自分事化へ~

最後は、全員参加のワークショップ。

4つのグループに分かれ、それぞれ指定された林業・木材関係の商品・サービスを売るのに「何があれば売れるか?」ということを、付箋を使ってアイデア出しをしたのち、本日ご紹介したフレームに基づき整理していただきました。

 

「アフターフォロー=売り方」「作家の個性=物語性」など、さっそくフレームが役に立ったようです。

古川の解説ののち、すべてのグループからアイデアとして出てきていた「QCD」についてご説明しました。

 

「QCD=品質Quality、価格Cost、納期Delivery」

 

商売の基本中の基本といえるものです。

 

「品質Qualityは顧客との約束」「価格Costは納得性、明朗性」「納期Deliveryは価格に反映させるべき」などの解説をしたあと、このQCDから会社信頼、個人信頼へと発展していく弊社マーケティングフレーム「BtoB法人営業方程式」についてご紹介しました。

 

実は、多くの方々が、こういったマーケティングフレームに合わせると「やるべくこと」がたくさん出てきて、結局のところ「ただやっていないだけ」、すなわち「やることがいっぱいある」さらに言えば「やることをやれば(やりたい理念に向けて)もっと儲かる!」という具体的アクションが出てくるものです。

 

冒頭でご紹介した、実は弊社が独自で行った「(林業/製材業)経営力チェック」アンケートの回答では、ここ数年の増収増益企業は回答事業者全体の1.5~2割ほどありました。どの業界も製造業、下請け業はつらい時代とはいえども、成功している事業者は、「当たり前のことを当たり前に行う力がある」と言い換えられるかもしれません。

 

古川ちいきの総合研究所としましては、「なぜ国産材が売れないのか」ではなく「2割の事業者はしっかり売れている」という人たちから、学び合い、高めあい、鼓舞しあえればと、あらゆるネットワークにアンテナを広げ続けていく所存です。

 

そして最後に、「BtoB営業である林業・木材業は、マーケティング基礎フレームから、BtoB法人営業方程式、さらにまだまだマーケットをつくりだす方法はある。まずは講義でお話ししたマーケティングフレームを使い、ご自身のお仕事を分析してルール化し、本日の学びを自分事化して活かしてほしい。」というメッセージをお伝えして、講義終了とさせていただきました。

 

受講された皆さまの声

 

【A様(林業会社)】

・納期によって価格を変えるべきというのは、その通りだと思いました。まずは交渉していきたいです。

 

【B様(製材業)】

自社は代理店方式で法人営業のため不要との判断でホームページを開設していませんでしたが、今回の講義で情報発信の必要性を感じました。

 

【C様(行政)】

「働く5つの喜び」を明示することで人材確保をするということが非常に参考になった。自分の担当する法人で人材定着が課題になっているので、この切り口で分析したい。

 

【D様(製材業、建設業)】

本日のフレームで自社の事業を再分析する必要があると感じた。商品は需要の多いニーズ(価値観、文化)に合わせる必要があるのかどうか、どのようにそれを掴むのか、ということも考えていきたい。

 

【E様(森林組合)】

原体験からの情熱方程式(情熱=好き×憤り)が価値観をつくるものということがヒントになった。会社としての理念が大事だということは納得性があり、もっと知りたいと思った。今は仕事をやっつけでしている部分もあるが、本日の学びを生かしてなんとかしたいと思う。情熱も再考し、毎日の仕事の支えにしたいと思う。

 

【F様(木材流通業)】

やれていないことがある!と気付きました。木材業・林業はポッと出ではできない仕事です。辞めたいとは思わないので「好き」なんだと再認識してもっと好きになり、その情熱で仕事に取り組んでいこうと思いました。先人の知恵を大事にして、数年後の創業100周年を迎えたいです。

 

