2016年度国産材ビジネスセミナー第1回開催のご案内★

2010年から開催し、7年目を迎えた国産材ビジネスセミナー。

今年度は、各回豪華なゲスト講師をお迎えした全4回のメニューとなっております。

 

~異業種の方、新入社員、林業木材業の後継者の方へ~

 

第1回テーマは、

「初心者でもわかる!林業バリューチェーン」。

メイン講座として弊社代表古川より、日本林業のリアルとtruth、そしてその面白さを、統計、歴史から紐解きます。

さらに、林業、製材、流通、建築のビジネスモデルを、

価値連鎖を考える「バリューチェーン」の観点から、一気通貫で読み解きます。

業界を知るときに抑えておくべきメインプレーヤーを紹介する「業界地図」にもご期待ください。

 

★スペシャルゲスト★

第1回のゲスト講師として、木材業界を熟知した林材ライターの赤堀楠雄氏をお迎えし、

数々の現場を取材されてきた経験から見えたこれからの林業について、ご講演していただきます。

 

赤堀楠雄氏(プロフィール)

1963年生まれ、東京都出身。
早稲田大学第一文学部卒業後、林業・木材業界新聞社勤務を経てフリーライターとして活動。2009年からは長野県上田市に移り住み、里山暮らしを実践。著書に「よくわかる最新木材のきほんと用途」(秀和システム)「変わる住宅建築と国産材流通」(全林協)、「有利な採材・仕分け実践ガイド」(全林協)がある。雑誌「現代林業」に【木材トレンドを読み解く】連載中。

 

 

 

 

 

 

 

 

この1回で林業の全容、基礎基本を知ることのできる内容となっております。

異業種の方、新入社員、林業木材業の後継者の方、必見です!

 

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国産材ビジネスセミナー第1回

「初心者でもわかる!林業バリューチェーン」

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■日時:2016年7月30日(土)14:00~18:00

※終了後に懇親会を開催します(会費5,000円)

 

■場所:新橋貸会議室(田中田村町ビル5階)

東京都港区新橋2-12-15

<JR各線新橋駅日比谷口又は烏森口より徒歩4分、東京メトロ銀座線新橋駅6番又は8番出口より徒歩4分、都営三田線内幸町駅A1出口より徒歩1分>

 

■内容

【1】基礎講座

・統計で見る、日本林業のウソとホント
・日本林業はまるでワイン!その歴史と多様性
・木材自給率とお金のリアル
・林業、製材、流通、建築のビジネスモデル
・林業木材業業界地図

 

【2】ゲスト講演

林材ライター 赤堀 楠雄 氏

「林材ライターの取材現場で見えた!これからの日本林業」

 

■受講料:おひとり様15,000円(税込)

※お申し込み後、事前振り込みをお願いしております。

 

■定員:30名(先着順)

 

■お申込方法:

1)お名前

2)ご所属・役職

3)メールアドレス

4)電話番号(当日連絡先)

5)懇親会(会費5,000円)のご出欠

を明記の上、お問い合わせフォームからお申込みください。

折り返しご入金方法等についてご連絡させていただきます。

 

申込み期限:2016年7月27日(水)

 



 

★国産材ビジネスセミナーの年間スケジュールはこちら

https://chiikino.jp/blog/?page_id=190

 

↓↓チラシ、申込書のダウンロードは画像をクリック(pdf 702KB)

 

●第1回 2016年7月30日(土)14:00~18:00
「初心者でもわかる!林業バリューチェーン」
【ゲスト講演】

林材ライター 赤堀 楠雄 氏  「林材ライターの取材現場で見えた!これからの日本林業」

 

●第2回 2016年9月3日(土)14:00~18:00

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」
【ゲスト講演】

㈱自然産業研究所 上級研究員 田村 典江 氏  「ここがヘンだよ!?林野行政」

 

●第3回 2016年11月19日(土)14:00~18:00
「林業女子ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」

【ゲスト講演】

㈱はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏 「経営に女子力をいかすコツ~男女の目線の違いから~」

 

●第4回 2017年1月21日(土)14:00~18:00
「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」

【ゲスト講演】

㈱山共 代表取締役 田口 房国 氏「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 7月 14, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

国産材ビジネスセミナーin東京、ついに2015年度最終回!!
第5回目を開催し、今年度のカリキュラムを終了いたしました。

最終回は、今までご紹介してきた内容を凝縮しつつ、
「林業バリューチェーン」をテーマに開講しました。

 

【話題提供】新春年賀状からみる、年賀状デザインのポイント

まずは新年一回目ということで、年賀状をテーマにご紹介。

弊社にいただいた年賀状を参考に分析して、
「年賀状デザインのポイント」をご紹介しました。

年賀状作成のアプリやソフトが普及し、誰もがきれいに年賀状を作れるようになった今、
数ある年賀状の中で、もらった人の心を掴む、
他社との差別化に効果的なポイントとは何でしょうか?

それは、

1)会社ブランドの統一性
⇒ロゴマーク、コーポレートカラーが使われ、一目でその会社だとわかる

2)営業的な要素
⇒最近の商品や事業内容、トピックスがわかる

3)目を引く親近感
⇒手書きコメント、社員の顔が見える

 

いただいた年賀状を参考にこれらのポイントをご紹介しました。

年賀状の利用枚数はピークの2003年から徐々に減少していますが、
他の人(会社)が出さないからこそ、
年に一度の、顧客やパートナー企業とのコミュニケーション機会として、
年賀状をしっかりにご活用いただきたいところです。

さて、ここからセミナー本編へ。

 

【1】バリューチェーン分析から林業界を見る!

