今年で第6回目となりました、経営実践研究会(大阪)×国産材ビジネスセミナー(東京)合同現地研修会。

今回は、九州・筑後川流域/日田地域を訪れました。

ダイジェストでご報告します。

 

参加者は、製材メーカー、流通店、工務店、住宅設備メーカー、旅行業、林学学生と多様ながら、

それぞれに林業・木材業に情熱を持つみなさまです。

 

●11月24日

挿し木林業がさかんな九州の杉を生かし、

筑後川流域の日田杉、小国杉、八女杉など、品種までを見ながら適材適所に仕上げる

有限会社杉岡製材所(福岡県朝倉市)。

 

充実した原木在庫から、最適な材料を提供するための、「仕入れ」の重要性を学びます。

 

 

 

修験者が植えたといわれる、数百年を超える「行者杉」。

地域にシンボルツリーがあることの価値。

森山銘木様では、世界最大級のブビンガスピーカー。

木への愛、無限の可能性・・・

 

大分県日田市に移動し、豆田地区の街並みを散策、まちづくりを体感。

 

「日田杉資料館」を見学、

日田木青会との合同勉強会・交流会で熱い夜を。

 

●11月25日

株式会社日田十条にて。

社屋の構造からも学びがあります。

旧上津江村の株式会社トライ・ウッドへ。

輪掛け乾燥材の品質管理を学びます。

お昼ご飯は、林業を発信する「ヤブクグリ」の”きこりめし”

 

最後は、マルマタ林業株式会社様の小面積皆伐+ポット苗 施業地へ。

森の中で、未来に思いをはせながら・・・記念写真です。

 

いかがでしょうか?

「九州の林業」と聞けば、大面積皆伐、大量生産、

なんとなく、目粗のスギ、というイメージをお持ちではないでしょうか?

 

そんなイメージを持って参加された方も、最後には

「九州材へのイメージが、覆された!」

というご感想をいただきました。

 

多くの方のご協力で、川上~川下、小規模から大規模、巨木と銘木・・・

非常に密度の濃い研修となりました。この場を借りて、御礼申し上げます。

 

今回は貸切バスで移動しましたが、
バスの中では、異業種の方が多くいるので、十人十色の視点・視座に、
脱林業発想(発想素人)と各社のプロフェショナル(実行玄人)で、
業界の垣根を越えたディスカションが出来たことが大いなる収穫でした。

参加者のご感想を一部ご紹介します。

~~~

工務店A様
林業をしている人にとっての「川下」が、まだ施主にまで達していないと感じた。互いの理解を深める必要性を感じた。

製材業B様
九州材=高温乾燥と思って日田に来たが、トライウッドのように輪掛乾燥もあることを始めた学び、九州林業の多様性を学べた。杉岡製材所のように、年間何10棟という規模の工務店に対応するこだわりの製材所が九州にあることを今回初めて知り、自社の材を使ってくれる顧客(工務店)が九州にもいるのではないか、という可能性に気がついた。

流通店C様
研修会前は「九州の木材業=生産性重視の木材業界、九州材=目粗」だと思っていたが、大規模~小規模まで、多様な製材業の姿をみた。原木市場でも、目が詰まった良材もあり、個々の製材所でも木材加工の研究が盛んで九州材の欠点を補う工夫がされていることを初めて知った。産地の想いを汲み取りながら、九州材を地元に持ち込んでみたいと思う。

異業種D様
林業に関する知識が浅く、ゴルフの基礎練習をする前にコースに出てしまったような感じで、現地で生の体験をできた。知識の整理は今後の研究会で消化していきたい。

旅行業E様
豆田地区は、画一化が進む日本の中で、とても魅力的な地区だった。もっとアピールするべき。
最近は物から事へという時代。林業でもツアーなどの6次産業化が市民に受け入れられてくると予想できるので、そのムーブメントに協力していきたい。

木材加工・流通業F様
最大の収穫は、木材業界のあらゆるパートにいる人が、想いを持って仕事をしていることを知ったこと。流通に係わるものとして、彼らの気持ちをいかに川下に届けるかが、これからの課題。

製材業G様
「自分ならどうするか」という目線で参加したが、最も自分に不足していると感じたのは「木材への愛」今後は、売ること、物づくりだけでなく、木の品種、育て方、木の持つ力を知ることが必要だと感じた。

製材業H様
物づくり目線で得る物が多かった。今まで、九州の製品は「目粗」「大規模製材所」「低コスト」と思っていた。しかし、日田の個々人が持つ木への想いが、自分の地域の人よりも強かった。強い想いのある人がずっといたから、一つの林業地として日田ができたのかもしれない。自分の地元でも、九州に負けない「木への想い」を作りたい。

 

~~~

なお、現地研修は年に1回ですが、通常のセミナー・研究会は12月も実施します!