【G様(森林組合)】

「あなたの来ている服の素材の産地はどこですか?答えられないのに、自分が木を売りたいときだけ三重県産と言っても説得力がない。」と言われ、ハッとした。ワークショップももっと掘り下げて自分事化したい。マーケティング手法はどの仕事にも共通して使えることで、講義全体が大変刺激的で気持ちがザワザワして、最高でした。

 

最後に

皆さまがこの講義内容を自分事化し、お仕事に、マネジメントに活かしていただけたら、これほどうれしいことはありません。

ブログでは抜粋してまとめましたが、上記以外にもたくさんのことをお話ししています。

 

全国47都道府県を仕事で訪問したことのある古川も、まだまだお会いできていない方々がたくさんいます。

是非、皆様のまちにもお邪魔して、お話しをさせていただければ、意見交換して未来をつくっていければと思っています。

 

講演のご相談等は、お問合せフォームからお受けしています。
ご希望の時期や内容について、お問合せフォームからご連絡いただければ幸いです。
過去の講演実績は以下のURLからご覧いただけますので、併せてご参考ください。

https://chiikino.jp/blog/?page_id=193

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 9月 4, 2019 Under すべての記事, 講演&研修 報告

移動中の高速道路で大粒の雨に降られましたが当日の目的地、新庄村に到着してみると雨もぴたっと止み所々晴れ間ものぞいて秋の気配を感じる爽やかな気候となった8月30日。

今年度第4回勉強会を開催しました。

 

(色づいた稲穂:8月も終わりに差し掛かり、新庄村特産のヒメノモチも収穫の時が近づいています。)

 

今回は前回の勉強会で皆さんとディスカッションを行い、詳細を詰めた本プロジェクトのロゴマークの仮決定版の発表と勉強会メンバーを中心に構成されるチームがこの先展開してゆく活動についてミニビジネスという観点からアイデア出しを行っていただきました。

 

勉強会の役割とは?

「勉強会」、各地や社内でもよく行われていることだと思いますが、皆様の中で勉強会というとどのようなものをイメージするでしょうか?

新庄村のように、地域の林業関連業者が集まり、その地域の森林林業の課題や現状を把握し将来どのような森づくりを行うか、共通理念を定め、その理念に向かって取組を進めていく場合、勉強会において以下の3つの機能(役割)を参加者の皆さまに活用いただきたいことをお伝えしました。

1.村での情報共有の場

2.お悩み相談の場

3.ビジネス提案の場

 

これまでも多くの地域をコーディネートさせていただいておりますが、地域内の同業者、隣接異業種の皆様は交流が深いと思いきやそうでもない、という地域は少なくありません。

また、地域内外からゲストを招き講座を行うことで他地域事例からの学びや自社経営の悩みについて相談(質問)機会を設けること、自社だけではできないことをチームで実施するビジネス提案を行う機会を設けることが勉強会では可能です。チームとしての以前に「個」の経営強化につなげることも勉強会にとって重要な要素です。

 

 

ついに、ロゴマーク完成。解禁間近!

昨年から、新庄村の森林ビジョンは何かということから、森林ビジョンを体現するためのチームの1つの顔ともいえるロゴマークについて参加者の皆さまとワークショップを重ねてきました。

更に、前回の勉強会からは、村内の道の駅のロゴデザイン作成や現在も村内のまちづくり事業に携わるデザイナーにご協力いただき、ロゴマーク及びビジョンのデザイン化をしていただいています。

 

今回の勉強会で、ロゴマークが確定し、今後はコンセプトブックの作成などに移っていきます!ということでロゴマークをお披露目したいところですが、解禁まで今しばらくお待ち下さい。

今回のロゴのポイントだけ、ご紹介すると

・汎用性を高くするフレキシブルデザイン

・村全体のブランディングに繋げられる(道の駅のロゴとの整合性等)

・新庄村の山、木、水がテーマになっていること

となります。コンセプトブックの紹介と同時にロゴマークも解禁される予定です。公開まで、お楽しみに!