 

まず始めに「バリューチェーン」とは、原材料の調達から製品・サービスが顧客に届くまでの企業活動を、
一連の価値(Value)の連鎖(Chain)としてとらえる考え方のことを言います。
今回のセミナーでは、林業~製材~建築業のバリューチェーンを分解し、弊社岩井から解説いたしました。

例えば、「林業」を例に挙げると、
地拵え、植林、下刈り、除伐、間伐、枝打ち・・・と、
チェーンを分解できます。

その中で、ボトルネックになっている部分、利益を生み出している段階を見極めて
戦略をたてることができます。

 

また これを、業界全体に当てはめて

林業→製材→加工→建築・・・

などの流通段階を一連のチェーンと考えると(バリューシステム)

 

改めて、山で育てた木が使われるまでに、

・多く時間とコストが掛かっていること
・BtoB、BtoC、BtoBtoCと様々な業種が携わっていること
・プロ~兼業~ボランティアまで、携わる人の裾野が広いこと

などが分かり、林業木材業全体のバランスを俯瞰することができます。

またこのバリューチェーン分析の必要性について、異業種の事例を見てみると、

「サプライヤーの育成」と「流通改革」

がカギといわれています。

 

例えば、世界最大の食品・飲料会社であり、日本でもおなじみの「ネスレ」。

ネスレでは、オーガニックで安心安全なコーヒー豆の商品化に向けて、
コーヒー豆の栽培に携わる従事者の生産能力アップと、労働環境の改善が
課題となりました。

そこで、
・サプライヤーである農家の生産性を高めること
・農家の労働状況を改善し、従事者数を増やすこと

これらに取組むことで、バリューチェーン全体を改善し、
オーガニックコーヒーの商品化を実現しています。

林業木材業界においても同じく、

・製材業が林業事業体と連携して、優良材の安定供給体制を構築
・原木市場が林業事業体に造材指導をして、ニーズにあった原木供給を目指す

といった「サプライヤーの育成」を通じて、
木材の付加価値、企業の付加価値を高めている事例が多々あります。

受講者からは、

「木材は1世代で商品にならない素材だが、先祖が世話をしてくれた分まで、
育林コストとして計算すべきか?どの範囲までバリューチェーンに含めるのか」

といった質問もあり、大いに関心をもっていただけるテーマとなりました。

 

 

【2】林業木材業の地域連携事例紹介

 

林業バリューチェーンの考え方に基づき、第二講座では、
古川より日本各地の事業連携の事例をご紹介しました。

弊社がコンサルティングさせていただいた地域において、

・属人的な連携
・仕組みの連携
・組織の連携
・ソフトな実務連携
・ハードな経営連携 等…

多種多様な連携の形がありますが、これらを一挙ご紹介いたしました。

どの地域連携においても、

・共通の規格を定め、個々のレベルを高める
・役割分担を明確にする(例えば、ものづくり、営業、総務を分担する)

このようなルールが最低限必要であります。

地域での連携とは、仕事の奪い合いをするのではなく、
「ここはプロに任せよう」と、責任の明確化と役割分担を行った上で、チーム全体の力を高めていることが分かります。

また、弊社が事務局を務めるclubプレミアム国産材は、
遠くの同業種が集まった産地連携の一つです。

弊社では今後もセミナーや研究会を通じて、
商圏の被らないメンバー同士だからこそ可能な
情報交換や連携のご支援をさせていただければ幸いです。

 

【ゲスト講座】意外と似ている? PC業界と林材業 ~低成長時代のビジネスモデル~

 

さて、今回は(株)トビムシ取締役の小林洋光氏にゲスト講座をいただきました。

小林氏は、森林・林業を通じて地域活性化を支援する㈱トビムシ取締役を務める一方で、
外資系パソコンメーカーのレノボ・ジャパン㈱法務部を経験され、
法務の面から、日本の地域や林業を繋ぐ活動をされています。

そんな小林氏から、まずは法務関係のトレンドをご紹介。
2015年3月31日に「民法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、
同日中に通常国会へ提出されましたが、

今後の民法改正にあたって、住宅の欠陥トラブルはどのような影響を受けるのでしょうか?

バリューチェーンを考えれば、
確実に木材、林業界へも影響をおよびす住宅クレーム。
工務店業界のみならず、林業界も今から理解しておきたいポイントについて、話題提供をいただきました。

 

次に、今回のメインテーマへ。
異業種であるパソコン業界から見た林材業といった切り口で、お話しいただきました。

まず、一見すると似て非なるパソコンと林材業ですが、
「生活の大半を共にするモノ」という点では、共通しています。

また、市況においても、

・建築の新築着工棟数、市場規模 → 減少
・パソコンの出荷実績、平均単価 → 減少

という、いずれも右肩下がりの低成長時代のマーケット環境という点で、
類似する部分が大いにあるということです。

そのような環境下で、パソコン業界においては、「自社のバリューとは何か?」をとことん考え、
デザインの訴求、用途に適した機能性の訴求、技術革新、
競合他社や競合商品との差別化を徹底して考えています。

そのような中で、異業種に携わる小林氏からみた林材業界には、
掘り起こされていない価値伝えるべき埋蔵情報の宝庫であり、
さらに、伝えたことが情報ではなく、伝わったことが情報となる時代であると、メッセージをいただきました。

豊かな地域性と年月を背負って育まれた木材は、希少性の価値ある商品であり
さらに快適性能や健康性能を科学的根拠で伝えたり、
異業種の販売方法や保険サービスを取り入れて伝えられたいと、ご提案いただきました。

 

 

【まとめ講座】明日からできる!事業計画の立て方

 

今回のセミナーでは、バリューチェーンの観点から、多種多様な連携についての話題をご紹介しました。
一方で、連携によって地域全体の力を高めるには、
そもそもに地域に強い企業があり、経営者がいることが要であります。

強い経営を目指すために必要な、事業計画の立て方とは?
弊社古川がコンサルティングでお伝えしている要素を5つに絞って解説しました。

また、林業、製材業、木材流通業の黒字企業の業界平均データを用い、
粗利率や営業利益、経常利益とは何か?
経営の基本となる考え方をレクチャーいたしました。

経営を考えるにあたり最も重要となるのは、「時間対粗利」であり、
右から左へモノを流通させるのではなく、「付加価値」を高めて仕事をつくること、
さらに、時間に対してどれだけ有効な粗利を生み出せるかということです。

最後にこのようなメッセージをお伝えして、2015年度国産材ビジネスセミナー最終回を終了いたしました。
2015年度は、全5回のメニューを開催いたしましたが、いかがでしたでしょうか?

 

最後に、受講者様の声をご紹介します。
アンケートにご協力いただいた皆様、貴重な声をありがとうございます。

来年度の開催 については、こちらのブログにてご紹介させていただきます。ご期待ください!