★12/13(土) 国産材ビジネスセミナー第5回 https://chiikino.jp/?p=3467

★12/19(金) 経営実践研究会 12月度 https://chiikino.jp/blog/?page_id=42 ※詳細はお問い合わせください

みなさまのご参加、お待ちしております!

 

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10月18日(土)に、京都林業大学校にて経営高度化コースⅡ第2回が開かれました。

 

林業大学校

 

本日のメニューは、

・選ばれる林業会社、素材生産業者とは?
・「住宅10ニーズ」 ~木材は10ニーズにどうこたえられるのか~
・ブランド化とはなにか?

弊社岩井が講師となり、5名の参加者の皆様とワークショップをしながら、
「自分で考え、意見交換する講義」となりました。

 

講義風景

 

まずは前回の復習から講義をスタート。

 

みなさまの働く原動力になる「好きと憤り」、経営をする時の心構え「理念と利益」とは?

林業大学校の講義に参加される熱心な皆様、各々の好きと憤りをしっかりとお持ちでした。

「山が好き」、「山仕事が好き」という好き=持続的原動力と、
「山の価値がなぜ認められないのか」、「林業がなぜ商売にならないのか」という憤り=瞬発的な原動力

二つの組み合わせが大切です。

 

お次は、「みなさんの名刺、何が書いてありますか?」

という岩井からの質問と共に、前回ご紹介したマーケティングの基礎「3C分析」を復習。
実は名刺には、自分のサービス、強みを端的に表現できる大切な場です。
名刺に何が書けるかをイメージしながら、自社の強みを改めて考えていただきました。

 

 

いよいよ本日のレクチャー、一つ目のテーマは、「選ばれる林業会社、素材生産業者とは?」

「自分が山主だったらどんな林業会社に仕事を頼みたいか?

ワークショップで考えながら、自社の強みについて、あらためて考えていただきました。

 

林業会社WS

 

まず、施業内容に関するニーズがでました。

  • ・作業が早い
  • ・壊れない道づくり…

さらに、顧客である山主への対応や、提案力

  • ・急な注文にもこたえてくれる
  • ・説明が丁寧で、コスト設計が明確…

原木を販売する技術

  • ・造材が適切
  • ・原木の売り先が適切…

また、会社としての大前提、

  • ・山のものを盗まない
  • ・事故を起こさない

当たり前ですが、大切にしたいことですね。

このほかにもたくさんの「選びたい林業会社」のポイントがたくさん挙がり、
最後に岩井から、「選ばれる林業会社・素材生産業者 3つのポイント」としてまとめました。

 

また、原木の売り先である材木店、製材所の場合、どんな会社が顧客に支持されているのでしょうか?
これは原木を売る山側の業界も、知っておくべき情報です。

顧客から支持されている会社は、実は木材業界も、ハンバーガー業界でも一緒です。
本日はファストフード店の例を引き合いに出しながら、

  • QCD+個人信頼+会社信頼

という当たり前の積み重ねが、選ばれる会社への近道であることをお伝えしました。

 

 

 

お次のテーマは、「住宅10ニーズ」
住宅は、木材の最終製品の一つですが、いったいどんな家づくりが求められているのでしょうか。

こちらもワークショップをしながら改めて考えてみます。

たくさんの不動産広告が、本日のテキストです。

 

住宅ニーズWS

 

住宅ニーズWS

 

現在都会住まい派と、田舎住まい派に分かれて、意見をまとめたところ、
たとえば、同じ「快適性」というカテゴリーでも、重視するポイントに明らかな違いが現れました。

  • 都会派が求める快適性=家の中の快適性(室内の静かさなど)
  • 田舎派が求める快適性=趣味を楽しめる家や庭の広さ

想定しているライフスタイルの違いで、住宅ニーズがまったく違いますね。

 

このような住宅ニーズを押さえることで、あらためて「木材が施主に提供できるモノ、コト」が見えてきます。

施主のニーズにこたえるために、どんな課題を克服しなくてはならないのか。
あるいは、住宅の快適性、安全性にたいして、何ができるのか。
新しい木材の活用方法も見えてきます。

 