 

 

チーム作りと情報発信体制~弊社事例をもとに~

今後本プロジェクトをチームとして展開していくにあたり、皆さんに具体的なイメージを持っていただくために弊社がコーディネートに携わる3地域の事例をお話しました。

1.長野松本:一般社団法人ソマミチ

2.岩手岩泉:岩泉の明日の林業をつくる会

3.愛知豊田:一般社団法人ウッディーラ豊田

 

これまでも弊社ブログやSNSでもご紹介してきた事例ですが、改めて今回勉強会の参加者の皆さまには具体的にどのように情報発信をしているか、理念と利益の体現のためにどのような活動/イベントをしているかを中心にご紹介しました。具体的な他地域事例があることで、今後の新庄村での活動がイメージしやすくなったのではないでしょうか?

次に参加者の皆さんからそれぞれが取り組まれているイベントについて情報共有をいただきました。各林業事業体様も子供向けのイベントであったり、林業機械の展示であったり村民や住民へ向けたイベントを毎年開催されていることがわかりました。

また、木工に取り組まれている方もおり、今月末に行われる新庄村のトレイルランニングの大会のメダルを作成しているとのことで、既に動いている魅力的な活動が新庄村には多くありますが情報発信についてはそれぞれが個別に行っている場合が多いことも分かりました。

 

現在の時点で様々な活動をしておられる方がいらっしゃる新庄村の可能性と今後の展開に期待が膨らむとともに、チームとして統一デザインで情報発信をすることで個々の活動において相乗効果を生み出すことが出来るでしょう。

 

 

5つの視点からみる「ミニビジネス」アイデア

林業活性化において、素材生産の体制や木材利用の直接的な対策は重要ですが、雇用や移住定住など地域全体の暮らし、経済を顧みた際には素早く始められる小さなビジネス、ミニビジネスの存在も重要となります。

勉強会の後半では、今後チームで取り組む、ミニビジネスに向けて5つの視点

1.直近のトレイルランニングにむけて出来る事

2.“〇×〇”のコラボで出来る事

3.小さく始められること

4.短期的にできること

5.中長期的にやりたいこと

 

からアイデア出しを行いました。

 

思考の幅を広げ、初めの一歩を小さくすること、さらに具体的な事例を見て、触ることで様々な意見やアイデアを発想しやすくなります。ということで、弊社のオフィスから全国各地のクライアントの皆様の木工事例を持参しました。皆さん実際に手に取って、会話をしながら木を触りながらのアイデア出しを行いました。

 

 

現在村内で取り組んでいることをベースに様々なアイデアが出てきました。

<トレイルランニングにむけて>

・カホンをブブゼラのように応援に使えないか?

・大会の参加者の名前を木札に書いてみたら面白いのでは?

 

<短期的に>

・杉玉づくりワークショップ

・音の鳴る応援グッズ

 

<中長期的に>

・カホンを加えた金管バンド

・6歳になったら机を作ろうプロジェクト

・ふるさと納税の返礼品に使えそうなもの

 

<小さく始める>

・目に触れる名札やバッジ作成

・ノベルティとして配布可能なもの

・普段使いできるもの(Tシャツなど)

 

<〇×〇>

・トレラン×サウナ

・森林セラピー×サウナ

・麻×杉玉

 

個々ではできないこと、思い付かないこともチームで考えれば実現可能に!アイデアは出して終わりではもったいないので、まずはやってみよう精神で、今後は実行に移していく予定です。

 

 

さいごに

第1回の勉強会から積み重ね、今回の勉強会が第4回。昨年度から数えると7回の勉強会が終了しました。

今回でチームの形や方向性が固まりましたので、これから皆さんの目に触れる形で活動できるよう準備を進めていきます。

次回は9月の下旬頃に中間報告会という形でロゴマークやチームのお披露目、今後の取組について関係者のみだけではなく村民の皆様も対象にご報告します。新庄村の本プロジェクトがより良いチーム作りができますよう弊社一同全力で動き、サポートして参りますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。新庄村のこれからの動きに、是非ご注目ください!