 

★★★お客様の声★★★

■木材業 I様
初めて参加させていただきましたが、大変興味深いお話ばかりで面白かったです。自分が林業という業界について知らないことが多いことを改めて実感しました。また、PC業界の対年度成長率が約-40%という事実には驚きました。やはり異業種から見る林業という視点は、林業に携わっている人にとっては、とても斬新であると思います。このような視点の話をもっと聞いてみたいと思いました。

 

■公務員 S様
顧客設定とコンセプトが大切という点が印象に残りました。本日のセミナーを聞いて、自治体(村)をどうしたいのか、目標(ビジョン)を立てるべきと思いました。また、ゲスト講座を聞いて、より木材業界は生活との密着を考えること、営業と技術者の考え方のズレをすり合わせることが必要だと思いました。今後のセミナーでも、事例紹介を聞いてみたいです。

 

■公務員 I様
行政という立場にいて、果たして何をすべきなのかを考えるきっかけになりました。山林面積の多い自治体において、資源を有効活用できていない点があります。地域の木材関連業者と共に真剣に考える場を設けるために、今後もご協力いただきたいです。

 

■バイオマスエネルギー関係 K様
利益を何に使うかを考えることが大切という言葉が印象に残りました。地域で連携をとることが各企業にとって、業界にとっても良い効果を生み出すということが分かりました。地域の状況を全員が把握し、問題を解決するために何をすべきかを、全員で考えること、その時に、きちんと数字から分析していくことが重要だと思いました。また、林業は他業種の視点を持ち取り入れていく事が重要と実感しました。

 

■学生 T様
日本的な協力と、欧米的な協力(連携)の違いについてのテーマが面白かった。経営に係る利益には5種類あること、戦略、戦術、戦闘の違いが分かったこと、事業計画を立てるにあたって、事業内容を4つに分けて組み立てること、バリューチェーンと、まとめ講座を通じて全体的に繋がりを持って理解できました。伝えたことが情報ではなく、伝わったことが情報となる時代であるというところに、森林・林業の伸びしろがあると強く感じます。異業種に認められるバリューとは何かという考え方が必要であり、魅力になると感じました。

 

■林業 S様
近くの異業種、遠くの同業種と接点を持つことが重要であるとのメッセージが印象に残りました。事業計画の立て方のポイントを聞いて、自分の行っている事業で欠けている点が分かりました。今後、もう一度事業計画を見直していきたいと思います。

 

■木材業 H様
連携構築の在り方について、自分の地域を想像しながら聞くことができました。また、事業計画の立て方は、勉強になりました。ゲスト講座を聞き、異業種事例を聞くことで、森と材木のバリューを繋げていく事を積極的に考える重要性を感じました。

 

■製材木材業 U様
バリューチェーンという言葉の意味についてしっかりと説明を受け、自社を振り返った時に、改めて考えさせられる点があり、非常に勉強になりました。今回がセミナー初参加でしたが、製材業に携わりつつも、林業という仕事をあまり念頭に置いていなかったことが分かり、川上~川下までの一連の流れを理解する良い経験となりました。異業種からのゲスト講座も大変興味深かったです。今後も、国産材を使用し続け、また、エンドユーザーが求めているのか、色々な角度から分析して商品展開のヒントを教えてほしいです。

 

■学生 Y様
バリューチェーンや連携・協力のテーマは、会社を細かく分析する上で大変役立ちそうだと思いました。今後、就職し会社について分かった上で、より現実味を帯びて理解できる内容だと思います。事業計画については、自分の場合は人生計画に置き換えて考えてみようと思いました。利益率についての内容は、社会人になる前に知ることができて良かったです。復習して、理解を高めたいと思いました。ゲスト講座について、PC業界と木材業界の類似点があるという視点が面白かったです。木材業界が成長できる伸びしろが見えました。異業種では当然のことでありながら、木材業界が取組んでいない点に改めて気づき、もっと良さをアピールしていきたいと思いました。

 

■旅行業 O様
林業バリューチェーンの図式が分かりやすく、原木流通業の企画性を高める必要性についての話題も印象に残りました。林業木材業に関わる人やお金の規模感が掴めて分かりやすかったです。ゲスト講座では、「伝えたいことが情報ではなく、伝わったことが情報となる時代」という言葉に納得しました。今後も業界の最新情報を得るために参加させて下さい。

 

■まちづくり関係 M様
協力にあたって、役割と責任を明確にすることの必要性について、印象に残りました。セミナーを受講して、市場の概観が掴めたのが良かったです。もっと林業について知るコンテンツを色々と探ってみたいと思います。林業についてまだまだ知らないことばかりなので、今後も勉強していきたいです。ゲスト講座から「一次産業の中でも、林業ほど長期的な時間軸で続いてきたものはなく、貴い」という捉え方が新鮮でした。

 

■学生 W様
林業バリューチェーンを聞いて、林業から工務店業までの入り口と出口の窓口が広いことが分かりました。また、木材業の営業の大切さを知ったセミナーでした。林業の育林にあたって、過去の枝打ち回数まで把握して経営管理することも大切なのだと思いました。全国に様々な連携事例ができ始めているのだと知り情報盛りだくさんな内容で、とても勉強になりました。ゲスト講座でPC業界と林業と共通する点があるといった視点も新鮮でした。来て良かったです!ありがとうございました!

 

■学生 H様
初参加でしたが、林業の深さ、表面に出てこない部分を知りました。また、林業の将来性の分かる内容でした。

 

■デザイン業 S様
「情報力」と「行動力」で「交渉力」を高めるといったテーマが面白かったです。「負け残り」とも言われるような、衰退産業の中で残っている木材業者の経営力についての話題も印象に残りました。事業計画の立て方については、そもそも事業を行う前に確認したい7つのことが紹介されました。自分自身が夢を見たいと思いながら、踏み込めない理由と共通する点がありましたが、「負け残り」という言葉の意味をポジティブに捉えて進めたらと思いました。ゲスト講座では、自己バリューと将来求められるバリューを徹底的に考えるということが勉強になりました。オススメ図書の紹介も嬉しかったです。今後は、事業計画の立て方について、さらに詳しく知りたいです。

 

■住宅業 K様
事例紹介で紹介された木製品の美しさに惚れ惚れしました。林業界のバリューチェーンを集約した資料をみて、改めて木に関わる業界が広範囲な一方で、どこも「全く問題なし!」と言い切れる業種はなくて、ますます自分のバリューをどこで発揮できるのか、考えさせられました。ゲスト講座では、PC業界について知れたのが、とても面白かったです。林業界のことを知らなくて勉強中ですが、もっと視野を広げて、比較しつつ色々と見ることも重要だと思いました。

 

■製鉄業 H様
日本的協力と欧米的協力の違いについての解説が面白かったです。ビジョンの置き方で、敵が変わるマーケティング視点も印象に残りました。林業バリューチェーンの図式を見て、改めて川上への還元がなされていないことが確認できました。バリューチェーンの視点で、自らのストーリーも見直してみたいです。ゲスト講座についても、PCはじめICT業界の閉そく感について、改めて納得しました。ヒントになることが聞けました。

 

■エネルギー関係 H様
「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は寝言である」という言葉が印象的でした。まずは行動!ということで今回参加しましたが、業界の事を色々と知ることができ、大変勉強になりました。異業種からみた林業の分析も面白かったです。

 

■林業 T様
今回は総まとめの回ということで、かなり多くの事例を詰め込んで得ることが出来ました。ゲスト講座では、林業木材業のバリュー(強み)を異業種からも認めてもらえるプレゼンで参考になりました。転職後も参加したいと思います!