最後に本日のまとめとして、「ブランド化とは何か」、についての講義。

「高級感のある○○コーヒーと、ラフなスタイルの××コーヒー。二つのチェーン店のどちらがブランドですか?」

身近な喫茶店の例を引き合いに、あらためてブランドについて考えます。

高い価格で取引されるブランド品の共通点を振り返り、まとめとして、
「ちいきの総研流 木材業界 差別化7要素」をレクチャーいたしました。

 

今回は、徹底的に顧客目線立って、木材業界を振り返りました。

顧客のニーズを知ること。顧客に支持される「ブランド」について知ること。
その先に、自社の強みを活かした商品の開発や、情報発信があります。

木材業界では、「京都府産材」のように、新しく名前を付けて、ブランド化する動きが活発化していますが、
基本は顧客目線を忘れずに、木材ビジネスを展開していきたいですね。

 

次回(第3回)は、11月15日(土)の開催となります。
テーマは

○4つの事業

○価格設定と原価管理

○六次産業化とは何か

となっており、ゲスト講座としてビジネス法務に関するレクチャーも行います。
引き続き、よろしくお願いいたします。

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10月11日(土)に、京都府立林業大学校の社会人向け講座「経営高度化コースⅡ」が開講しました。

 

京都府立林業大学校(外観)

 

京都府立林業大学校は、平成24年に、西日本初の林業大学校として設立され、
今年の3月に1期生の皆様が卒業されたばかりです。

この度、弊社古川と岩井が講師を務めることになりました講座は、
社会人対象の研修科に設置されているものです。
昨年度にひきつづき、全5回にわたり担当させていただきます。

今年度は、「マーケティング力強化研修」という題で、昨年度の「マーケティング力養成研修」からのステップアップとしての位置づけでもあります。

マーケティングフレームやブランド化ノウハウの習得、情報発信の理論と実践に取り組みます。

 

第1回の本日は、6名の受講生の皆様とスタートです。
府内の林業会社の経営者、森林組合、京都府研究施設など
立場も年齢も様々ですが、みなさまお忙しい中お集まりいただきました。

 

初めに京都府庁の江原様から開講のご挨拶を頂きました。

最近は地域産材への注目度が高まりつつあり、京都府も積極的に京都府産材の普及に力を入れていること、
今回の講座を期に、受講者同士のつながりを強め、京都府全体のPR力を高めていただきたい、
と、激励のお言葉を頂きました。

 

開講挨拶

 

その後、受講生の皆様と講師の自己紹介をいただき、開講です。

講座の初めに、皆様にご質問。

「経営とは何でしょうか。」

「マーケティングという言葉と、セールスの違いをご存知でしょうか。 」

受講生の皆様参加型で、ともに経営やマーケティングについて考え
フレームを用いて定義を確認いたしました。

 

講義風景

 

経営とは、
①企業がもつ資源の最適配分をし、②顧客の定義と顧客に対する付加価値の創造をし、③それを持続させることといえます。

たとえば、経営資源であるカネ、モノ、コト、ヒト・・・これは無限大にあればいいのですが、
実際にはたとえば社員が5人、林業機械が3台しかない、資本金が100万円しかない、
という状況下で、どのように配置し稼働すれば最大限の価値を生み出せるのか。

これを考えるのが「経営戦略」であり、

経営力とは、それを判断する能力を高め、持続させる力の事です。

(逆に経営資源が無尽蔵にあるほど悩んでしまうということもあります)

 

その経営資源の最適配分をしながら、顧客の創造をするための営みが、マーケティングです。

今日のビジネス界が不足している問題は、商品の不足ではない。顧客の不足だ。

という、かのコトラーの言葉通り、木材業界に限らず、顧客を生み出すためのマーケティングは、
経営者にとって、今後ますます重要になるものです。

まずは経営者自身が「顧客をつくる」ことの重要性を理解し、
そして従業員も経営的な視点を持つこと。

まだまだマーケティングコンセプトが浸透していない林業界における課題です。

 

また【マーケティングの基礎】といたしまして、

おなじみの4つのマーケティングフレームをご紹介。

・消費の3要素と、商品/市場のライフサイクル
・売り方のテクニック 代替財と補完財
・流行り廃りを決める「地と図の関係」
・自社の強みを見つける「3C分析」

身近な具体例を紹介しながら、モノが売れる法則を探しだしていきます。

木材も一般消費財と考え、飲食店広告、携帯電話の形の流行り廃りなど、
身近な製品からの学びを、木材の販売方法、製品開発にも応用します。

皆様も身近な所で、マーケティングの法則・ヒントを探してみてください。

例:「木材+間接照明」という補完財の可能性
(参考:http://daisukefurukawa.blog18.fc2.com/blog-entry-889.html