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 8月 30, 2019 Under — ちいきの地域, pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

 

2年ぶりとなる、現地研修会を開催しました。
今回は、「関係人口創出による地域信頼ビジネスとは?」をテーマに
弊社研究会のメンバーでもある、平田木材店様の拠点である、
福井県高浜町を訪問しました。

・地域づくりと環境認証ブルーフラッグの紹介
・若狭和田浜の海の家、大阪からIターン者が起業したイタリアンカフェ見学
・地域材(京若狭材)利用の高浜町役場、分譲地等の見学
・平田木材店工場案内
・日本初のブルーフラッグ環境認証の海でBBQも!?

と、ボリュームたっぷりの1泊2日で開催しました。

 

===
<福井県高浜町の概要>
人 口:10,401人(令和元年7月現在)
森林面積: 5,336ha
森林率:73.7%
町木:トチュウ
町花:ハマナス
(高浜町HPより)
===

 

それでは、現地研修会の様子を一部ご紹介していきます。

 

 

ゲストスピーチ「地域づくりとブルーフラッグ認証」

まず、高浜町のまちづくりにおいて欠かせないキーワードとなる、「ブルーフラッグ」を絡めた取組を一般社団法人若狭高浜観光協会の高田慎平様にご紹介いただきました。

 

「ブルーフラッグ」?初めて聞いた。

という方も多いかもしれませんが、ビーチやマリーナを対象に水質、環境マネジメント、安全性・サービス、環境教育・情報の項目で審査される環境認証です。1985年にフランスで始まり、世界で最も歴史のある国際環境認証の一つとして、ヨーロッパでは浸透しており、認証を取得しているビーチにしか行かないという一般観光客もいるとのことです。ここ若狭和田ビーチは2016年にアジア初の取得をしました。

 

高浜町は、昔から海水浴やサーフィンなど海のアクティビティで訪れる観光客が多く、1978年に海水浴客数がピークとなり年間120万人であったといいます。しかし、以降海水浴客は減少し、2015年にはピーク時の6分の1の21万人となっていました。民宿など宿の減少など周辺産業にも影響が出ており、海岸のごみ問題や設備不良など問題も出てきていたため、行政、有識者による検討会議を重ねブルーフラッグを取得する運びとなりました。

 

現在は、「100年後も綺麗な海を子供達へ」をコンセプトに、環境教育やファーストビーチなどのイベント、清掃活動や安全運動なども強化しているとのことで、ビーチを訪れる顧客層も良い方向に変わってきたとのことです。

 

地域のメインの資源を復活、活用したまちづくりの良い事例に触れることができました。

 

 

納材・施工事例見学

【神谷ビル】

 

 

ゲストスピーチを行った会場、神谷ビルは2階がフリースペースとなっており、1階は、観光協会のオフィス、飲食店が併設しています。

改修を行う際に、平田木材店が基本設計・納材・施工をおこなっており、店舗の一部はDIYで施工したとのこと。

1階も、2階も、美しい京若狭材のフローリングが敷かれており目を奪われます。

 

【高浜町庁舎】

 

2016年9月に竣工した高浜庁舎。平田木材店からは構造材を納品。中央エントランス部分は吹き抜けで大きな梁桁が目を惹きます。

中大規模建築には珍しく、細かな加工は地元大工が刻み加工をほどこしている点に、参加者の皆さまは驚かれていました。

 

【浜茶屋 小松ボート】

 

今年の6月に竣工したばかりの浜茶屋(海の家)。浜茶屋といえば、夏だけの営業をイメージしますが、ここ小松ボート様は、

年中営業を想定し平田木材店が設計、施工をしました。内装、特に天井には平田木材店の木材がふんだんに使われています。

これから迎える、初めての冬の雰囲気もまた楽しみで、さらにおでん定食が定番ということで、まさにぴったり。

 

【ウッドロード(和田高浜ビーチの木道)】

 