 

■公務員 S様
偶発的に発生した利益で喜んでいてはダメで、計画を立てて、それ以上を達成した時に喜ぶことが重要と勉強になりました。5つの利益についての解説は、復習したいと思います。

 

■学生 H様
林業木材業だけでなく、どこでも使える知識として、利益や事業計画の立て方についてのテーマが勉強になりました。今まで、当事者意識というものがなく、生きてきました。今思えば、夢中になれるものを探して移り住んできたのかもしれません。これから社会を知り、新しい風にコテンパンにされても、夢中になれるものを探して動いていきたいし、動き続けます。お世話になりました。ありがとうございました。

 

Posted by admin on 土曜日 1月 16, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京), 講演&研修 報告

 

2015年度最終回となる第5回は、

総まとめとして「林業バリューチェーン」について学びます!

川上(林業)から川中(製材)、川下(建築)まで、
物とお金の流れがどうなっているのか?

水平垂直連携の可能性についても、豊富な事例を交えながらご紹介します
また、明日からできる「事業計画の立て方」をレクチャー。
あなたのビジネスプランを、ぜひお持ちください!

一年間の学びを実践にいかすための、総集編でお届けします!

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国産材ビジネスセミナー第5回
「林業バリューチェーン&まとめ講座」
1月16日(土)開催!

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■日時:2016年1月16日(土)
14:00~18:00 + 懇親会

■場所:東京都中央区八重洲1-5-15 田中八重洲ビル2F
(東京駅八重洲口から徒歩3分)

■内容(予定):

【1】林業バリューチェーン(まとめ講座)
・ 収益性を高める林業バリューチェーンとは何か?
~水平連携、垂直連携等による地域連携型林業ビジネスの理論と実践~

・ 古川による全国コンサルティング事例 ビフォーアフター大公開

・ 今年の年賀状からみる企業価値とは!?

・ 大手PCメーカーからみるこれからの林業価値

【2】経営マーケティング 実践編
・ 明日からできる事業計画の立て方

【3】ゲスト講座予定
・ コンサルタントor国産材ビジネス経営者(予定)

【4】まとめ&ディスカッション

■受講料:おひとり様13,000円(税込)/学生  6,500円(税込)

■お申込みについて
ご参加をご希望される方は、メール(info@chiikino.jp)にて
以下の項目をお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3)お電話番号
4)メールアドレス
5)懇親会へのご出欠

お申し込み後、折り返しお支払方法をご案内させていただきます。

※定員20名。先着順に受け付け、定員に達し次第、募集を締め切ります。

↓↓国産材ビジネスセミナーについての詳細はこちら↓↓

https://chiikino.jp/blog/?page_id=22

Posted by admin on 土曜日 1月 16, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, お知らせ, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

国産材ビジネスセミナーin東京、2015年もいよいよ終盤に。

12月は第4回目を開催しました。

 

今回のテーマは”住宅動向からバイオマスまで”ということで、
まずは話題提供から。

11月には現地研修会として、岩手県岩泉町&矢巾町へセミナー受講者様と共に行って参りましたが、
現地の写真を中心に、製紙用チップ、燃料、木工家具、建築用材、集成材、バークたい肥、おが粉等…

東北地方の広葉樹の多様な使われ方、売り先について、改めて振り返りをいたしました。

★ 現地研修会の詳しいレポートは、こちらをご覧ください↓↓ ★
【現地研修会“広葉樹の森を巡る”in岩手 】(11/23-24)
1日目⇒https://chiikino.jp/?p=4762
2日目⇒https://chiikino.jp/?p=4854 

 

岩泉町での広葉樹林業をとって見ても、
木の使われ方と売り先が様々あって、林業が発展してきた歴史が分かります。

このような、木材の用途の多様性を念頭におきながら、
今回のセミナーの本題へ!

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【1】用途別木材のマーケットシェア

基礎レクチャー編として、
まずは市場動向を知ることから。

・日本の木材の主な売り先は?
・日本の住宅:工法別シェアについて
・ 大手ハウスメーカーのシェアと国産材
・住宅ストック数と空き家率
・リフォーム、リノベーション、コンバージョンの違いと事例紹介

等、統計的数値を読み解いていきます。

 

 

さて木材の主要な用途とシェアを見るとき、
ボリュームシェアだけではなく、その金額シェアを考えることが大切です。

近年では合板の国産材比率向上や、バイオマス燃料などが注目されていますが、
やはり金額シェアを考えれば、製材用の原木マーケットが圧倒的に大きく、
よい木を育て売ることで、日本の林業が儲かり、産業として成立しているということが分かります。

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ところで、マクロな視点とともに、国民一人当たりの木材使用量という実感のある数字に分解してみると、どうでしょうか?

木材の素材生産量を日本の人口で割ってみると、国民一人当たり約0.2㎥でとなり、
例えば薪にして燃やしてしまえば、焚き火一回分で終わってしまうくらいの量であると、具体的にイメージできます。

林業木材業については、調べれば丁寧な統計データが揃いますが、
この数字の見方、読み方について、

・異業種と比較する
・時系列で読み解く
・一人当たりに換算する 等、

このセミナーをきっかけに、より自分事化された気付きを得ていただければ幸いです。

 

 

【2】選ばれている、国産材家具・インテリアとは

さて、ここからは経営マーケティング編へ。

国産材を使った家具インテリアの事例を、弊社・岩井からご紹介しました。

木という素材は、誰にも加工しやすい点が特徴の一つです。

例えば、日本では針葉樹家具は「強度が弱い」「傷つきやすい」とネガティブなイメージを持たれがちですが、
針葉樹ならではの「白さ」「軽さ」が”面白い木(素材)”として、海外で人気を博していることもあります。

・ 加工度を上げてデザイン性を高める/あえて加工しない
・ 一点突破で市場を変える、市場を育てる
・ 一般的な”弱点” を”長所”に変える

など、それぞれのメーカーの戦略を分析しました。

 

木材の用途別製材品出荷量のうち、「家具用材」のシェアは約1%と少量ですが、
その分、これから増やせる市場(=可能性)があるということではないでしょうか。

マーケティングの視点を持って、
「木材ならでは」の特徴を強みに人気を得ている商品を紹介いたしました。

 

【3】住宅10ニーズと、選ばれる工務店ブランド・チラシの作り方

 

経営マーケティング実践編では、BtoB/BtoC営業の違いをレクチャーし、
具体的な営業ツールとしての「チラシ」作成のポイントを学びました。

ここで、「住宅10ニーズ」と題したクイズを実施!