 

講義風景

 

本日は、さらに林業へ一歩踏み込んで、【林業事業体の5つの顧客】を整理し、
林業事業体が「マーケティングをすべき対象」を明確にしました。

林業会社の顧客とは、

仕事を委託してくれる山主
木を買ってくれる業者
木材を支持してくれる消費者
会社に就職したい(将来の)人材
会社をサポートしてくれる行政関係

この5つの顧客に、情報発信する必要があります。

顧客が誰かを定義したうえで、的確なメッセージを持ち情報発信を行っている事例を、
さいごに
岩井から紹介させていただきました。

 

改めて確認したいのは、

・人生成功の3要素
・経営成功の3要素
・情熱方程式
・成功に導く目標設定(SMARTの法則)

 イチロー選手、石川遼選手など、一流選手と呼ばれるまでになった方々の小学校の卒業文集を拝見すると、

「いつまでに、○○になる」という具体的なビジョンがしっかりと明記されています。
この具体的な目標設計があるから、日々の努力(基礎練習)が継続できたのでしょう。

 

本日はマーケティング実践の前の基礎固めとして、経営とは何か、マーケティングとは何かについて、
皆様と考える機会を儲けさせていただきました。
日々の業務に追われてしまうと、自らの原点や、自社の社会的な役割について忘れてしまいがちですが、
それを思い起こすきっかけにもなれば幸いです。

 

次回以降は、本日の基礎の上に、具体的なマーケティング術、情報発信の技をご紹介する予定です。
今後とも、よろしくお願いいたします。 

 

Posted by admin on 土曜日 10月 11, 2014 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

「林業のリ・デザイン」
〜一次産業すべてに通じる、暮らしと経営のプロデュース論〜

2014年10月9日 広島経済同友会 第一次産業を考える委員会にて
弊社代表古川が
「林業のリ・デザイン」〜一次産業全てに通じる、暮らしと経営のプロデュース論〜
というテーマにて講演を致しました。

会場には約30名の会社や団体役員の方に多くお集まり頂きました。

※広島経済同友会様とは
昭和21年4月設立
企業経営者・幹部の個人参加を原則とし、様々なテーマについて調査・研究・討議を行う。
現在は林業をテーマとした活動を進めており、約800名の会員が在籍中。

 

■ はじめに
広島経済同友会様では現在、林業に関する提言をすべく様々な講師を呼び、議論を進めています。
今回、弊社では、「林業というとどんなイメージか?」という話題提供から始まり、
具体的な事例や質問を織り交ぜ、
他の一次産業にも通じる経営やマーケティングの視点を掛けあわせながらお話しました。
「林業×マーケティング」という視点はまだまだ業界に浸透していないもので、
ユニークな講演であると好評を頂きました。

冒頭では、三浦しをん原作の「神去なあなあ日常」が原作の、
今年話題の映画「ウッジョブ!」や、
矢口監督も寄稿いただいた古川編著「森ではたらく!27人の27の仕事」についても紹介をし、
最近の林業への注目度の高まりをご紹介しました。

林業とはどういう仕事か、という素朴な疑問にお答えすべく、
はじめて林業に触れる方に知っていただきたいポイントについて、
以下に改めてまとめてみます。

■ 林業はどうあるべきか
よく聞かれる質問として、日本の林業はどうあるべきか?それに対する答えはありません。
「日本のラーメン業界はどうあるべきか?」という質問と同じです。
店ごとに独自のスープや麺があり、こだわりがある。
林業界も同じく、あくまで人や個々の企業がベースとなり、成功しているといわれる地域でも、システムではなく「人」がポイントです。

■ 林業の多様性
好きな魚は?と聞かれれば答えられる方が多いですが、木はそもそも種類さえ知られていません。
○○牛と聞かれれば有名な肉牛産地が思い浮かびますが、
○○杉と聞かれると答えられない人も多いものです。

産地や生産方法も様々な日本の林業、まずはその多様性を知っていただきたいと思います。

■ 林業をとりまくキーワード
林業の特殊性を知るためのキーワードをご紹介しました。
「林業のカ・レ・シ」(3つの特殊性)とは?
近年よく聞かれる「バイオマス」という言葉が、真に意味するものとは?
どちらも重要な概念で林業を知る上で知っておきたいキーワードです。

■ 市場規模
林業の市場規模は4,000億円(うち約半分は栽培きのこ)であり、それに対して農業は8兆円、漁業は1.4兆円。
しかし、森林には貨幣流通していない価値があります。その価値とは?