ビーチの真ん中に、海辺へとすっと伸びる木道。これも平田木材店様の納材事例です。水中用車いすやベビーカーでも、水際まで行けるように設計されており、

ブルーフラッグ認証のユニバーサルデザインのチェック項目に寄与しており、太陽の日差しが強く砂浜が暑い時の移動にも便利ですね。

 

 

平田木材店工場見学

1日目は、地域の納材事例の見学などがメインでしたが、2日目は、実際に製材品が生まれる現場、平田木材店様の工場を見学しました。平田木材店様の工場、事務所は若狭和田駅のすぐ隣、国道沿いに位置し高浜町の一等地一番地、まさに高浜町の顔としての存在感があります。

 

一足工場内に足を踏み入れると木材のよい香りがふわりと広がっており、工場内で毎日目立てをされた鋸がイキイキと回転する台車で次々に丸太が挽かれていきます。

工場の壁を取り外すと6m以上の長さの丸太も製材可能ということで、様々な需要に応えることが可能です。高浜庁舎の立派な梁桁も、この工場があるからこそ地元で提供できたということですね。

 

 

 

(モルダーの説明をする平田社長)

 

台車のある第一工場を離れ足を進めると、第二工場に。こちらでは、ここ数年でモノづくり補助金を活用し導入したモルダー、乾燥機、ヒートローラーによる乾燥、加工が行われています。新しい機会を導入し、加工力が高まったことで、施主への提案の幅が広がったとのこと。特にヒートローラーはフローリング材に圧迫しながら熱を加えることで浮造り風の手触りになる加工が可能となり、より強く無垢フローリングの魅力を施主へ伝えることができ、施主からの評判も良いとのことです。

 

1日目の夜の懇親会や視察場所など、まだまだお伝えしたいことがありますが、今回はここまで。

 

原木の目利き、製材、加工、納材、設計、施工とワンストップで商品、サービスを提供できる平田木材店様だからこその提案力を確実に高めており、地域づくりに欠かせない企業となっています。

また参加者の皆さまにとっては、平田社長の地域との関わり方・姿勢、事業の展開など刺激になったポイントが多くあったようです。各地域に戻り皆様の事業で少しでも実践できることがありましたら幸いです。

 

 

参加者の声(一部ご紹介)

A様(機械問屋)
平田社長の謙虚な姿勢、地域で生きるためのバランス感覚を学びました。
また、祖業の製材業から川下に事業を拡大し、建築関係までワンストップで対応可能にすることで、地域の様々な課題(案件)に対応可能になり、地域の活性化に深く関与することによって案件を獲得し商圏人口の狭さをカバーすることが出来る事も学部ことが出来ました。自身の事業においても、少しずつ地元との関りを増やし露出度を高めていきたい。

 

B様(木材加工業)
「モノづくり補助金が通ってから次々と状況が変わった」と平田社長はおっしゃっていたことが印象に残っている。やはり行動することで次の展開が生まれる。現状維持が一番危険であると感じた。また、ホームページを整備してから大阪などからも問い合わせがあり、実際に関西圏の施主も生まれたということで、外部とのコミュニケーション(特に顧客開拓や採用活動)において、ホームページは有効であること(社内説得に苦労する(笑)が、生き金になる)を学んだ。自社でもホームぺージの拡充に努めたい。

 

C様(工務店)
今回の視察では、人間の内面の部分を特に勉強させていただいた。人間性の部分ということで、すぐに自分に落とし込めるかは心配であり、特に平田社長の謙虚さと素直さと、当たり前のことを当たり前にやる実直さはすぐに真似でき無いが、今後の事業の骨格づくりに参考にさせていただこうと痛感した。

 

 

さいごに

今年度は、現地研修会を2回、開催予定。
次回は、山口県(長州)あるいは高知県(土佐)を予定しています。
詳細は追って、本ブログ等でご案内させていただきますので、
お楽しみにお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 月曜日 8月 26, 2019 Under pick up, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告