「あなたが家を買うとき(選ぶ時)、どんな条件で選びますか?書き出してみてください。」

この回答から、住宅の売り方のヒントが見えてきます。

参加者からの回答は、

立地、費用、デザイン、快適性、間取り、安全性・・・といった回答が続き、

中には「カミさん(奥様)の意見!」という回答も。

一般的に女性の方が在宅時間が長いことから、
特にキッチンや水回りは、女性の意見は家づくりの重要なポイントになりますね。

このような回答の中、「国産材を使っている!」という条件を挙げた人は、意外といないのです!

 

つまり、消費者目線に立った時、木を木だけで売っていても、選ばれる住宅づくりは不可能で、

・安全安心×国産材
・デザイン× 国産材
・立地×国産材

といった関係で選ばれる住宅づくりを目指すこと。

山側としては、こんな家づくりに取り組む工務店と共に、
伐採ツアーや森林体験をすることで、国産材が選ばれるビジネスをともに作ることができ、
ゆくゆくは自社のビジネス(素材生産)にも繋がるということです。

チラシ作成のポイントも同じく、「国産材使用!!」と全面に押し出していても、
一部のニッチなファン層にしか届きません。

異業種の人気商品のチラシ等を交えつつ、反響のあるチラシの作り方をお伝えしました。

マーケティング視点を持ったチラシづくりの必要性は、工務店業に限ったことではありません。
林業においても、ポイントを押さえたチラシづくりで集約化施業の提案が求められています。
それぞれのビジネスへ、マーケティング視点を活かしていきましょう。

 

 【4】住宅・木材販売を実践するゲストからの特別講座

さらにここからは、ゲスト講座へ。
今回は豪華2名のゲスト講師にお越しいただきました。

まずは、
株式会社イケダコーポレーション 藤田 宏匡 氏から、
「塗料業界からみた、木材について~自然塗料と木のいい関係~」と題してお話いただきました。

ドイツ製の自然塗料を扱う商社として、
塗料のいろはからレクチャーいただきました。

 

日本で塗料が使われる場所は、主に2つ。

一つは、木を表しで使っているような、地域工務店であり、
もう一つ、近年特に需要の増えているのが、公共建築物です。

公共建築物木材利用促進法の施行により、税金を投入する物件には、木材を使うことが推奨されていますが、
大型の公共建築物を長持ちさせ、安心安全に使用するためには、
塗料の力を使って、木材特有の性質と上手に付き合うことが求められています。

例えば木材特有の性質として「呼吸すること」が挙げられます。
ご存知の通り、木は周囲の湿度に応じて、水分を吸ったり、空気中に放出したりする吸湿性を持っていますが、
木の表面を覆い呼吸できなくする塗膜性の塗料は、かえって木材の劣化を加速するおそれがあります。

また、塗装が劣化した時に、
・ 一度表面の塗料を剥がしきってから、一から塗り直しする塗料
・  再度上塗りし浸透させ、木の性質を強くさせる塗料

と、塗料の性質によってメンテナンスも異なりますので、
長期的なコストを考える上でも、塗料の性質を知っておくことは、木との付き合い方に必須ですね。

木材の性質を活かしつつ、長持ちさせる塗料との付き合い方を教えていただきました。

 

 

お二人目は、株式会社トビムシ(株式会社東京・森と市庭) 村上 達也 氏より、
「東京の森をいかす、森と市庭の取り組み」と題して、
奥多摩で進行中のプロジェクトをご紹介いただきました。

「株式会社東京・森と市庭」は、奥多摩地域をフィールドとして森林再生に取り組んでいます。

まずは森林のファンづくりと交流をめざし、
平成16年3月末をもって閉校となった旧小河内小学校を「OKUTAMA Field」として、
多目的に利用できるレンタルスペース事業を展開しています。

この「OKUTAMA Field」を使って行われたワークショップ研修や体験イベントについて、ご紹介いただきました。

 

また、「モリユカ・レンタル」として展開している無垢杉材の床レンタル&販売事業では、
都心のオフィスの床材を木質化した事例をご紹介いただきました。

「お客様と一緒に床を張って作業すると、不思議と皆寝転がるんですよ。
当初は土足で使用する計画でしたが、改装が終わって、土足禁止に変更となりました。」とエピソードを交えつつ、

タイル等の異素材から木材へシフトする際、
「ドアの開閉ができなくなる」等のトラブルが生じないための規格についても、工夫した点を教えていただきました。

[東京・森と市庭PV」

 

 

 

【まとめ】あなたに必要な木材利用の規模とは?

今回のテーマは「ニッポンの住宅動向からバイオマスまで」ということで、
最後はバイオマス動向についてご紹介。

全国50箇所以上に上るバイオマス発電所が設立され、
現状の素材生産量の2倍近くを出材する規模で計画が進んでいるバイオマス発電。

同じ原木を扱う業種と獲得競争になる恐れもあることから、
最近では、仕入れの質と量を確保するため、
製材所が山買いをして対策に打って出るところもあります。

[写真:バイオマスの事例「もくろう」]

一方で、たとえば山で焚き火する時に使う「木ろう(もくろう)」も立派なバイオマス利用の一つ。
原木丸太にチェンソーで数か所の切り込みを入れることで、
乾燥や燃焼時間を多少コントロールすることも可能です。

「バイオマス」の定義とは、広く考えることもできるのです。

あなたにとって必要な規模感、地に足のついた経営とは?
今回のセミナーを、考えるきっかけにしていただければ幸いです。

 

さて、次回の国産材ビジネスセミナーは、2015年度最終!!
一年間の総括として、テーマは「林業バリューチェーン」。
来年度に向けて、事業計画の立て方についてもレクチャーしますので、新規の方々のご参加もお待ちしています。

 

 

■日時:2016年1月16日(土)

14:00~18:00 + 懇親会

■場所:東京都中央区八重洲1-5-15 田中八重洲ビル (東京駅八重洲口から徒歩3分)