■ なぜ森ではたらくのか?その価値について
森林の価値は市場規模以上のものであり、森林の多面的機能や生物多様性保全といった価値が注目されています。
某シンクタンクの試算ではその価値は日本全体で70兆円以上とも。最近ではその価値を知り、「山を持っているが、どうすればよいか」という問い合わせも非常に多くなってきています。

 

参加者の中にも、「実家に山を所有しているがどう扱えばよいか」
といったお悩みを抱えた方も多く、
業種を問わず、日本人にとって「森」とは切っても切れない存在であることを改めて実感させられました。

長時間の講義にも関わらず、ご出席頂いたほぼ皆様と共に懇親会へ進みました。

林業に直接的に関係のない事業を経営されている方も大変な関心をお持ちで、
私にとっても異業種視点をいただき、非常に熱い議論となりました。
以下にセミナーご参加者様からのアンケートを、一部掲載させて頂きます。
===
■ 商業施設経営 A様
林業の現状と何が足りないか、何が必要か。あらゆる業種に共通する考え方で説明を受けたことは大変わかりやすかった。
+++
■ 観光業 B様
環境を活かした仕事を創りたい。美しい森を作って、里山ツーリズムの創造へつなげていきたい。サスティナブルな国家づくりに森は不可欠と再認識した。
+++
■ 不動産業 C様
祖父の山をどうするかで、悩んでおり大変勉強になりました。
+++
■ 金融業 D様
「情熱方程式」にあるように、自身や周りの人間にもっと憤りを持たせる働きかけを行って生きたい。これによって様々な活力が生まれてくると思います。
+++
■ IT関連 E様
まずは自分の山の価値を知り、自分と地域のためにどうしていくべきか考えるところから始めたい。
+++
■ メーカー F様
原体験により、林業に関する理解を深めたい。
+++
■ 建設業 G様
林業がどうあるべきかを論ずるのが無駄な事を理解。まずはConsumerを見た上での今後のビジネスをどうしていくのかを考えたい。
+++
■ 印刷業 H様
自社の商品に意味付けをし、物語を創り、ツール創りをしていきたい。
+++
■ コンサルティング業 I様
マーケティングの基本・実践と情熱方程式がとても参考になりました。
+++
■ 教育関係 J様
理念と利益、3C、消費の3要素を自社のために役立てたいと考えました。自分の山を所有していますが、その市場価値の低さに残念な思いを抱いておりました。
+++
■ デザイン業 K様
消費の3要素が面白かったです。まちづくり事業を考えており、またお話を聞かせて下さい。
+++
■ 放送関係 L様
実家の林の整理をしてみようと思いました、家を建て替える際には木造を考えています。
+++
■ メディア関係 M様
利益なき理念は寝言 とならないようにしていきたい。

===

Posted by admin on 木曜日 10月 9, 2014 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

 

地域ビジネス実践塾

今回で最終回となる、「川上村地域ビジネス実践塾」(全5回)を開催しました。

お仕事の合間を縫って、4名の方に参加していただきました。
皆勤賞の方も、ありがとうございます!

 

実践塾の前に、前回の南山城村の視察報告
あらためて、地域ビジネスを促進するためのヒントや、官と民の協働の在り方についても意見交換がされました。
企業の自主性を尊重しながら、
協業型で行う、
お墨付きを与えることで企業信頼を高める、といった支援の方法が考えられました。

「地域ビジネスにおける行政と民間の、協業のあり方とは?」
という疑問は、今回のセミナーを機会に答えが見えてくるのではないでしょうか。

 

続いて、これまでにご紹介したマーケティングフレームを振り返りながら、
参加者の皆様それぞれのビジネスプランを発表&ディスカッション!

地域ビジネス実践塾

 

お客様に手に取ってもらえる新しいデザインとは?
圧倒的に大きいライバル企業との差別化は?
地域企業の知名度アップ戦略とは?

皆様の将来ビジョンを見据えたディスカッションでは、
参加者同士でアドバイスが盛んに交わされました。

自社の強み・課題は自分では見えにくいものですが、
同じ地域内の他社だからこそセールスポイントが見え、
経営戦略のうえで重要な視点になります

 

さらに後半のレクチャーとして、

●大規模競合他社と戦う方法 ~日露戦争のT字戦法に学ぶ~
●顧客を増やすための現代式・情報拡散ルート

有名企業の事例を紹介しながら、
地域の商品が、大手企業に負けない知名度・人気度を獲得する手段を考えました。

近年、購買意欲を大きく左右するようになっているネット上の口コミ、SNSの活用も、
地域ビジネスの成長には欠かせないものになっていきます。

 

今回が最終回ということで、セミナーの最後に、
企画・運営を担当をして下さった川上村役場地域振興課長より、参加者の皆様へご挨拶を頂きました。

課長が最も強調されたのは、「これが終わりではなく、始まり」ということ。

参加者の皆様が、本セミナーで「これだ!」と思ったアイデアをこれから実践し、
成功を積み重ねていただくことが、
地域ビジネス実践塾の目的でありゴールとなります。

これから始まる村内事業者、役場、商工会の皆様の協力を、
弊社も全力でサポートさせていただきたいと思っております。

経営的な相談、セミナーの相談など、疑問・要望・相談などがあれば、
御遠慮なく、弊社までご連絡ください。

 

最後に、お忙しい中ご参加いただいた皆様のおかげで、
本セミナーを無事に終了することができました。
ありがとうございました。

 

Posted by admin on 金曜日 9月 12, 2014 Under — ちいきの地域, pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

森ではたらく!出版記念トークイベント、第3弾は、愛知県名古屋市で開催されました。

会場は「LDK覚王山」 森と木の雰囲気がある素敵なブックカフェでした。

 

台風の強い風雨の中、そしてかろうじて動いている電車を乗り継いでお越しくださった皆様方、

本当にありがとうございました。

 

今回のゲストは、3人の男たち!

 

「森を挽く人」田口房国さん(株式会社山共)

「森を伐る人」久米歩さん(株式会社ソマウッド)

「森を興す人」古川大輔(株式会社古川ちいきの総合研究所)

 

林業の現場でも仲間同士であるこの3人が、惜しげもなく本音トークを展開するアツいイベントとなりました!

 

 

 

最初にご登壇下さったのは、「森を挽く人」 田口房国さん

 

9割が豊かな森林に包まれている岐阜県東白川村で林業・製材業を営まれています。

株式会社山共 代表取締役。

地歌舞伎も華やかに演じ、地域の方々に愛されている、37歳。

木材価格が年々下がる中、林業が伝統工芸になってはいけないと、若いパワーと知恵を駆使し、

時にはスーツ姿で東京へ売り込みに行く姿は、まさに現代の林業界の風雲児。

お忙しくなった田口さんに、お父様はもっと山に入ってほしいと願いつつ、

若い考えを全面的に尊重し、そして期待なさっているというお話に、会場も心がほんわり温まりました。

 

東京の一等地で東白川村のヒノキが使われている建物をみて、誇らしいと仰っていた田口さん。

2020年に開催される東京オリンピックにも、東白川村の木が受注されるよう、今からしっかり狙いを定めている姿は、これからの日本の林業界の頼もしい存在です。

 

続いてプレゼンを行なって下さったのは、「森を伐る人」 久米歩さん

静岡県清水区、富士山の見える森林地域で、木を伐るお仕事を担う、

株式会社ソマウッド 代表取締役。37歳。

キコリのイメージを若い女性に書いてもらったというイラストも交えたお話に会場も賑やかに!

久米さんは、木を伐るだけでなく、伐った木を世の中にお届けするキコリでありたい、

林業サービス業として人々に寄り添いたいとのお考えをお話下さいました。

特に【木魂祭】(もっこんさい)は、材木店さん、工務店さん、お施主様と一緒に大黒柱を伐るイベントとして大好評。

実際に木を自分で選び、触り、育った森を知ってから家を建てられるなんて本当に素敵ですね。

自称「山から下りてきたキコリ」さんは、木だけでなく、大切な命の繋がりも届けてくれます。

 

3人目は、「森を興す人」 古川大輔

大阪を拠点に、全国の森を駆け回る弊社社長林業再生コンサルタント。38歳。

お寿司屋さんが釣りをしている人を見たことがない訳はないけれど、

大工さんがキコリを見たことが無い世界というのが林業の世界。

それを繋げる第三者としてサポートしていきたいと語ります。

そして以前開催した森林林業ツアーを紹介し、「遊んで学んで癒されて」というテーマで都会の人を森に案内するというビジネスを紹介しました。

人生およそ80年。その間、一度も森へ行ったことが無いなんて残念でなりません。

やはり実際に自分の目で、肌で、全身で森を感じることは、私たちにとって大切なことなんですね。

 

さて、いよいよこのアツい3人全員でのトークショーが始まります。

普段から森のために繋がっている、とても仲の良い3人が考えていることとは・・・???