■内容(予定):

1)林業バリューチェーン(まとめ講座)

・水平連携、垂直連携等による地域連携型林業ビジネスの理論と実践

2)経営マーケティング 実践編

・明日からできる事業計画の立て方

3)ゲスト講座予定
・コンサルタントor国産材ビジネス経営者(予定)
詳細は後日お伝えします。

■受講料:おひとり様13,000円(税込)/学生  6,500円(税込)

■お申込みについて
ご参加をご希望される方は、メール(info@chiikino.jp)にて
以下の項目をお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3)お電話番号
4)メールアドレス
5)懇親会へのご出欠

お申し込み後、折り返しお支払方法をご案内させていただきます。

 

↓↓国産材ビジネスセミナーについての詳細はこちら↓↓

https://chiikino.jp/blog/?page_id=22

 

 

Posted by admin on 土曜日 12月 12, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

第4回目となる国産材ビジネスセミナー。

次回は、川下にフォーカスし、木材の最終需要である「住宅」や、
家具、リノベーション、バイオマスまでをテーマに、

その最新動向や営業マーケティングの極意を探ります。

 

また多様なゲスト講座や香港からの話題提供もあります。

初めての方も、ぜひお気軽にご参加ください。

 

■日時:2015年12月12日(土)

14:00~18:00 + 大望年会(懇親会)

 

■場所:東京都港区新橋2-12-15 田中田村町ビル5F (新橋駅から徒歩4分)

 

■内容(予定):

1)ニッポンの住宅動向からバイオマスまで

・住宅10ニーズ
・国産材利用工務店の営業ノウハウ
・公共物件、マンション、リノベーション
・新たな需要、バイオマス

 

2)経営マーケティング 実践編

・BtoB/BtoC営業とは何か
・チラシ作成のポイント
・行列をなす地域ブランド工務店の作り方

 

3)話題提供

・香港視察より~海外販路開拓のチャンスはどこに~

 

★ゲスト講座

1)株式会社イケダコーポレーション 藤田 宏匡 氏

 「塗料業界からみた、木材について~自然塗料と木のいい関係~(仮)」

 

2)株式会社トビムシ(株式会社東京・森と市庭) 村上 達也 氏

「東京の森をいかす、森と市庭の取り組み(仮)」

 

 

■受講料:おひとり様13,000円(税込)/学生  6,500円(税込)

■お申込みについて
ご参加をご希望される方は、メール(info@chiikino.jp)にて
以下の項目をお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3)お電話番号
4)メールアドレス
5)懇親会へのご出欠

お申し込み後、折り返しお支払方法をご案内させていただきます。

 

↓↓国産材ビジネスセミナーについての詳細はこちら↓↓

https://chiikino.jp/blog/?page_id=22

Posted by admin on 土曜日 12月 12, 2015 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, — 地域ブランド工務店, pick up, お知らせ, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京)

広葉樹の森を巡る現地研修会、2日目の様子をお伝えします。

 

【1日目:24日(火)】

■オーダーメイドの集成材メーカー

最初に訪れたのは、町内で集成材製造を手掛ける日本木材工業様。
国産材、輸入材を含め多くの樹種を取り扱い、
オーダーメイド、小ロット受注生産で造作材を製造しています。

製品にする前には、職人による材料の見極めが欠かせません。

フィンガージョイントで接着していきます。

手作業による、小回りの利く工場をいかして、
こんなチャレンジも。

近年は地域材の需要も高まっているそうで、
これから国産広葉樹をいかした製品づくりにも期待が高まります。

 

■FSCの北の砦、製紙用チップ工場

次に、町内で生産される広葉樹の90%以上を消費する、製紙用チップ製造工場、

新北菱林産株式会社(岩泉工場)へ。

視察している間にも、
次々に、トラックやフォワーダ(地元の人はTW(テーダブ)と呼んでいます)で
広葉樹原木が運び込まれてきました。

岩泉町産のFSC認証原木を使用しているため、
出荷されたチップは、最終的にFSCミックス製品として、
ティッシュペーパーや印画紙などになります。

チップ⇒パルプ⇒紙へと。

この丸太一本から、ノート約1冊ができます。

FSC認証のティッシュ、箱の裏には岩泉町の地図も!

「岩泉町の木からできたティッシュと知ったら、大切に使う!」
参加者のみなさまも、普段使っている紙の源流を知り、感銘を受けていました。

地域の林業を支える大口需要としての
製紙業の重要性を再認識しました。

 

■FSCの北の砦、製紙用チップ工場

岩泉町内最後の視察先は、
製材、パレット加工、おが粉、堆肥製造までを手掛けるトーア木材株式会社様。

針葉樹のみならず、冷凍庫でも割れにくい広葉樹パレットも製造。

きのこ栽培の菌床用のおが粉は、育てるきのこの種類に応じて、
広葉樹の中でも細かく樹種が分けられています。

さらにはニーズに応じて、おが粉の目の細かさも数種類あります。

 

針葉樹、広葉樹ともに、木を最後までいかしきり、

多岐にわたるニーズに応え、商品を生み出す。

 

西日本などで一般的な製材所とは異なる、きめ細やかさに、
参加者の皆様も驚いていました。

 

■驚くべき多様性、広葉樹の原木市場

矢巾町へ移動し、最後の視察先は、
盛岡木材流通センターです。

東北地方では、針葉樹は大型工場への直送化が進むいっぽう、
広葉樹は多様なニーズがあり、入札で取引されています。

全国でも有数の広葉樹の市場。

ちょうど市日の前ということで、非常に多くの原木が集まっていました。

ほかの市場ではなかなかお目にかかれない樹種に、

参加者は興味津々で、用途や価格について質問していました。

 

一口に「林業」や「木材」といっても、日本国内でも多様性があり、
奥深い世界であることを実感します。

また隣接するアカマツの市場も見学。

「南部赤松」といわれ、日本有数の地松のブランド産地ならではの、
貴重なアカマツの原木を見ることができました。

 

今回は、広葉樹をテーマに二日間の研修を行いました。

現在の人工林資源や政策から、どうしても針葉樹にばかり目が向きがちな日本の林業界ですが、
広葉樹資源も着実に育ちつつある中、

今後、環境に配慮した森づくりや、海外との資源獲得競争、そして木材産業としての差別化を考えれば、
「日本林業の未来」としての広葉樹資源に視野を広げ、育林や生産体制の整備に取り組むことは、
将来の林業の発展にかかせないものでしょう。

 

今後も弊社では、林業木材業に対する視野を広げ、可能性をさぐる研修会を開催して参ります。

明日のビジネスと、明日の森づくりのために、学びを実践に変えながら、邁進して参りましょう!