田口さんと古川が一致団結して会社を新しい方向へ向かわせようと模索する中、山共初代のおじい様と大喧嘩する話から始まり、

久米さんは心地よい山の仕事を持続させていくには、いかにお金を工面し、仕事も工夫していかなければならないかという苦労話など、

リアルな林業話に会場はぐんぐん惹きこまれていきました。

 

会場の皆様からの質問にもお答えしました。

「次の担い手である若手の育て方、来てもらえる環境はどう工夫しているか?」

久米さんは、自分がチャンスを色々探しにいくことで、若者もおもしろいと思ってくれている。新入社員をセミナーに送ったり、合コンに行かせたり、勉強と出逢いを提供しています。

田口さんは、丸太から四角い材を作り出す際が一番技術が要るが、職人という意識を持ち過ぎず、とにかくやらせる方針でどんどん任せて責任感を与えている。

若い社長さん達も、すでに次世代のことについて真剣に考えている姿勢に会場の皆さんも大きく頷いていらっしゃいました。

 

映画「WOOD JOB」のファンで、このイベントに来られたというお客様には、

久米さんが、普段もヨソモノである自分と、主人公と重ね合わせて泣いたというエピソードをご披露して下さいました。

 

最後はお決まりとなったサイン会。

直接皆さんとお話が弾み、ゲストの3人もとっても楽しそう!

現実はとても厳しい林業の世界で、お互いが知恵を絞って助け合い、森と会社と社員を守っていこうとする3人の意気込みのアツさが存分に伝わるイベントになった第3弾。

 

リアルWOOD JOBなトークイベント 「森ではたらく!」出版記念イベント!

まだまだ続きます!!!

 

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次回は 9月18日(木) 19時~20時30分 ジュンク堂書店池袋店にて

ホストは 、 「森に集う人」  山崎亮さん(studio-L)   「森を興す人」 古川大輔

ゲストは、 「森を写す人」 足立成亮さん です。

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どうぞお楽しみに!!!

 

Posted by admin on 月曜日 8月 11, 2014 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

 

8月6日(水)、川上中学校にて、
地域ビジネス実践塾in川上 第三回を開催致しました。

★前回の様子はこちらのブログをご覧ください
【地域ビジネス実践塾in川上 第二回開催!】(7/24)

まずは前回のふりかえりからスタート。
第二回の大きなテーマは「地域資源の発掘とビジネス化」。
「川上村の資源をどのように活かすか?」というテーマで
オリジナル商品を考案するワークショップを行いました。

復習として、さまざまな地域商品をビジネス視点で分析。
「消費の三要素」というフレームを基に、売れている商品の特徴を紹介しました。

 

第二回はこのように商品そのものに焦点を当てていましたが、
今回のメインテーマは「商品の魅力の伝え方・ファンの増やし方」。
・上手な写真の撮り方
・集客できるチラシのつくり方
・ ファンを増やすホームページのつくり方
という盛りだくさんの内容でした。

 

まずは「写真の撮り方」について。
かっこいい撮り方のポイントや効果的な光の使い方をレクチャーした上で、
写真撮影ワークショップを行いました。

参加者の方々に食品や木製品、雑貨など思い思いの題材を撮影していただきました。
背景も入れて撮るか、近づいて撮るか。上から撮るか、下から撮るか。光はどの角度から当てるか。
少し意識するだけで、がらっと印象が変わるのを実感していただけたと思います。

 

続いて、「集客できるチラシづくり」。
興味をかきたてるキャッチコピーの作り方や目を惹くデザインの方法など、
チラシやポスターをつくるときのポイントをお伝えしました。

レクチャーの後は、先ほど撮影したご自身の写真を使ってチラシ作成。
商品の魅力を伝えるにはどのようなキャッチコピーやデザインが効果的か
みなさまと一緒に考えました。

参加者の方々の作品例はこちら。(一部)

   

どちらも思わず商品のことが気になってしまう、印象的なチラシですね。

デザインの意図や、どのような工夫をしたかなどを全員で発表し合い、ブラッシュアップしました。
「フォントの選び方が上手い!」「このデザインはシリーズ化できそう」など
いろいろな感想が飛び交い大いに盛り上がりました。

 

最後は「ホームページのつくり方」について。
ホームページをつくる際に重要な視点や切り口をご紹介しました。
ターゲット層の人々にホームページを見てもらうにはどうすれば良いか?
ホームページを通じてファンを増やすにはどのような工夫が必要か?
これらの点については、今後詳しくご紹介していきたいと思います。

 

次回のビジネス実践塾は、なんと、川上村から飛び出して現地視察を行います。
8/30(土)京都府内某所にて、専用バスでの日帰り研修会を実施。
まちづくりのヒントがたくさん詰まった第4回もどうぞお楽しみに!

 

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今回の講座の後には、「キャッチコピーを考えるのは難しいが楽しかった」
「他の人の作品も見られて参考になった」というような声が聞かれました。
みなさまからのご意見&ご質問も、今後の講義内容に反映させて参りますので、また今後ともよろしくお願い申し上げます。

また、他地域でもこのような地域ビジネスについての講義、出張公演を受付けております。
講義のご依頼は、下記の連絡先までご連絡お待ちしています。

㈱古川ちいきの総合研究所 Email⇒info@chiikino.jp

 

=====地域ビジネス実践塾、次回も乞うご期待ください!=====

Posted by admin on 木曜日 8月 7, 2014 Under すべての記事, 講演&研修 報告

7月30日(水)、長野県林業総合センターにて、

「信州木の家マイスター講座」が開催され、弊社の古川・岩井がセミナー講師を務めました。

信州木の家マイスター講座は、長野県産材である「信州の木」の更なる利用・普及を目指し、

長野県内の木造建築物の設計・施工に携わる方々を対象に、

林業・製材業・建築業の知識を深めていただくことを目的としている講座です。

 

昨年度より開講している講座ですが、

当日は、20名ほどの林業、製材業、工務店のみなさまにお集まりいただきました。

まず古川が

1)林業界・製材業界の現状

2)マーケティング・コンセプト

をクイズを交えながらレクチャー致しました。

 

ブランド化の5つのヒント、他社との差別化の7要素など

商品力を磨くポイントをご提供しながら、

古川の関わる日本各地の林業・製材業、そして異業界の優良事例もご紹介。

 

岩井からは実践編として、チラシ作成のワークショップを実施致しました。

AとBのコンセプトが異なる住宅について、

「完成見学会」を開くとしたら、どんなチラシがよいか?というお題です。

 

A邸は

・木造2階建て

・長野県産材や自然素材を使用

・薪ストーブ、無垢フローリング

 

B邸は

・2×4 2階建て

・新建材使用、ローコスト

・太陽光発電パネル

・最寄駅から徒歩5分

 

といった条件で、それぞれ価格や立地などを設定しました。

 

「信州木の家マイスター講座」なので、やはりA邸のチラシ作成の方が会場では人気がありました。

ですが、あえてみなさまのコンセプトとは異なる物件のPR方法も考えていただきました。

 

「競合」を知ることで、改めて「自社の強み」を

考えていただくきっかけをご提供できたのではないかと思います。

 

参加者はグループに分かれ、自ら手を動かし、となりのメンバーとディスカションしながら一枚のチラシをつくりあげていただきました。
それぞれに思いのこもった、またポイントを押さえた紙面ができあがりました。

 

途中、チラシに載せたい「7つの“感”」、お施主様が求める「住宅10ニーズ」など

すぐに使えるチラシ作りのヒントをご提供しながらのワークショップでした。

 

最後に、講座について頂戴したご感想の一部をご紹介致します。

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工務店A様

マーケティング概論を聞いて、自社の在り方を考えさせれました。

例が多かったので、イメージしやすく、わかりやすかったです。

 

工務店B様

忘れかけていた大切な基本を考え、正す機会になりました。

有意義な講義、ありがとうございました。

 

工務店C様

意欲的に、利益や理念についてもう一度考え直して行きたい。

会社(商品)としてのコンセプトについて、明確にして行きたい。

 

製材所D様

これからどういう方向で経営をしていけばいいのか、大変参考になりました。

 

伐採業者E様

丸太を出す先のことを知る取り組みを最近していないことを反省しつつ、

明日から業務に戻ります。本日はありがとうございました!

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お一人お一人が「信州の木」の「使い手」であるみなさまに、

・「信州の木の良さ」を伝えるべきターゲットはどなたなのか?

・「地域の木を使う」強みは何なのか?

ということを、

 

・自社の理念と利益

・商品力とは何か

などのレクチャーを通し、改めて考えて機会になったのではないかと思います。

 

弊社では他地域でも、このような地域ビジネスについての講義、

出張公演を受付けております!

 

講義のご依頼は、下記の連絡先までご連絡お待ちしております!

 

㈱古川ちいきの総合研究所 Email⇒info@chiikino.jp

Posted by admin on 水曜日 7月 30, 2014 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告