 

最後に、お世話になりました岩泉町の皆様、盛岡木材流通センター様、参加者の皆様に、

感謝の念を述べ、締めくくらせていただきます。

 

誠にありがとうございました!

Posted by admin on 火曜日 11月 24, 2015 Under pick up, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京), 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

今年で7回目となりました、

経営実践研究会×国産材ビジネスセミナー 合同現地研修会。

11/23-24の二日間、今回は「広葉樹林業」をテーマに、岩手県を巡りました。

 

■岩手県の林業

岩手県の素材生産量は、

北海道、宮崎県につづく全国3位(1,370 千㎥(H26))であり、

アカマツの生産量は全国1位(191千㎥)

カラマツは第2位(322千㎥)

広葉樹第2位(280千㎥)

を誇っています。

 

ボリュームとしても多く、
また全国的に生産量の少ない樹種を多く産出しているのが特徴です。

 

■岩泉町

日本三大鍾乳洞である「龍泉洞」や、酪農で知られる岩手県岩泉町。

森林率93%を誇り、そのうち60%以上が広葉樹に覆われて、製紙用チップを中心に広葉樹の素材生産が盛んにおこなわれています。

その森林で、2003年にFSC(R)森林認証(グループ認証)を取得し、
現在、森林認証と広葉樹をいかした、新たな地域木材ブランドの構築に取り組んでいます。

 

町のシンボルマウンテンは、「宇霊羅(ウレイラ)山」。

アイヌ語で 「霧のかかる峰」という意味で、
そびえたつ岩肌と、たなびく雲が神秘的な光景です。

 

今回の研修会では、総勢24名のメンバーで、

この岩泉町および広葉樹の取り扱いが豊富な、
盛岡木材流通センター(岩手県森林組合連合会)を訪ねました。

その様子をお伝えします!

 

【1日目:23日(月祝)】

■60年生カラマツ林&広葉樹林

盛岡駅からバスで移動すること1時間半、
岩泉町の小川地区にある、カラマツ&広葉樹施業をされている、
南澤氏(林業会社経営)の森林へ。

冬になり、カラマツも広葉樹もすっかり葉を落としていましたが、
すっと伸びる樹形がよくわかります。

 

「自分は72歳、このカラマツ林は60歳、干支が同じです」

という南澤氏が手をかけて育成されてきたカラマツ林は、
樹高35mにまで成長しました。

順調に生育した理由の一つが、周囲の広葉樹林。

これが防風林の役目も果たしています。

 

広葉樹は植林はせず萌芽更新を利用しながら除伐を行い、
目的とする樹種を残して育てるという施業を行われています。

林床では以前、葉わさびの栽培をしたこともあり、
どこからか種が運ばれてきた、クワの木などが見られました。

(クマの糞から芽生えたのかもしれません?)

 

明るい広葉樹林やカラマツ林の空間を
多面的に活用した林業の可能性を、垣間見ました。

「目標は、100年生のカラマツに育て上げること。
需要は変わっていくので、市場も見ながら、お金に変えていきたい」

 

補助金や政策に寄らない、
コンセプトを貫く林業経営の在り方に、ヒントがあります。

 

■龍泉洞とFSC認証材

ここで観光タイム。
岩泉町に来てかかせないスポットが、日本三大鍾乳洞の龍泉洞です。

あの、宇霊羅山のふもとにあります。

 

実は、この龍泉洞の床板は町内で生産された
FSC認証カラマツが使用されています。

よく見るとあちこちに、FSCマークが・・・!

 

地域の観光産業をも支える、
林業・木材産業の存在感を感じていただけたでしょうか。

入り口の看板でもFSCをアピール。

 

参加メンバーで、記念撮影!

 

■岩泉の森づくり100年ビジョン

タウンメッセージに「森と水のシンフォニー」を掲げる岩泉町。

岩泉町役場林業水産室の今村氏より、町として取り組んでいる森づくりのビジョン、
そして計画中の地域木材商社についての構想をお聞かせいただきました。

 

森の恵みをモチーフにしたシンボルマークを掲げ、
広葉樹施業の研究と実践、
需要と生産のマッチングに取り組まれています。

参考URL http://iwaizumi-forest.jp/

今回の研修は、岩泉町役場様の全面的なご協力で開催されました。
引き続き、役場の皆様にもご同行いただきました。

 

■FSC認証取得の地域工務店

次に訪れたのは、東北では初めて、
建設業としてFSC(COC)認証を取得した、
株式会社西倉工務店です。

認証材をはじめ、地元の木材にこだわって施工されてきました。
倉庫には、近隣で生産された杉やカラマツ、
土台にはクリなど、適材適所に利用されています。

建築のみならず、多種多様に活用できるのが、木材の面白さです。

枝を利用したノベルティなど、
木をいかしきる、そして楽しさを伝える取り組みを拝見しました。
震災復興で人手も材料も足りない状況とのことですが、
地域に技術があり、地域で木材が手に入ることの重要性を改めて感じました。

 

■300年生きる家具を

次に、おもに岩手県産の広葉樹を使って
家具製造を行っている、岩泉純木家具有限会社を訪問しました。

製材業から創業されたという工房では、
一つ一つ、職人の手で作られる家具の製造行程を見学しました。

樹種により異なる特性を熟知し、
お客様のライフスタイルや嗜好に合わせて、
適した樹種や加工を提案されています。

工房に掲げられた経営理念に基づき、
木の命をいかすものづくり。
若手の職人も育成されています。

新調したばかりという作業服には、
岩泉の森のシンボルマークが。

これからは、町内の広葉樹をつかった家具づくりにも
積極的に取り組まれていきます。

 

■講演会:岩泉の明日の林業をつくる会

岩泉町内の林業木材業関係者でつくる
「岩泉の明日の林業をつくる会」との合同勉強会を開催し、
研修参加者と合せて総勢60名以上の参加となりました。

はじめに、基調講演として株式会社ワイス・ワイス代表取締役の佐藤岳利さまに
ワイス・ワイスの取り組みについてご紹介をいただきました。

今回、佐藤氏には特別ゲストとして、
社員様とともに、二日間の研修会にご参加を頂きました。

現在、国産材や顔の見える木材での家具を数多く手掛けられている佐藤氏は、
実は7年前にも岩泉町のFSC認証林を訪れていました。

岩泉町が新たな挑戦を始めたタイミングでの、再会という形となりました。

 

岩泉町を訪問した2008年以前にも、家具や店舗空間を手掛けられてきた佐藤氏。
しかしその背景にある違法伐採や木材加工の労働環境を目の当たりにし、
これからの方向性を模索している中での、岩泉町との出会いでした。

その年を境に、顔の見える木材と作り手に特化した商品開発、
製造工程や素材仕入れの切り替えに取り組んでこられました。

結果として、生産者、販売者、顧客との良好な関係が生まれ、
利益率も高まっていった実績をご紹介いただきました。

これからの時代の
顔が見える製造、流通の可能性を大いに感じるご講演でした。

 

次に、岩泉町の森林認証取得をサポートされた
アミタ株式会社の小川直也氏より、FSC認証とは何か、
改めて基礎知識についてレクチャーを頂きました。

戦前までは、地元の木を調達して建築や燃料に使うのが当たり前でした。
しかし木材流通が発達するにつれて、調達の利便性は向上したものの、
トレーサビリティが脆弱になってきたという背景があります。

どこから来た木なのか、誰が加工した木なのかが分かれば、
ユーザーは愛着を持って大切に使う。

誰が使う製品なのか分かれば、作り手も想いを込めて作る。

その顔が見える流通が難しくなった現在において、
FSC認証をはじめとする森林認証は、
トレーサビリティを証明し、流通をつなげるひとつのツールにもなりうる。

森林の適正な管理のみならず、
流通をつなぐ効果や可能性についてご教授頂きました。

 

■懇親会

この現地研修会は、
開催地の林業木材業を肌で感じ、
新たな知識や経営のヒントを得るのみならず、

現地の方々や参加者どうしの交流も、大きな魅力の一つです。

 

勉強会の後は、恒例の懇親会。
こちらも出席率が高く、60名あまりの大宴会となりました。

地域の特産品である岩泉ヨーグルト等も堪能しながら、
参加者のスピーチが続き、大いに交流を深めました。

初日から密度の高い研修となった研修会in岩手。
2日目につづく・・・

 

Posted by admin on 月曜日 11月 23, 2015 Under pick up, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京), 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

経営実践研究会[大阪]×国産材ビジネスセミナー[東京]
合同現地研修会2015 開催決定!!

※定員に達しましたので、募集を締め切りました。ありがとうございました。

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2015年11月23日(月祝)-24日(火)IN 岩手県
“日本林業の未来がここにある”
針葉樹だけじゃない、「広葉樹林業」を見に行こう!!

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毎年恒例の現地研修会、第6回となる今年は初の東北、岩手県に決定!
将来の日本林業のスタンダードとなり得るか?
今回のテーマは「広葉樹林業」。

国内でも数少ない広葉樹林業、そしてFSC森林認証を活かした
森づくりに取り組む、岩手県岩泉町を中心に訪ねます。

川上から川下まで、多様な主体により展開される「トータル林業」とは?

 

■視察先
①岩手県岩泉町
・岩泉町の森林100年ビジョン
・針葉樹、広葉樹がおりなす風景
・広葉樹が集まる、製紙用チップ工場
・木を活かしきる、パレットからおが粉まで
・多種多様な樹種を扱う、集成材メーカー
・FSC認証取得の地域工務店
・東京でも人気、木をいかす家具工房

*現地プレーヤーとの交流会、勉強会あり!
*日本三大鍾乳洞の「龍泉洞」、絶品ヨーグルトもあります

②岩手県盛岡市
・盛岡木材流通センター
豊富な広葉樹取扱い量を誇る原木市場へ!

 

■日程(予定、訪問先の状況により変更の可能性あり)

【11月23日(月祝)】

9:30いわて花巻空港  または 10:00盛岡駅 集合

岩泉町内カラマツ人工林 視察

龍泉洞観光

岩泉町役場・森づくりビジョンの説明

㈱西倉工務店 視察

岩泉純木家具㈲ 視察

町内事業者と合同勉強会 *町外家具メーカーのゲスト講演予定

懇親会

宿泊(ホテル龍泉洞愛山)

 

【24日(火)】

08:00 出発

日本木材工業 視察

新北菱林産㈱ 視察

㈱トーア木材 視察

昼食

(移動)

盛岡木材流通センター 視察

17:30盛岡駅 または18:00いわて花巻空港  解散

※集合・解散場所等は、ご希望に応じて調整いたします

 

■費用

受講料 21,600円(税込)
※交通費、宿泊、飲食費等の実費は別途ご負担ください。

■定員 20名(先着順)

■お申込み
1)お名前
2)ご所属
3)携帯電話番号
4)メールアドレス
5)現地までの交通手段(予定)

を明記のうえ、info@chiikino.jpまでお送りください。

※定員に達しましたので、募集を締め切りました。ありがとうございました。

※申し込み〆切: 11月2日(月)
※定員を超える場合、経営実践研究会および国産材ビジネスセミナーの受講生を優先的に受付します。ご了承ください。

※航空券等、集合場所までの移動チケットは、ご自身でご手配ください。

 

参考:

◎行き
(航空機)
7:35 名古屋小牧 ⇒ 8:45 いわて花巻 FDA351便
7:55 大阪伊丹 ⇒ 9:20 いわて花巻 JAL2181便

(電車)

7:36 東京 ⇒ 09:52 盛岡 はやぶさ3号
6:04 東京 ⇒ 09:19 盛岡 やまびこ41号

◎帰り
(航空機)
18:45 いわて花巻 ⇒ 20:20 大阪伊丹 JAL2190便
18:50 いわて花巻 ⇒ 20:15 名古屋小牧 FDA358便

(電車)
17:50 盛岡 ⇒ 20:04 東京 はやぶさ28号
18:15 盛岡 ⇒ 20:32 東京 はやぶさ30号

 

★参考リンク
・岩泉町 http://www.town.iwaizumi.iwate.jp/
・IWAIZUMI forest http://iwaizumi-forest.jp/
・龍泉洞 http://www.iwate-ryusendo.jp/

 

 

※過去の現地研修のレポートはこちらから
・2014年 九州筑後川流域・日田地域 https://chiikino.jp/?p=3508
・2013年 飛騨高山 https://chiikino.jp/?p=2161
・2012年 四国林業遍路14箇所巡り https://chiikino.jp/?p=948

Posted by admin on 月曜日 11月 2, 2015 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, お知らせ, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京), 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)